秋季高校野球の東京大会は10日、神宮球場で決勝を行い、国士舘が帝京を6-0で破って2年連続7度目の優勝を果たし、来春センバツの2年連続出場を確実にした。エースの中西健登投手(2年)が2試合連続完封した。国士舘は15日開幕の明治神宮大会に出場。帝京は10年ぶりのセンバツ出場が厳しくなった。来春センバツ出場校選考の重要資料となる秋季高校野球は全10地区が終わり、神宮大会高校の部組み合わせが確定した。
国士舘に頼れるエースが誕生した。右腕の中西が準決勝に続いて2試合連続の2安打完封。「優勝するのが目標でした。きのうの疲れもあったけど、1人で投げきるのが一番と思い、投げました」。外野手で入部し、永田昌弘監督(61)の勧めで投手に転向、今秋から背番号1を背負う。サイド気味からの精度のいい直球とカットボール、シンカーなどを低めに集めて打たせて取った。
前日の城東戦で94球を投げた後に右手中指に血豆を見つけた。「びっくりしたが、痛みもなく気にならなかった」。無四球だった前日に比べればボール球が多かったものの4四死球にまとめた。
秋の大会を通じて成長したエースを、永田監督は「時折出る弱気が出なかった。立派だった」と絶賛。「去年のチームより攻撃力はある。次の目標は、去年できなかった神宮大会勝利」と力を込めた。 (小原栄二)