会員制交流サイト(SNS)などで高額報酬をうたい、違法行為に加担させる「闇バイト」に応募する少年らが後を絶たない。中でも特殊詐欺で現金を引き出したり、キャッシュカードを受け取ったりする「受け子」に応募する少年が多く、摘発されたり、脅されてやめられなくなったりするケースもある。2019年夏には、闇バイトに応募した少年が不良集団「半グレ」グループに監禁される事件も発生。高額報酬につられ、軽い気持ちでアルバイトに応募した末に待ち受けるのは、人生がめちゃくちゃになるリスクだ。
大阪府内に住む少年(19)が、SNSで見つけた高額報酬をうたうアルバイトに応募したのは7月。特殊詐欺の受け子など違法な仕事内容だとは予想していたが、それほど危険な行為をすることはないだろうと高をくくっていた。
ところが、呼び出し先に向かった少年の前に現れたのは半グレグループの男ら。「泥棒せえ」などの指示を拒否した少年は、男らに車で連れ回された後、大阪市内のマンションに監禁。ドライバーのようなもので左足を突き刺され、全治約10日間のけがをした上、自身の軽乗用車も奪われた。
少年はいったん解放された隙に大阪府警に相談。府警は10月、監禁致傷や強盗容疑で男らを逮捕した。
この少年のように、楽に小遣い稼ぎをしようと考え、SNSで応募し、違法行為に手を染めて逮捕されるといったケースが相次いでいる。
特に目立つのは特殊詐欺の受け子だ。実際に現金を受け取るなどするため、防犯カメラに写ったり、警戒中の警察官に見つかったりするケースが多い。
府警によると、19年に入り、府内で窃盗や詐欺容疑などで逮捕された受け子は9月末までに135人、18年同期比で82人増えた。うち20歳未満は56人で、同32人増となっている。
府警によると、摘発した少年らの大半がTwitterを使用。検索したい言葉の先頭に「#」を付けるハッシュタグ機能で「#裏バイト」「#受け出し」「#高収入」などと検索し、バイト募集を見つけるケースが多いという。
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