
ロシア極東ウラジオストク郊外にある
サファリパークで飼育されていた1頭のヤギが、11月5日死亡した。5歳前後とみられている。
ティムールと名付けられたこのヤギは、餌として同サファリで飼育されているシベリアトラのアムールに与えられたものの、
そのまま友情を育んだとして有名になった。
11月8日、サファリパーク園長によりティムールの死亡を発表。死因は自然死であると告げたが、実際には過去のアムールによる攻撃が原因で健康状態が悪化したためとみられている。
2015年以降、トラとヤギのユニークな友情物語は、世界各地で報じられただけに、今回のティムールの死はファンに大きなショックを与えたようだ。
Умер друг тигра Амура - козёл Тимур
2015年に始まったトラとヤギの友情物語
ウラジオストク郊外のサファリパークでシベリアトラとヤギの物語が始まったのは2015年。このパークでは、ヤギを生きたままトラの囲いに投げ入れ捕食させるという飼育法を行っていたことから、エサとして1頭のヤギがトラの囲いの中に放たれた。
ところが、ヤギは強大な捕食者の前で恐れを一向に見せず、むしろ大胆不敵に立ち向かう行為を見せた。これに驚いたトラのアムールはヤギを襲うのを止め、自分の寝床すら与え、やがてアムールがヤギに狩りを教えるほどの仲に進展したという。
当時、世界中のメディアがこの奇妙な関係を「友情」として報じた。それはカラパイアでも同様だ。
最初は、トラの気まぐれでヤギを襲わないだけとも伝えられていたが、2頭は何か月もじゃれ合ったり一緒に眠ったりと仲良く過ごし、その光景はますます注目を浴びることとなった。
ティムールの行動が大胆になり友情に綻びが生じる
トラを恐れないヤギは、ロシアの古い児童書にある勇敢な少年の名を取って「ティムール」と名付けられ、アムールとティムールはサファリパークの知名度を一気に上げた。
パーク側は、2頭を見に来る客から得た入場料も含め、観光客用の土産にと2頭がプリントされたカップやキーホルダーなどの商品販売で多大な収益を上げることに成功した。2頭はパーク側にとって大きな資金源となった。
ところが、この2頭の友情に綻びが生じ始めた。

image credit: youtube
ティムールの態度が次第に大胆になり、アムールに挑むようになったのだ。ティムールはアムールの神経を逆撫でするように、角でアムールを小突き回すなど、約1か月間、その“嫌がらせ”は続いたという。
やがて、我慢の限界に達したアムールは、2016年1月のある日、ティムールを高台から投げ落とした。背中に大怪我を負ったティムールはモスクワまで飛行機で輸送され、緊急手術が施された。
治療後、再びサファリパークに戻ったティムールだが、完全回復とはならず、2頭の間にはすっかり溝ができてしまったようだ。
本当に2頭に友情は芽生えていたのか?
ティムールとアムールの仲たがいのニュースが再びニュースで報じられ、ファンを驚かせていた中、パークの元広報担当者だったエフゲーニャ・パタノフスカヤという女性が、メディアに衝撃的な告白をした。
『
The Siberian Times』の取材で、パタノフスカヤさんはこのように語っている。
アムールとティムールは「友情」を築いたとして世界的ニュースになりましたが、それ全て「ヤラセ」で、パークの宣伝のためだったのです。
最初に、エサとしてのヤギをトラの囲いに入れた時には、トラは既に十分なエサを与えられていて、満腹状態でした。だからティムールが放り込まれたタイミングは、ミスだったのです。
単にトラは、空腹ではなかったためヤギを襲わなかっただけです。野生のトラは、捕えたエサをどこかに隠し置く習慣がありますが、飼育下のトラは定期的にエサが与えられるためその必要も、またその習慣もありません。
私は、他のスタッフに「アムールに十分にエサを与えてヤギを襲わないようにして」と頼みました。そしてそれは、2か月続きました。これは私のアイデアです。でも、園長はまるで自分のアイデアのようにしてしまい、私をないがしろにしました。
その後、パタノフスカヤさんはパークを去った。そしてそのすぐ後にアムールがティムールを襲う出来事が起こったという。
この件について、当時ドミトリー・メゼンツェフ園長はパタノフスカヤさんへの嫌悪感を露わにし、次のように話した。
ヤラセというのは全くの嘘です。
過去にもこの2頭に関する多くのフェイクストーリーが流れましたが、これもその1つです。彼女は、チーム全体と衝突した唯一の人物で、紛争で自分が目立ちたいだけに過ぎません。
アムールとティムールの友情は、確かに存在します。
トラやヒョウの研究者でもある同園長は、2頭のニュースが世界中で報じられた際に「この奇妙な友情は、奇跡とも呼べるものだ。人間同士も、もっと親切にしなければならないという“天からのお告げ”だろう」と語っていた。
背中の傷がいえぬまま、ティムール旅立つ
結局、アムールの攻撃事件以降、2頭は別々になり、ティムールとアムールはそれぞれメスのパートナーを得て、しばらくは幸せに暮らしていたようだ。
しかし、アムールから受けた背中の怪我が原因で健康状態を悪化させたティムールは、今年11月5日に死亡。8日にパーク側は、ティムールの死因は「自然死」と発表した。
ネット上では、この訃報を知った2頭のファンから、「勇敢なティムール。あなたは永遠に私たちの心に生き続ける」などといった多くの追悼の声が寄せられた。
一方、アムールはサファリパーク内で今も元気にしているということだ。ティムールの遺灰はパーク敷地内に設置された墓に埋葬され、スタッフらはティムールの銅像をそこに建てる計画を明らかにしている。
References:EN24など / written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
異種なのに仲良しっていう二頭の関係が、大好きな絵本みたいでほっこりしたのを覚えてる
真偽がどうかは分からないけれど、当人(人ではないが)たちの関係もパーク側のゴタゴタも今回の記事で初めて知って残念な気持ち…
せめて安らかに眠ってほしい
5. 匿名処理班
友情以前に、
生きたヤギをトラの生息域に投げ入れて餌にする
という時点で「えっ…」ってなった。
そりゃ自然界は食うか食われるかだけどさ、動物園でそれやるのはどうなのよ。
6. 匿名処理班
ロシアらしい
7. 匿名処理班
飼育環境下で猫みたいに育てられた虎は態々こんな大きな獲物襲わないでしょ
8. 匿名処理班
リアル『
あらしのよるに』 かと思ったら、なんだか色々ゴタゴタしてたみたいやなあ
真偽はわからんけど(辞めた人の言い分が正しいとは思うw)、最後は決裂しちゃうのが悲しいけどリアルって感じだ
9. 匿名処理班
お前、めぇ~わくや! タイガーいにせぇよ(# ゚Д゚) と成ったらしい
10. 匿名処理班
死んだあととうとう餌になったのかと思った
11. 匿名処理班
※5
『捕食シーン』は客寄せの為に、施設側がよくやる事だよ…。
12. 匿名処理班
※5
子供にカラシニコフの組立競争やらせる国だよ?
13. 匿名処理班
100%ただのエサ
14. 匿名処理班
キリンを生きたまま解体ってショーもある国もあるんだし多少はね
15. 匿名処理班
美談でも何でもない。
最悪な動物園としか思えん。
16. 匿名処理班
※5
まあより実際の生態に近い姿を客に見せるというのも動物園の主旨としては合致しているのでは?
17. 匿名処理班
ヤギが調子こきすぎたってだけでは
18. 匿名処理班
※5
中国だったかな?ニワトリかなんかを生餌にしてた記憶があるから、結構捕食シーンを見せ場にしてるのかも
まぁ、生餌の方が重量換算で安いかもしれないしね‥内臓は栄養あるし
なんかそう考えると元広報の女性の意見がホントな気がするなぁ