ドラマログテキストマイニング

テレビ番組(ドラマ)の字幕情報を対象に、テキストマイニングの研究をしておりますので、解析結果の公開をメインに関連グッズを交えた構成で記事にしてます。また、解析結果の信憑性が確認できるよう、解析用ソースも部分引用し掲載してあります。

世にも奇妙な物語 ’19秋の特別編 タモリ 杉咲花、斉藤由貴、ムロツヨシ… ドラマのャストなど…

土曜プレミアム世にも奇妙な物語 ’19秋の特別編【ストーリーテラータモリ】』のテキストマイニング結果(キーワード出現数ベスト20&ワードクラウド

  1. 恵美
  2. 志保
  3. 直美
  4. 恭平
  5. 藤田
  6. 男性
  7. 藤原
  8. 荒井
  9. 由佳
  10. 女性
  11. 記憶
  12. 社員
  13. 亮介
  14. 幹子
  15. 絵里香
  16. 大岩
  17. お前
  18. 教師
  19. 生徒
  20. 部長

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土曜プレミアム世にも奇妙な物語 ’19秋の特別編【ストーリーテラータモリ】』のEPG情報(出典)&解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

 

解析用ソースを読めば、番組内容の簡易チェックくらいはできるかもしれませんが…、やはり番組の面白さは映像や音声がなければ味わえません。ためしに、人気のVOD(ビデオオンデマンド)サービスで、見逃し番組を探してみてはいかがでしょうか?

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他にも、無料お試し期間のあるVODサービスが増えてますので、以下バナーから各社のラインナップを調べてみるといいかもしれませんね。

(本ページの情報は投稿日時時点のものです。最新の配信状況は Paravi サイトにてご確認ください。)

(詳細はFODプレミアム公式ホームページにてご確認ください。)

 

土曜プレミアム世にも奇妙な物語 ’19秋の特別編【ストーリーテラータモリ】[字]

「鍋蓋」杉咲花▽「恋の記憶、止まらないで」斉藤由貴▽「コールドスリープムロツヨシ▽「ソロキャンプ」板尾創路▽「恵美論」白石聖▽今宵、奇妙な世界へ…

詳細情報
ご案内
「世にも奇妙な服屋」限定グッズを抽選で1セット5名様にプレゼントいたします。番組本編内に流れる“キーワード”と必要事項をご記入の上、ご応募ください。詳しくは「世にも奇妙な物語」番組公式HPへ 
https://www.fujitv.co.jp/kimyo/
番組内容
珠玉の短編ドラマをオムニバス形式でお送りする『世にも奇妙な物語』は、毎回、斬新で多様なラインナップをとりそろえ、おなじみのストーリーテラータモリと豪華キャストが“奇妙な世界”へといざなう人気シリーズ。

今回の『世にも奇妙な物語’19秋の特別編』は5本のストーリーで構成される。
コールドスリープ
ムロツヨシが演じる未来を創造するIT社長が冬眠!?男を待ち受ける運命とは!?
番組内容2
「恋の記憶、止まらないで」
斉藤由貴演じる売れなくなったシンガーソングライターが、不思議な夢の曲で再起をかける。それはもしかして呪いの曲!?
「ソロキャンプ」
誰にも邪魔されず1人の時間を楽しむ“ソロキャンプ”。板尾創路演じる男がソロキャンプで至高の休日を過ごしていると怪しい影が男に迫る…。
「鍋蓋」
杉咲花演じる、仕事を押し付けられてばかりのさえない女性社員。
番組内容3
ネットショッピングの“おすすめ”を試してから彼女の日常が一変!もしかして恋愛も!?
「恵美論」
授業中うたた寝をしていた女子高生の恵美(白石聖)が、ふと起きると講義がなんと「自分を論じる学問」に!そして恵美論が好きだという男子生徒も現れ…。
出演者
ストーリーテラー
タモリ 
コールドスリープ
ムロツヨシ、落合モトキ、柳ゆり菜 ほか 
【恋の記憶、止まらないで】
斉藤由貴 ほか 
【ソロキャンプ】
板尾創路 ほか 
【鍋蓋】
杉咲花、石川恋、岩永徹也 ほか 
【恵美論】
白石聖、山下航平 ほか
スタッフ
【編成企画】
渡辺恒也、狩野雄太 
【プロデューサー】
植田泰史、水野綾子 
【演出】
横尾初喜、植田泰史、岩田和行、山内大典 
【制作】
フジテレビジョン 
【制作著作】
共同テレビジョン

 

 


ずいぶん 大きくなったな。
死にたくない。

呪われた CMソング。

この歌は!?
(悲鳴)

おすすめプラチナム

このままだと…。
何かない?

えっ!? 私の教科!?

恵美の ファーストキス
いつだと思う?

こんな時間に お一人ですか?

何とか言え!

♬~

(ストーリーテラー)皆さん こんばんは。

皆さんは 子供のころ
教室の黒板を 爪で 引っかき

きーっという 嫌な音を
鳴らしたことは ありませんか?

(引っかく音)

いやぁ。 誰もが 嫌で
苦手な音ですね。

ある説によると この音は

太古の昔 恐竜が発していた
鳴き声に 似てると いわれてます。

その時代 われわれ 人類の祖先は
ちっちゃく ひ弱な 哺乳類でした。

つまり われわれの記憶の中に

捕食者である 恐竜に襲われた
恐怖が 残っており

その結果 彼らの鳴き声を聞くと
おびえ 不快になる。

これが 黒板を 引っかく音を
嫌いになる 理由だそうです。

いやぁ。
でも 不思議なもんですね。

われわれは 恐竜に
会ったこともないのに

なぜか その声を 遺伝子の奥に
記憶しているのです。

もしかすると われわれの中に
他にも

自分自身も 知らない経験が

幾つも 記憶されているのかも
しれません。

こよい 奇妙な世界に 迷いこんだ
5人の主人公たち。

彼らも また 自分の知らなかった
自分の記憶と

出合うことに なります。

≪(地響き)

≪(吠える声)

(社員)古川さん。
(直美)はい。

(社員)これ 午前中に よろしく。
(直美)はい。

(由佳)お疲れ。
(直美)お疲れさま。

(部長)おい 古川。
(直美)はい。

(部長)急ぎで 小野澤物産への
営業実績を

全部 データ化して
提出してくれるか?

(直美)あっ。
でも 私 これ 午前中までに…。

(部長)よろしく。
(社員)古川さん ごめん。

名刺管理 頼めるかな?
俺 会議資料

まとめなくちゃならなくて。
(直美)でも ちょっと 私…。

(社員)よろしく。
(直美)分かりました…。

(由佳)大丈夫?
(直美)あっ。 大丈夫。

(通知音)

(直美)もう。

(直美)あっ。

(直美)「これは あなたの人生を
より 豊かにするための

新しい サービスです」

「転ばぬ先の つえとして
人生を サポートする

おすすめプラチナム

(直美)《サポートって》

《どうせ この前 ネットで買った
服とか 靴の

パターン違いを
すすめるだけでしょ》

(直美)鍋蓋?

♬~

≪(社員)おい。 古川。
(直美)はい。

(社員)また 彼氏とケンカしたの?
あの 外資系の人だっけ?

(由佳)それは 前。
今は IT企業の人。

忙しいからって
全然 会ってくれなくてさ。

もう ムカついちゃって

片っ端から
買い物しまくったわよ。

(社員)よく やるね。 でも
その ジャケットと 靴 カワイイ。

(由佳)来月の カードの支払い
超 怖い。

絶対 あいつに 払わせよ。

(社員)前も そんなこと 言って
別れたよね?

(社員)でも 由佳のことだから
キープしてる男

2~3人 いるんじゃない?
(由佳)ちょっと それ ひどくない?

(社員)いや。 怪しい。
(社員)怪しいよね。

(由佳)やめてよ。
そんなこと ありません。

≪(足音)

≪(荒井)お疲れ。
(一同)お疲れさまです。

(荒井)よかったら
これ 食べてみて。

取引先で
もらったやつなんだけど

すごい 有名らしいよ。

(由佳)これ お店で
行列 できてるやつですよ。

(社員)荒井さん ホント 神。
いつも ありがとうございます。

(由佳)あっ。 そういえば
どうでした?

この前 行くって 言ってた
中華料理屋さん。

(荒井)これ 見てよ。 これ。
(一同)おいしそう。

(荒井)後ね これ。 これ。

(荒井)ホントにね
これ おいしかったよ。

(直美)いただきます。

(通知音)

♬~

♬~

(荒井)古川さん。

それって もしかして ネジネコ?
(直美)あっ。 はい。

(荒井)俺も 大好きなんだよ。
ほら。 見て。

(直美)あっ。 カワイイですよね。
(荒井)そうだよね。

急に ごめんね。
(直美)いやいや。

♬~

(直美)高っ。

これは いいか。

(荒井)ごめん。 誰か パソコンの
バッテリー 持ってないかな?

(一同)持ってないや。
ごめんなさい。 すいません。

(荒井)ありがとう。

(直美)《あのとき
あれを 買っておけば…》

♬~

(直美)《これも いらないけど
でも…》

♬~

(部長)おい 荒井。 これ
使えなかったら どうするんだよ?

(荒井)少々 お待ちください。
(部長)確認しとけよ。

いつも 言ってるだろ。
どうなってるんだ? これ。

(荒井)これで
つくはずなんですけどね。

(直美)あのう。
これ 使ってください。

(部長)えっ?
マイ プロジェクター 持ってるのか?

(直美)先日 たまたま 買いまして。

(部長)古川。 ありがとな。
(直美)はい。

マジ 助かった。 サンキュー。

すごいかも。
おすすめプラチナム

ご飯だよ。

(通知音)

(直美)[おすすめプラチナムさえ
あれば…]

(部長)おい。 リモコン
どこ やったんだよ?

(直美)あのう。 これなら
そのテレビにも 対応してるかと。

(部長)マルチリモコンも
持ってるのか?

ホント 用意が いいな。
ありがとう。

[こんな 私でも
誰かの役に立てるし]

[おすすめプラチナムさえ
あれば…]

(荒井)お疲れ。
(直美)お疲れさまです。

(荒井)あれ?
もしかして

グランのマチコ つけてる?

(直美)よく 分かりましたね。
すごい。

(荒井)いい匂いだよね。
オリエンタル系っていうのかな。

すごい 好きだわ。

♬~

(社員)古川さん。
(社員)古川さん。

(社員)これ 超 カワイイね。

(社員)どこで 買ったの?
(直美)ありがとう。

[こんな 私でも
楽しく お話ができる]

(通知音)

[おすすめプラチナムさえ
あれば…]

(社員)超 似合ってるね。
(社員)そっちの方が カワイイよ。

(社員)コンタクトの方が いい。
(着信音)

(着信音)

[もっと もっと
たくさん 笑顔になれる]

♬~

[おすすめプラチナムさえ
あれば…]

[こんな 私でも…]

(直美)お待たせしました。
(荒井)全然 待ってないよ。

♬「アイ・ラブ・ユー OK
この世界の」

♬「たった ひとりの おまえに
俺の」

(せき)

[こんな 私でも
幸せになれるんだ]

(バイブレーターの音)

(直美)荒井さん? 何で?

由佳も 一緒で。
どうなってんの?

(通知音)

♬~

♬~

(社員)じゃあ いくぞ。
(荒井)はい。

♬~

(電子音)

(社員)由佳 すごいね。
前の彼氏とは もう 別れたの?

(社員)まだ 微妙な状況らしいよ。
(社員)二股ってこと?

もう 肉食っていうか
恐竜だよね。

(直美)《荒井さんは
由佳に だまされてる》

《そうに 決まってる》

(電子音)
(話し声)

(電子音)

(由佳)えっ? 毎日
連絡 来てるんですか? 直美から。

(荒井)まあ でも 仕事 忙しくて
返信できてないけど。

(由佳)あーあ。
そうやって 優しくするから

完全に 勘違い
しちゃってるじゃん。 そのうち

死んでやるとか なりますよ。
(荒井)うわ。

(荒井)《それは めんどくさいな》
(由佳)《あっ ついに 本音 言った》

(荒井)《違う 違う。 今のは
由佳ちゃんが 言わせたんでしょ》

(由佳)《じゃあ 今日も
荒井さんの家に 行ってもいい?》

(荒井)ああ。 もちろん。

何よ。 何なの?
どうすれば いいの?

何か ないの?

このままだと 荒井さんが。
荒井さんが…。

何かない?
(通知音)

(直美)また?

(直美)荒井さん。
(荒井)直美ちゃん。

あのさ しばらく 会うの
やめない?

今 仕事に 集中したいしさ。
大切な時期だから。

(直美)そんな。
いや。 でも…。

(荒井)ごめん。
落ち着いたら また 連絡するわ。

大切な時期って…。

由佳と?

(バイブレーターの音)

(直美)《全部 由佳のせいだ》

《由佳さえ。
由佳さえ いなければ》

(バイブレーターの音)

(直美)《こんなの
何に使うのよ?》

(バイブレーターの音)

(直美)《これって?》

♬~

≪(荒井)実は
そういうわけでして。

≪(部長)そうだったの?
全然 知らなかったよ。

(荒井)この前 俺たち
婚約したんです。

(由佳)早ければ 年明けには
式を 挙げようかなって。

(部長)いやぁ。 おめでとう。
荒井と 手嶋が 結婚かぁ。

(荒井)ありがとうございます。
(由佳)ありがとうございます。


(荒井)では 失礼します。
(部長)おう。

♬~

(バイブレーターの音)

♬~

(バイブレーターの音)

♬~

(直美)あの由佳が
ついに 結婚だもんなぁ。

あっ。 それでね 今度
この前 行きたいって 言ってた

葛塚峠の 広江神社 行かない?
そうそう。

夫婦円満の神社で
縁結びでも 有名な。

そう。 それでね その近くに
すごい いい コテージがあって

安く 泊まれるんだって。

ホント? よかった。
うん。 じゃあ また 連絡するね。

ホント 結婚 おめでとう。

♬~

(直美)やっと 着いた。
(由佳)へぇ。

コテージ 超 いい感じじゃん。
直美。 ホント ありがと。

(直美)早く 行こう。
もう おなか すいちゃった。

(由佳)うん。 そうだね。

(あくび)

(由佳)何か
もう 眠くなってきちゃった。

(直美)そっか。 じゃあ 寝ようか?
(由佳)うん。

♬~

(直美)由佳って
ホント すごいよね。

(由佳)えっ? 何?

(直美)すごい 奇麗だし
おしゃれだし。

いっつも みんなの中心で
男の人たちからも 人気があって。

(直美)彼氏とかも…。

(直美)取っ換え引っ換えで…。

(由佳)何? 聞こえない。

(直美)だから…。

(直美)彼氏も
取っ換え引っ換えでさ!

(直美)あんたみたいに
何の中身もない ぺらぺらで

見た目だけが 取りえの
頭 すかすか女なんて

誰からも 好きになってもらえる
資格 ねえだろ。

(由佳)何なの? 急に。
おかしいんじゃない?

(直美)おかしいのは お前だよ!

男を 取っ換え引っ換え
することだけが

生きがいのくせに。
どうせ 結婚しても

次から 次へと 男あさりして

荒井さんのことも
すぐに 飽きるんだろ?

(由佳)荒井さんが 何よ?

(直美)私が 付き合ってたこと
知ってたくせに。

(由佳)はあ?
ちょっと 優しくされて

勝手に
舞い上がってただけでしょ?

(直美)あんたさえ いなくなれば
元通りよ。

(由佳)あの人ね あんたのこと
めんどくさいって 言ってんのよ。

(直美)知ってるよ。 お前が
無理やり 言わせたことも 全部。

(由佳)はっ?

(直美)もういい。
あんた 死んで。

♬~

(由佳)誰か! 誰か!

♬~

(由佳)もう やめてよ。
こんなことして 何になんのよ?

(直美)あんたさえ…。
あんたさえ いなければ。

(男性)おすすめプラチナム
本来

ユーザーの人生が
豊かになる商品を

AIが予測して
提供する システムです。

♬~

(男性)しかし
今回のケースでは

AIの 行き過ぎた 未来予測へと
ユーザーが 導かれていきました。

(男性)その結果が これです。

(直美)これで 終わりよ。

♬~

(直美)何で? 何でよ?

(直美)私が。 私が
おすすめされたやつなのに。 私の。

(男性)このままでは ユーザーが
殺人犯に なってしまい

人生を 豊かにするという目的から
それてしまう。

なので
それを回避するため AIは

相手が 防御できる商品を
前もって おすすめしておきました。

(男性)それこそ 一番 最初から。

♬~

♬~

(男性)結果的に ユーザーは
殺人犯に ならず

おすすめプラチナムの AIが

大変 優秀であるという
証明になりました。

今回の サンプルは
誠に 有意義であり

より 高い実用性を 目指し

AIを アップデート
していきたいと 思います。

(通知音)

♬~

(大統領)鍋蓋。

♬(ピアノの演奏)

(志保)ごめん。 朝ご飯。
(賢治)うん。 今日 ライブだっけ?

(志保)でも 晩ご飯 作ってくから。
(賢治)いい。 外で済ませるから。

(志保)ごめん。

(賢治)まあ 満足できるまで
続ければ?

(賢治)じゃあ いってきます。

(志保)いってらっしゃい。

♬(ピアノの演奏)

(志保)♬「思い出は 波を追い掛け
流れゆく」

(志保)♬「昨日までの 自分に
別れを告げ」

♬「モーニング サンシャイン」

(志保)[いつからだろう?
誰にも響かない歌を 歌ってる]

(男性)「もう
新曲 書くつもりないのか?」

(女性)「久々に 聴きに行ったけど
いつも 同じ曲ばっかり」

(一同)「見切りつけるわ」
「もう いいかなって」

「ファン やめよっかな」
「何か 残念だわ」

「ライブには もう行かない」

(志保)どうして?
どうして 作れないの?

♬~

≪♬「恋の記憶 止まらないで」

≪♬「あなたの声 風に乗せて」

♬~

(志保)♬「恋の記憶」

♬「止めない…」

♬「止まらないで」

(志保)♬「恋の」

(志保)♬「恋の記憶」

(志保)♬「止まらないで」

♬~

できた。

(志保)これなら…。

この歌なら。

♬(ピアノの演奏)

♬「恋の記憶 止まらないで」

♬「あなたの声 風に乗せて」

♬「その手 その指」

(幹子)志保ちゃん! 志保ちゃん!
志保ちゃん ちょっと。

(幹子)久々の 快挙だよ。
(志保)嘘!?

(幹子)まだまだ。
(志保)ホントですか?

♬「恋の記憶 止まらないで」

♬「信じたときから 恋だから」

♬「恋の記憶 止まらないで」

≪(物音)

♬~

♬~

(志保)♬「とんぼだって
かえるだって みつばちだって」

懐かしい。
何回も 見たなぁ。

(志保)♬「ともだちなんだ」

(男性)志保ちゃん。 カワイイ
歌声 ありがとうございました。

CMの後は
いよいよ 中学生の部 決勝戦です。

♬「恋の記憶 止まらないで
あなたの声」

嘘。 この歌って…。

(男性)決勝戦です。

♬「恋の記憶 止まらないで
あなたの声」

どうしよう!?

♬~

(志保)「青森県で 一度だけ
放送された 地酒のCM」

「出演した歌手が 急死し
すぐに 放送中止になった」

「使われた曲が 呪われた
CMソングと いわれたが

映像も 音源も 残っていない」

♬~

♬「止まらな…」

宮島 素子。

(女性)大ヒット中の新曲
『恋の記憶』

私もね この曲
本当に 大好きなんですよ。

(志保)ありがとうございます。

(女性)どんなふうにして
できた曲なんですか?

(志保)えっ。 あのう。 この曲は

私の学生時代の
恋愛経験を基に 作って…。

(ハウリングする音)

(女性)大丈夫ですか?

(志保)あっ…。
何でもないです。 ごめんなさい。

(女性)では 曲紹介の方
お願いいたします。

はい。
(せきばらい)

えー。 それでは 聴いてください。

村瀬 志保で 『恋の記憶』

(宮島)♬「恋の記憶」

どうして
こっち かけるんですか!?

(志保)♬「止まらないで
あなたの声」

(志保)あっ…。

変なこと 言っちゃって
すみません。

♬~

♬~

(志保)
♬「恋の記憶 止まらないで」

(拍手)

ありがとうございました。

(笑い声)

(幹子)志保ちゃん。

(幹子)エステのCMよ。
すごい話でしょ。

(三宅)ぜひ 『恋の記憶』を

CMソングとして
使わせていただきたくて。

(幹子)志保ちゃんに
出演もしてほしいんだって。

えっ? 出演!?

(幹子)OKよね? 志保ちゃん。

えっ…。 ええ。

(幹子)よし 決まり。 三宅さん。
よろしく お願いします。

(三宅)こちらこそ。
(幹子)ありがとうございます。

(三宅)いえ。 よかった。

はい。 あのう。
1983年に 亡くなった…。

(男性)ああ。 宮島 素子。

確かに 私が
記事を 担当しました。

その歌手だば
CMに出演した 直後に

突然 亡くなったんですよ。

あのう。
亡くなった理由って…。

(男性)何かの
病気だったのかな。

(男性)みんなさ
迷惑 掛けたせいか

彼女 何度も 謝りながら
亡くなったらしいけど。

(幹子)はい。 失礼いたします。
よし。

社長。 実は あの歌は…。

(幹子)志保ちゃん。 決まったわ。
(志保)えっ?

(幹子)久々の歌番組!

えっ!?
(幹子)よかった。

(幹子)《私は ずっと 信じてた。
あなたなら やれるって》

(賢治)《満足できるまで
続ければ?》

♬~

《『恋の記憶』は もう 私の曲》

《私の曲。 私の曲》

《私の曲》

(男性)間もなく 本番 いきます。
(男性)はい。

(志保)
♬「恋の記憶 止まらないで」

♬「あなたの声」

(男性)OK!
(男性)はい。 OK!

(男性)はい。 OKです。
最終チェック 入ります。

(三宅)いやぁ。 素晴らしい。
(志保)ありがとうございます。

(女性)志保さん。 すごい奇麗。
(志保)えっ? ありがとう。

(志保)♬「恋の記憶」

(宮島)♬「止まらないで
あなたの声」

(志保)どうして?

(宮島)♬「恋の記憶」

(女性)し… 志保さん?
どうしたんですか?

(男性)志保さん?
(女性)志保さん。

(男性)どうしたんですか?
(幹子)志保ちゃん?

(志保)どうして?

(男性)曲 盗んだんだ。
(女性)ねえ。

志保さんには ホント がっかり。
(女性)最低じゃない?

(男性)ひでえ女。
(女性)志保さん。 ひどい。

(幹子)全部 おしまいよ。
どうするの?

(女性)志保さん。 ひどい。
(男性)幻滅だよ。


(女性)マジ 信じらんない。

違うの。
(女性)裏切られた。

私は…。 この歌は…。

(男性)マジかよ?
(女性)あり得ないよね。

(悲鳴)

(幹子)どうしたの!? 志保ちゃん!

♬~

♬~

(志保)えっ?

♬~

♬~

♬~

≪♬「止まらないで」

♬「恋の記憶 止まらないで」

(ドアの開く音)

(幹子)志保ちゃん! 志保ちゃん!
(志保)やめて…。

(幹子)志保ちゃん。 大丈夫よ。
落ち着いて 志保ちゃん。

志保ちゃん。
(志保)やだ!

(志保)ごめんなさい。
ごめんなさい。

ごめんなさい。

とるつもり なかったの。
ごめんなさい。

許してください。

(女性)
ナンバーワンは CMの後。

(志保)♬「恋の記憶」

(志保)やめて。 駄目 駄目。
(志保)♬「止まらないで」

(志保)♬「あなたの声」
(志保)やめて!

(笑い声)

(笑い声)

(宮島)
♬「恋の記憶 止まらないで」

(宮島)
♬「この… きおく とまらないで」

♬「この きょく とらないで」

この曲…?

♬「この きょく とらないで」

♬「この曲 とらないで」

ごめんなさい。

ごめんなさい! ごめんなさい!
ごめんなさい!

ごめんなさい。

ごめんなさい。
ごめんなさい。 ごめんなさい。

ごめんなさい。

ごめんなさい。
ごめんなさい。 ごめんなさい。

(男性)《彼女 何度も 謝りながら
亡くなったらしいけど》

♬「この曲 とらないで」

この女も
誰かの曲を 盗んだ。

♬「この…」

ごめんなさい。
ごめんなさい。 ごめんな…。

この曲 とらないで。

私の曲よ。

(笑い声)

♬~

(笑い声)

(笑い声)

(志保)
♬「恋の記憶 止まらないで」

♬「あなたの声」

(笑い声)

出演者である歌手の
死亡によって

たった一度の放送で このCMは
お蔵入りと なってしまいました。

誰もが 忘れ去ったころ
もしかしたら

あなたは この曲を うっかり
盗んでしまうかもしれません。

ですが 責任は取れませんので
くれぐれも ご注意を。

♬~

♬~

♬~

(大岩)社長。

(藤田)会社と 恭平を 頼んだぞ。

(大岩)はい。

(藤田)何だ? その顔は。
死ぬわけじゃない。

ちょっと 長い旅に
出てくるだけだ。

父さんは 必ず 帰ってくる。

まだ 宇宙にだって
行けてないしな。

だから 泣くな。 恭平。

(男性)それでは 中へ。

♬~

♬~

♬~

思ったより 寒いな。

♬~

(藤田)《どういうことだ?》

《俺が あと 3カ月の命?
こんなに ぴんぴんしてるぞ!》

《今すぐ 治せ》

《金なら 幾らでも積む。
治せ!》

(医師)《どうしようもないんです。
まだ 治療法が ないんですから》

(藤田)《気休めか。 くそ》

≪(ドアの開閉音)

≪(恭平)《ただいま》

(恭平)《塾のテスト。
3番だった》

(藤田)《そんなんで どうする?》

(藤田)《塾のテストぐらい 1番
取れなくて どうするんだ!?》

《そんなんで
俺の会社 継げるのか? えっ?》

(恭平)《ごめんなさい》

(バイブレーターの音)

(藤田)《何だ?》
(大岩)《社長》

《朗報でございます》

(男性)《コールドスリープ

生物を 生きたまま
低温状態で 保存し

組織の老化を防ぐ 技術です。
ロシアや アメリカでは…》

(藤田)《何年間 生きたまま
この体を 冷凍保存できる?》

(男性)《最大で 50年です》

《50年。 そうか》

《50年もあれば

この病気の 治療法も
見つかるはずだ》

(大岩)《あのう。
50年間 ずっと

眠りっ放しに
なってしまうんでしょうか?》

(男性)《途中覚醒は 可能です》

《ただし
体への負担が 大きいため

限度は 4回まで》

《覚醒のタイミングは

慎重に お選びいただくことを
お勧めいたします》

♬~

(電子音)

(男性)急に 動かないでください。

(男性)12時間以内に
必ず 戻ってきてください。

12時間を過ぎますと
体に 大変な負荷が かかり

病も 急速に進行していきます。

あっ。 それは 監視装置です。

≪(恭平)父さん。

(恭平)よかった。 生きてた。

お前 恭平か?

ずいぶん 大きくなったな。
(恭平)そりゃ もう 25だし。

(藤田)2032年。 13年も。

≪(大岩)社長。
いやぁ。 よくぞ ご無事で。

大岩。
(大岩)はい。

(藤田)お前 老けたな。

治療法が…。
治療法が 見つかったのか?

(大岩)あっ…。
(恭平)いや。 それは まだ。

(藤田)だったら 何で 起こした?
よほどのことがないかぎり

起こすなと 言っただろ。

(恭平)父さん。

俺 結婚するんだ。
(藤田)えっ?

(恭平)今日 両家の
顔合わせの会があって

父さんにも
出席してほしいと思って。

お前。
そんなことで 起こしたのか?

(恭平)えっ?
(大岩)社長。

お相手は
総務大臣の娘さんですよ。

そういうことか。

(大岩)そういうことなんですよ。

(木元)いやぁ。 まさか 本当に
お会いできるとは。

伝説の経営者に。
(藤田)寝起きで すみません。

(木元)藤田さんのところなら
何も 心配してませんよ。

(藤田)ありがとうございます。

(木元)恭平君。 娘を

幸せにしてやってください。
(恭平)はい。

≪(従業員)お… お客さま。
困ります! お客さま。

(絵里香)痛っ。
(従業員)お客さま。

お客さま。 困ります!

(絵里香)ふざけないで。

(絵里香)こんな お金 いらない!

(藤田)おい。
何なんだ? 君は。

(絵里香)いきなり
お金 振り込まれて

連絡 取れないとか あり得ない!

私と 結婚するって
嘘だったの!?

(藤田)恭平。

(苑子)恭平さん。
何なの? この下品な人。

(絵里香)あんたは 黙っててよ!

(恭平)大丈夫ですか?
(木元)恭平君! どういうことだ!?

おい。 何してんだ!?
(絵里香)嫌。 触んないで!

(恭平)父さん。
(従業員)お客さま お客さま。

(絵里香)放してよ! 恭平!
話が まだ 途中なんで…。

(木元)苑子。 行くぞ。
(苑子)うん。

お前…。

≪(ドアの開閉音)
≪(藤田)他に 大臣に

取り次ぐ方法は ないのか?

(大岩)いやぁ。 どうにも こうにも。
(藤田)くそっ!

あの女。 大事な席
台無しにしやがって。

手切れ金が 少なかったんだろ!
何やってんだ。

(恭平)父さん。
(藤田)言い訳は いい。

(恭平)ごめん。

(警告音)

あと 60分以内に
カプセルに 戻ってください。

(藤田)恭平。
あの大臣の娘と うまくやれ。

俺が喜ぶ未来を 見せてくれ。
いいな?

♬~

(電子音)

(男性)急に 動かないでください。

治療法が 見つかったのか?
(男性)いえ。

じゃあ 何で 起こした?
誰が…。

≪お父さん。

お父…。

(絵里香)私が 起こしました。

何で お前…。

ちょっと待て。 まさか…。

お前と 恭平。
恭平と お前が…。

何かの 間違いだろ!
おい。

ホントに 恭平の子供か?

ハァー。
直接 本人に聞いて。

あいつは 今 どこにいる?

(恭平)ごめん。

今日の裁判って 何だ?

粉飾決算か?

何てことしたんだ お前は。
(恭平)ごめん。

(藤田)謝罪なんて いらん。
俺の言うとおり

10年前 あの大臣の娘と
結婚してれば

こんなことに ならなかったんだ。
あんな女と 一緒になるから…。

絵里香は 関係ない。
(藤田)あるんだよ。

全部 あの女のせいだ。
(恭平)やめろ!

俺が 彼女を選んだんだ。
(藤田)お前…。

母さんに出ていかれた 父さんに
言われたくない。

俺に 口答えするな!

父さん。 父さん!

裁判での証言は 任せろ。
会社のためだ。

(絵里香)ありがとうございました。

(落ちる音)

(絵里香)どうも。

これ パパが 買ってくれて
お気に入りなんです。

恭平が…。

(絵里香)太一です。
孫なんで。

(絵里香)おいで。

あのう。 会社が 傾いたのは
恭平さんのせいだけじゃないんで。

えっ?
(絵里香)大岩って人が

会社のノウハウ 全部 盗んで

社員も ごっそり連れて
独立したんです。

それで 会社が 傾いて。
(藤田)大岩が?

大岩!

(警告音)

危険です。 バイタルサインが
低下しています。

すぐに カプセルに
戻ってください。

(藤田)死にたくない。
こんな…。 ああ…。

(電子音)
(藤田)大岩!

痛え…。

(男性)急に 動かないでください。

(藤田)大岩!

≪(恭平)去年 死んだよ。

(藤田)恭平か?


(藤田)2050…。

治療法が 見つかったのか?
(恭平)ああ。

ああ。 そうか。
そうか。 よし。

よっしゃ。

(藤田)どうした?

(恭平)治療薬
発明されたには されたけど

今 最終治験段階で
6年後に 完成する。

じゃあ 何で 今 起こしたんだよ?
6年後に起こせば よかっただろ!

(恭平)今日 俺の誕生日なんだ。

はっ?

お前。
お前 そんなことで 起こすなよ。

(恭平)父さんと 同じ年になった。

(恭平)ここ。

(恭平)そんな顔
しないでくれよ。

家族 3人
楽しく 暮らしてるんだよ。

≪(ドアの開く音)
≪(恭平)ただいま。

(絵里香)おかえり。

(絵里香)どうも。
ご無沙汰してます。

ああ。

太一。
おじいちゃんに 挨拶しな。

(藤田)おじいちゃん…。
(恭平)おじいちゃんだろ。

(太一)こんにちは。

(恭平)入ってよ。

(恭平)あっ。 注文してた ケーキ
取ってくるわ。

(太一)僕も。

(恭平)一緒に 行くか?
(太一)うん。

(恭平)お前 あそこのケーキ
好きだもんな。

≪(ドアの開閉音)

(絵里香)どうぞ。
(藤田)ああ。

あのう。 恭平さん。
今日 お父さんに会えるの

すごく
楽しみにしてたんですよ。

太一も 朝から 「おじいちゃん
いつ 来るの?」って

うるさくって。

だから
ゆっくりしてってください。

こんなところですけど。

♬~

♬~

♬~

(一同)♬「ハッピーバースデー
トゥ ユー」

♬「ハッピーバースデー
トゥ ユー」

♬「ハッピーバースデー」
(太一)♬「ディア パパ」

(一同)♬「ハッピーバースデー
トゥ ユー」

(恭平)よく 寝てる。
(藤田)うん。 そうだな。

(恭平)ちょっと いいかな?

(藤田)それ まだ 持ってたんだな。

(恭平)父さんが 冬眠する前に
買ってくれたやつ。

(藤田)星 見に連れてってやるって
言ってたのに

行けてなかったもんな。
(恭平)30年越しの約束。

(恭平)よし。

(藤田)おお。 奇麗に見えるな。

(恭平)なあ。 父さん。
(藤田)うん?

(恭平)俺 父さんに ずっと
ごめんって 謝ってばっかだった。

そうだな。

(恭平)褒めてもらいたくて
頑張ったのに 全然 駄目で。

でも 本当に 言いたかったのは
ごめんじゃなくて…。

ありがとう。

それが 言いたくて
起こしたんだ。

(警告音)

あと 60分以内に
カプセルに 戻ってください。

行こう。 送ってくよ。

(藤田)待て。
(警告音)

(警告音)

何 やってんだよ?

(藤田)お前
俺と同じ 病気なんだろ?

部屋で 薬を見つけた。

♬~

♬~

(藤田)もう 長くないのか?
だから 俺を。

こんなところまで 連れてきて
何だ?

最後の 思い出づくりか?
えっ?

(恭平)何の話だよ。
行くよ 父さん。

(藤田)恭平!

結局 親孝行なんて
一つも できなかった。

(恭平)ごめん…。

もう 謝んなくていい。

(藤田)お前は
じゅうぶんに やってくれた。

だから もう一つ
親孝行してくれ。

6年後 薬が 完成したら
お前が 治療を受けろ。

えっ?
駄目だ そんなの。

(藤田)お前が 生きるんだ。

(恭平)できないって。

(藤田)恭平!

♬~

(藤田)親より 先に死ぬなんて
絶対 許さない。

お前が 生きて

絵里香さんを 太一を
もっと 幸せにするんだ。

(藤田)お前なら できる。

(藤田)できるぞ。
だから 泣くな。

(藤田)俺は お前らのこと
ずっと 見ててやる。

(藤田)あそこから。

(藤田)やっと これで
夢だった 宇宙に行けるぞ。

♬~

♬~

アインシュタイン
言いました。

名ばかりの成功者に なるよりも
真に 価値ある人間に なれと。

この 主人公の男は
子に 未来を託しました。

そして その未来には…。

(警告音)
うん?

危険です。 時間が ありません。
危険です。

やれやれ。 この お話の続きは
また 別の機会に。

皆さんは ソロキャンプという
言葉を ご存じでしょうか?

キャンプ場や 山奥で
たった一人で キャンプを楽しむ。

ぜいたくな時間ですね。

自分の行動を 好き勝手に
決められる 圧倒的 自由。

私は これにしましょう。

うん?

どなたか 缶切りを
貸していただけないでしょうか?

一人だということを
忘れてました。

誰にも 邪魔されたくないと
いうことは

誰にも 助けてもらえないと
いうことです。

どうか 皆さん。 お忘れなく。

(藤原)[忙しい日々。
大きな仕事を 終えたら

私は いつも
一人で キャンプに行く]

[毎日の仕事は

このときのために こなしていると
言っても 過言ではない]

[仕事であった 嫌なことなどは
全て 忘れ

私は 一人
ソロキャンプに 興じるのだ]

[自分と 真っすぐに
向き合える]

[人生において
欠かせない時間だ]

[私が選ぶのは
誰もいない 山奥]

[誰かがいる場所では

本当の ソロキャンプとは…]

 


[今 このとき
他者を介入させる 余地はない]

[本来なら 日中に
済ませておくべき作業だが

誰に とがめられることもない]

[好きな タイミングで
気ままに 行動を決められるのが

ソロの醍醐味なのだから]

(藤原)いつも やってるからな。
うまいもんだろう。

(藤原)うん。 うまい。

(藤原)ああー。
うまい。

≪(物音)

♬~

♬~

[こんな時間に
こんなところで…]

(藤原)あのう。 あなたは?

(男性)こんばんは。
たき火に ビールですか?

最高ですね。
(藤原)ええ。 まあ。

(男性)いいなぁ。

(藤原)こんな時間に
お一人ですか?

この辺りに お住まいで?
(男性)まあ お構いなく。

失礼しますね。

(藤原)あっ。
(男性)お構いなく。

私 5歳の娘が いるんですよ。
これが かわいくてね。

年が いってから
できた子なもんで

女房も 私も
つい 甘やかしちゃって。

(藤原)はあ。

(男性)今度 遊園地に
連れてってくれって。

何とかっていう 女の子の
ヒーローが 大好きなんです。

それが 遊園地に
来るんだとか。

そのヒーローね 毎年
新しい おもちゃが出るんでね。

懐事情も 大変ですよ。

まあ 色々 不自由は ありますが
それでも 家族と いる

今以上の生活など
考えられません。

幸せです。
フフフ。

(藤原)そうですか。

(男性)すみませんね。

私のことなど
興味ないですよね。

あなたは こんな山奥で
たった一人で キャンプですか?

寂しくないんですか?

(藤原)いや。 私は 寂しいと
思ったことなんか ありませんよ。

(藤原)むしろ 普段の生活に
人が 多過ぎるんだ。

ソロキャンプの魅力は 一人で
自由に 振る舞えることです。

(男性)なるほど。

(藤原)よかったら どうぞ。
(男性)じゃあ。

でも 私だったら
こんな夜中に 一人で いたら

怖くて 仕方ないでしょうね。

(藤原)フッ。 普段 こんなに

自分自身と 向き合うことは
ありませんからね。

自分の スキルだけが
試される。

むしろ それに
喜びを感じてるんです。

雨が降ろうが 嵐が来ようが
怖いことなんて ないですよ。

ほう。
怖いことなんて ない?

(藤原)ちょっと あんた。 それ。

(藤原)な… 何が 目的だ?

(男性)ここらで
失礼させていただきますよ。

(藤原)ちょっと 君。 それ。

(男性)お構いなく。

(笑い声)

(藤原)おい!

(藤原)あっ。

(生徒)こんばんは。

(生徒)こんばんは。

(藤原)君は
どうして こんなところに?

さっき 妙な男が
ナイフを持って…。

(生徒)男?

まあ いいじゃないですか。
座りましょ。

(藤原)いや。 そんなことより
男が 刃物を持って…。

(生徒)いいから。

ほらほら。 立ったままじゃ
お話し しにくいじゃないですか。

(生徒)吹奏楽部の コンクールで
金賞を取ったんです。 関東大会で。

(生徒)本番で
ミスしちゃったんですけどね。

みんなが カバーしてくれた
おかげだと 思ってます。

全国の切符を 手にできたって
みんなで 喜んでるんですよ。

ああ。 それは よかったね。

(生徒)私 大学は
音大に行こうと 思ってるんです。

(生徒)別に 音楽で
プロになれるとは

思ってないんですけどね。

やっぱり 音楽に関する 仕事に
就けたら いいなって。

ママは 反対するかもな。

高校 入って 吹奏楽
続けたいって 言ったときも

あんまり いい顔 しなかった…。
(藤原)何か 聞こえる。

(生徒)それでもね…。
(藤原)少し 静かにしてくれ。

≪(叫び声)

♬~

♬~

≪(叫び声)

(藤原)おい。
何してる? やめろ!

すぐ 手当てしてやるから…。
(叫び声)

(藤原)何で こんなことを。

(生徒)どうか したんですか?

(藤原)来ない方が いい。
人が 死んでる。

(藤原)救急箱
持ってきてくれたのか?

でも もう 駄目だ。
この男は 死んでる。

(生徒)へえー。 死んでるの。

(藤原)大丈夫か?

♬~

(藤原)やめろ!
どうした!?

♬~

(女性)あなた 一人で
キャンプしているの?

(藤原)そうです。

(女性)そう。 私も 交ぜて。
(藤原)いや…。

(女性)この年になるとね

もう 何も いらないと
思っていたの。

でもね そうでもないって
知ったのよ。

最近ね 公民館で
パソコン教室に 通い始めたの。

新しい お友達も
できたのよ。

孫たちの これからのこととか
先のこととか 話 しているの。

あのう。
(女性)何?

(藤原)お願いが あります。
(女性)うん?

そばに いてください。
絶対に 死なないで。

お願いです。
死なないでくれ。

(女性)いいえ。

(女性)死にますよ。

(女性)奇麗な火ね。

(藤原)死ぬな。

(女性)あなたが
そんなこと 言うの?

(藤原)やめろ!

死ぬな!
死なないでくれ!

死ぬな!

(藤原)夢か。

♬~

♬~

≪(足音)

≪(足音)

(藤原)だ… 誰だ?
何とか 言ってくれ。

何とか 言え!

≪(男性)死ぬなって

どうして あのとき
そう 思ってくれなかった?

≪(生徒)死ぬなって

どうして あのとき
向き合ってくれなかったの?

≪(女性)どうして?
どうしてなの?

≪(一同)どうして? どうして?
どうして? どうして?

(藤原)やめろ!

(藤原)ああー!

(男性)《どうして あのとき
そう 思ってくれなかった?》

(藤原)《メス》

(心電計の警告音)

(医師)《先生》
(藤原)《ペアン》

《吸って》
(医師)《はい》

(藤原)《ガーゼ。 早く》

《もっと つかめ。
もっとだよ》

(藤原)《このことは
他言無用だぞ》

(医師)《遺族には
何と説明を?》

《うちの存続にも 関わる。
うまく 処理してくれ》

《それも 君の仕事だ》

(男性)
《私 5歳の娘が いるんですよ》

(男性)《幸せです》

(藤原)《確かに
私が執刀した 患者か?》

(医師)《はい。 10年前に》

《オペで使用した ガーゼが
取り除けていなかったようです》

(医師)《すぐに
患者に 告知して…》

《摘出手術は 行わない》

(医師)《しかし 敗血症を
起こしたら 最悪の場合…》

《敗血症など
起こらないかもしれないだろ》

(泣き声)

(生徒)《私 大学は
音大に行こうと 思ってるんです》

(看護師)《先生。
近くで 火事があり

受け入れを 求める
連絡が 入っています》

《先生。 ご対応
いただけないでしょうか?》

(藤原)
《今 うちは 手いっぱいだ》

《他に 回してくれないか》

《大事な会食なんだ。
君も 知ってるだろう?》

(女性)《全身に やけどを負い
救急搬送されましたが

当直医師が 一人で
緊急手術には 対応できない…》

(女性)《孫たちの
これからのこととか

先のこととか 話 しているの》

(藤原)誰か!
誰も いないのか!?

助けてくれ!

(悲鳴)

(落ちる音)

(医師)ああ。
これは かなり 厳しいな。

(医師)ちょっと 無理っぽいっすね。
(医師)ああ。

(藤原)
《死ぬなって 言ってくれ》

《死ぬなって 思ってくれ》

(医師)閉じちゃおっか。

(藤原)《どうして
真剣に 向き合ってくれない!?》

こよい 奇妙な世界の
扉を開いた 彼らは

信じ難い経験を しました。

それが 幸せなのか
不幸せなのかは

誰にも 分かりません。

しかし 確かなことは 一つ。

この 奇妙な世界は
現在にも 過去にも 未来にも

確実に 存在すると
いうことなのです。

おや?

果たして 彼の未来は
どうなるのでしょうか?

♬~

(生徒)あっ。 恵美。 ヤッホー。

(恵美)《次 日本史か》

《あーあ。
受験に関係ないし 退屈》

♬~

♬~

(莉花)恵美。 恵美。

授業 始まってるよ。

(教師)はい。 というわけで

2001年 8月10日。
父 和史。 母 佳恵の 長女として

吉村 恵美は
東京の 下板橋に 生まれた。

(恵美)えっ?

(教師)その後 恵美は
中板橋。 上板橋

東武東上線
緩やかに 北上していくが…。

(教師)小学校に上がる年
父 和史の マイホーム購入に伴い

千葉の 幕張に 移動し
定住する。

これが 世にいう
恵美の大移動だ。

いいか? ここ。
テスト 出るぞ。

(恵美)
《これ まさか 私のこと?》

(教師)それじゃ
教科書 25ページ 開いて。

(恵美)えーっ!? 私の教科?

(教師)どうした? 吉村。
夢でも見てたのか?

(恵美)あっ。 いえ。

(教師)25ページだぞ。
(恵美)はい。

♬~

(恵美)《えっ? 嘘 嘘。
何 これ?》

《ドッキリとかじゃないよね?》

(教師)えー。 このグラフは
恵美の 体重の推移を

年度別に 表したものだ。

注目すべきは 2016年。

今まで 増加の一途だった 体重が
わずかに 減っている。

これは 日銀の

マイナス金利 導入によるものであると
いう説も あるが

近年の研究では
失恋が原因と されている。

(恵美)《ちょっと 何 この授業?
めちゃめちゃ 恥ずいんですけど》

(教師)ちなみに
このときの 失恋相手。

誰か 分かるやつ いるか?

(恵美)《えっ? やだ やだ。
やめて やめて やめて…》

(教師)五十嵐。

(五十嵐)当時の同級生
大貫 隼斗です。

(教師)正解。
(恵美)《あちゃー》

(教師)えー。
恵美の 好みのタイプは

ワイルド系。 韓流。 眼鏡男子。
塩顔男子と

時代とともに 変化している。

このことからも
恵美の 移ろいやすく

周囲に 流されやすい性格が
よく 分かると思う。

(恵美)《もう やめて》

(教師)イギリスの 比較文化恵美学者
マイケル・フリードキンは

有名な言葉を 残してる。

恵美を知ることで
逆に 社会を知ることが できる。

言うなれば…。

五十嵐。

(五十嵐)恵美は
万物を映す 鏡である。

(教師)正解。

(恵美)《何なの? 五十嵐》

(恵美)ちょっ… 莉花。
何 今の授業?

恵美って 私のことだよね?
(莉花)はっ?

(恵美)だから
恵美って 私じゃん。

(莉花)だったら
私も リカだけど。

(恵美)いやいや。
そういう意味じゃなくて。

(恵美)《訳 分かんない。
何なの? 恵美論って》

(恵美)キャッ。
(亮介)あっ。 ごめん。

(恵美)痛っ。

(恵美)《ああ!?
りょ… 亮介君》

《学年一の イケメンの》

(亮介)吉村さんだよね?
隣の クラスの。

(恵美)うん。
(亮介)大丈夫?

(恵美)ああ。 ごめん。

(恵美)えっ?
これって 恵美論の?

(亮介)うん。
昔から 恵美が好きでさ。

(恵美)《えっ? 私のことを?》

(亮介)だから 恵美の研究が盛んな
恵成大に行って

将来は 恵美に関わる 仕事が
したいって 思ってる。

(恵美)《恵美に関わる 仕事って
何? 何? 何!?》

恵成大か。 すごいね。

(恵美)あっ。 この公園。
さいころ よく 来てた。

お父さんと
自転車の練習したの。

やっと 乗れたと思ったら
転んで 骨 折っちゃって。

(亮介)それって 確か 恵美論の…。
(恵美)えっ?

(亮介)ここは 恵美が
初めて 自転車に乗って

初めて 骨折した公園なんだよ。
ほら。 そこの石碑を 見て。

(恵美)何 これ?
(亮介)すごいよ 吉村さん。

恵美と同じ場所で 骨折するなんて
すごい 偶然だよ。

(恵美)いや。 偶然っていうか…。

(亮介)それか お父さんが
恵美論に ちなんで 公園で?

だから 名前も 恵美?
(恵美)違う 違う。

(亮介)そっか。 恵美論好きの
ご両親に 育てられて。

あっ。 じゃあさ これ 分かる?

(亮介)問題。
恵美の 将来の夢で

現在 文献に残っている
最古のものは?

(恵美)えっ? ぷるるん星人。

(亮介)正解。 じゃあ

父 和史が 無断で 恵美の部屋に

入ったことにより 勃発した
第四次親子戦争。

この戦いで 恵美陣営に
付いたのは?

あっ! カズヨおばあちゃん?

(亮介)正解。 じゃあ 近年 恵美が
ひそかに練習して

まだ 人前で 披露したことない
特技とは?

(恵美)ボイスパーカッション。

♬(ボイスパーカッション)

(亮介)すごい。

すごいよ 吉村さん!
ほら。 だって

どれも 偏差値 80レベルの
超 難問だよ?

(恵美)ああ…。
それほどでもね。

(亮介)なぜ こんなに
恵美論が 好きなのか

自分でも
ずっと 分からなかった。

でも 吉村さんには
恵美と同じものを 感じる。

(亮介)恵美の ファーストキス

学会でも
まだ 解明されてないけど

いつだと 思う?
(恵美)えっ?

♬~

(恵美)《今です》

(莉花)恵美。 早く 着替えなよ。
次 体育だよ。

(恵美)うん。
この問題だけ 終わったら。

(莉花)ってか どうしちゃったの?
急に。

(恵美)志望校 変えたの。

亮介君と 同じ
恵成大 受けるんだ。

(莉花)恵成大って
いや。 絶対 無理じゃん。

(恵美)それが
そうでも ないんだな。 ほい。

(莉花)はいはい。

嘘。

あっ。 ちょっと待って。
ちょっと待って。

(教師)えー。 亮介の生態について
説明するぞ。

亮介こと 伊澤 亮介は
繁殖欲が 非常に 旺盛で

雌の個体を 複数 囲いこむ。

いわゆる ハーレムを
形成することで 知られている。

まあ 一言で言えば
女好きの 浮気者だな。

(笑い声)

(亮介)《おいしい》

♬~

♬~

吉村 恵美は この失恋を ばねに
学問に 打ち込み

恵美論のみならず
哲学や 物理の教科書に

その名を残す 人物と
なったのです。

それでは 今日の講義は
これまで。