最新記事

教育

TOEICスコアが日本より150点も高い韓国でも、英語が話せるとは限らない

ソウルの塾で英語を教えるカリスマ講師  Lee Jae Won - REUTERS

<大学入試に民間試験を導入すれば本当に英語を使いこなせるようになるのか?>

日本での入試制度が大きく揺れている。2020年から導入される予定だった大学入学共通テストの英語への民間試験の導入が延期となった。このニュースはすでに連日報道されているのでご存じの方も多いだろう。

「ヒアリング」と「リーディング」が主だった英語入試試験に、今回「スピーキング」と「ライティング」を採点基準に加わえ、さらにTOEFLや英検などの民間試験の点数が採用されるシステムに変わろうとしていた。しかし、一部地域では開催していない試験があったり、経済的余裕がないと何度もテストを受けることが出来ないなど、平等性について反対意見も多かった。

そんななか、10月24日に萩生田文部科学相が語った「身の丈発言」が炎上、これが決定打となって、2024年まで導入は見送られることとなった。この騒動の一番の被害者は、大人たちに振り回される結果となった学生たちだろう。

苛烈な受験競争の韓国では?

お隣の国、韓国は教育熱心でよく知られている。当然、英語教育にもかなり力を入れており、英語の早期教育も盛んだ。2000年ごろからは、物心の付き始めた子供が母親とともに英語圏の海外に移住し、一人残った父親が韓国から送金する「キロギアッパ(雁父さん)」が現れた。小学校から大学卒業まで別々で暮らすため、韓国に戻ってきたころには父子の絆が薄まっていたり、寂しさから父の自殺が増加したりと、社会問題となってもいる。

TOEIC Program を開発しているEducational Testing Serviceが今年発表した2018年度の国別受験者スコアを見てみよう。990点満点中、アジアではフィリピンが727点でダントツ1位だが、フィリピンはもともとアメリカ植民地だったので英語が日常で使われている為、この結果もうなずける。アジア第2位の韓国は673点で日本の520点を大きく引き離している。

もともと韓国は儒教思想が根強く教育に厳しいお国柄ではあるが、なぜ日本とこのような153点もの差が生まれてしまったのだろうか?

toeic_chart.png

TOEIC 国別平均スコア(2018年)一般社団法人国際ビジネスコミュニケーション協会のデータをもとに作成

ニュース速報

ワールド

アングル:混乱のレバノン、大規模デモと経済危機の背

ビジネス

中国PPI、10月は前年比-1.6% CPIは約8

ワールド

トランプ米大統領、対中関税撤回で「何も合意せず」

ビジネス

米主要株価指数が最高値更新、ウォルト・ディズニー高

MAGAZINE

特集:危ないIoT

2019-11・12号(11/ 6発売)

家電やセンサーをネットにつなげる「モノのインターネット」 高い利便性が魅力だがそのセキュリティーは穴だらけ

人気ランキング

  • 1

    「アメリカは韓国の味方をしない」日韓対立で米高官が圧迫

  • 2

    日朝戦争なら韓国は北朝鮮の味方、日本はいつの間にか四面楚歌?

  • 3

    韓国通貨危機の裏側を赤裸々に暴く 『国家が破産する日』

  • 4

    母親に育児放棄されたチーターが、犬の「代理きょう…

  • 5

    200万年前の氷が採取されて2年、地球の気候変動に関…

  • 6

    文在寅政権の「自滅」を引き寄せる大統領側近らの忖度

  • 7

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 8

    ストレス耐性は就学前に決まる? 産業医が見た「スト…

  • 9

    車にはねられた柴犬、あるものに挟まって驚きの生還

  • 10

    10兆円規模の資本金を2年で使い果たしたソフトバンク…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2019年11月
  • 2019年10月
  • 2019年9月
  • 2019年8月
  • 2019年7月
  • 2019年6月