風評懸念し呼び換え 豚コレラ→CSF 農水省

 農水省が「豚コレラ」を英語表記の略称で「CSF」と呼び始めた。コレラとは別の病気で、国際的にも「コレラ」と呼んでいないため、豚肉への風評被害を懸念した与党から見直すべきだと指摘されていた。

 CSFは「classical swine fever(古典的な豚の熱病)」の略称。8日の同省の防疫対策本部でも、江藤拓農相が「CSF」の呼称を使った。

 豚コレラは豚コレラウイルスによる病気で、コレラ菌によるコレラとは別の病気。にもかかわらず豚コレラと呼ぶのは米国での呼称「hog cholera(豚コレラ)」を採用したため。

 自民党内では「イメージが悪い」「脅威に感じる」といった意見が続出。過去に「狂牛病」を牛海綿状脳症(BSE)に改称したことを踏まえ、見直しを求める声が出ていた。

 ただ、同省は呼称を変更することを発表していない。今後の資料などで初出時に「CSF(豚コレラ)」、2回目以降は「CSF」とする方針だが「『コレラ』の表記が残り効果が薄い」(自民党農林議員)。一方「『CSF』では農家の危機感が薄れる」(同党農林幹部)との指摘もある。

 「豚コレラ」の名称は家畜伝染病予防法に明記されている。同党は現在、同法改正に向けた議論を進めており、同法上の名称変更の必要性についても判断する方針だ。

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