プリンストン大学のスーザン・フィスケ博士らが2013年に発表した「人の不幸は蜜の味(Their Pain, Our Pleasure)」という面白い研究がある。
まず被験者に、「お年寄り、麻薬中毒者、学生、医師、弁護士」などの写真を見せる。続いて、それらの人物がさまざまな出来事に遭遇する写真も見せて、その際の被験者の脳の働きを調べた。
注目したのは、どんなシーンを目撃したとき、被験者の脳は「喜ぶ」かだ。
その結果、被験者の脳がもっとも喜びを感じていたのは、「お金持ちそうな医師や弁護士」が、通りがかりのタクシーにバシャッと泥水を浴びせられるなど、「ひどい目にあっているとき」だった! まさに人の不幸は蜜の味、である。
どうやら私たちの脳には、「専門職に携わるお金持ち」の成功をうらやみ、その不幸を喜ぶ習性があるらしい。
つまり人の成功に嫉妬する心理は、もともと人間の脳に備わっているのだ。