photo by iStock

日本のジェンダーギャップ「世界第110位」のなにがヤバいか

格差が大きいと…

先進国で最低レベルの男女ギャップ

ダボス会議で有名な世界経済フォーラム(WEF)は、毎年年末になると「世界ジェンダー・ギャップ報告書」なるものを発表している。そこで先進国の中で、毎年のように”最低スコア”を叩き出しているのが日本だ。

photo by iStock

最新の2018年度の日本の結果は、149ヶ国中110位と、下から数えたほうが早い。もちろん、米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダを含めたG7諸国の中では断トツで最下位だ。

それくらいでは驚かないかもしれない。しかし、中国、インド、マレーシア、ネパール、ミャンマーよりもランクが下だという事実を知ったら、いかがだろうか。

ちなみにかろうじて韓国(115位)よりも上だが、それ以外で日本より下なのは中東諸国やアフリカ諸国、南の島国などばかりだ。

しかも、日本はどんどんランクを落としている。5年前の2015年ではすでに101位だったのだが、2016年には111位、2017年に114位と順位を下げてきてしまった。2018年は110位と多少挽回したが、誇れる結果ではないだろう。

ダイバーシティという言葉が日本に登場し始めたのは1990年代。それから約20年が経とうとしているが、発展途上国に次々の抜かれていき、全く世界のスピードに追いついていけていない。

 

子どもは男女平等、大学から男女格差が明確に

「何を根拠にダイバーシティが低いと言えるのか」という考えもあると思うので、世界経済フォーラムの「ジェンダー・ギャップ指数」の算出方法について紹介しよう。

このランキングは、「健康と生存」「教育達成度」「ジェンダー間の経済的参加度および機会」「政治的エンパワーメント」の4つの観点から合計14項目でランキングを出し、最後に総合ランキングを導いている。

日本のダイバーシティの低さには、大きな特徴がある。下の図は年齢毎に項目とランキングを並び替えたものだ。日本では、誕生から高校生ぐらいまでは男女格差がほぼなく、ランキングも堂々の世界1位だ。

しかしそこから一気にきな臭くなる。大学や大学院の就学比になると急に100位以下に後退してしまう。

社会人になると、類似労働間での賃金の男女比ではやや緩和されるが、男女の勤労所得比、専門職や管理職での男女比となると、100位以下に下がる。

社会的地位の高い国会議員や閣僚でも同様の男女格差が表れている。すなわち、未成年のうちは、ある程度「男女平等に」という社会通念があるが、成人になると「男性が上」という感覚がいきなり立ち昇ってくるのだ。