社会
湖東病院事件再審 元看護助手に有利な証拠資料 検察に送らず
16年前、滋賀県東近江市の病院で患者を殺害した罪で服役した元看護助手の女性の再審=裁判のやり直しをめぐり、本人にとって有利な証拠を含む当時の捜査資料を滋賀県警察本部が再審が決まったあとのことし7月になるまで検察に送っていなかったことが分かりました。
東近江市の湖東記念病院の看護助手だった西山美香さん(39)は、平成15年に72歳の男性患者の人工呼吸器を外して殺害した罪で懲役12年の刑が確定し服役しましたが、患者は病死だった可能性があるとして裁判がやり直されることになり、無罪が言い渡される見通しです。
弁護団によりますと、再審に向けた協議で検察は捜査当時の資料58点を新たに開示し、この中に患者がたんが詰まって死亡した可能性を指摘した医師の所見や、故意に患者の呼吸器を外していないという、殺意を否定した西山さんの供述書など、西山さんにとって有利な証拠が含まれていたということです。
検察は、これらの捜査資料が再審が決まったあとのことし7月になって、滋賀県警から初めて送られてきたと説明しているということで、検察はその後、再審で有罪を主張することを断念しています。
警察の対応について西山さんの弁護団は「当時の正当な判断を妨害する行為で決して許されない」と批判しています。
一方、滋賀県警刑事企画課は「7月に送ったことは事実ですが関係機関が対応中でありコメントは差し控えます」としています。
弁護団によりますと、再審に向けた協議で検察は捜査当時の資料58点を新たに開示し、この中に患者がたんが詰まって死亡した可能性を指摘した医師の所見や、故意に患者の呼吸器を外していないという、殺意を否定した西山さんの供述書など、西山さんにとって有利な証拠が含まれていたということです。
検察は、これらの捜査資料が再審が決まったあとのことし7月になって、滋賀県警から初めて送られてきたと説明しているということで、検察はその後、再審で有罪を主張することを断念しています。
警察の対応について西山さんの弁護団は「当時の正当な判断を妨害する行為で決して許されない」と批判しています。
一方、滋賀県警刑事企画課は「7月に送ったことは事実ですが関係機関が対応中でありコメントは差し控えます」としています。