Ken

近代欧州の思想とはおおむね、専制君主・絶対王政と絶対的な宗教権威から人々が離脱するために理性を主役に押し立てた、強烈なブースターロケットの噴射だったとして、さて、日本人にとってその思想は本来、どんな意味を持つものだったのだろう？ 日本人固有の思想を否定する必要は、なかったのでは。

ちょっとこちらを重ねてメモ。 >> 理性というのは、そこが確立されると有効に行使される。 なんらかの、理性に対する心理的独立が人には必要なのでは。あれと思う、これと思うという認識からの独立。 #skrm8 #knt19 #kni19 #bjv19 #blx19 #goh19

日本人は、足元にある先述したような具体的な環境を掘り起こして、また日々の生活でたくさん実装すればいい。 観念的な体系なんて要りません。主客混沌として、偶然自分が主体となって行動する生活の中で、主客分たぬ自然に厳然とある自生的な秩序が体得できれば、いかなる良い論理体系でも作れる。

この宗教的、民族的同一性を守る動きが、ブレグジットでもあるわけでしょう。治安と雇用がその象徴的なトピックになってはいますが、要はイスラム信者とかやばい、っていう情緒的な話で。 その点、あんまりえらそうな社会統合の観念的体系を自作しなかったイングランドの人たちはいいな、と思います。

ハーバーマスがいようがフーコーがいようが、結局西洋社会を支えていたのはキリスト教と民族的なナショナリズムであった、というのはここ数年の移民難民騒ぎで極めて顕著なわけで。 新たな社会統合の論理など、ヨーロッパ人には実践的になんにも構築できていない。分断が旬なアメリカも同様ですね。

対して西洋は、理性を適切にコントロールをする術がない。宗教といえばカソリックとプロテスタントぐらいしかなく、どっちもあちらの知識人的には回帰できそうもない。そこでいろんな理屈を考えるんだけど、パッとしない。 だから逆に、再現性や標準化などの手続きが重要になるのかもしれませんね。

般若心経でもいいでしょうし、空海や白隠、鈴木大拙などの書籍。永平寺や高野山などにいくのもいいんでしょうし、伊勢神宮でもいいんでしょうね。 そういう環境は成立している。ただ信じるもよし、学究として思索する道も豊かに用意されている。そこを隠しちゃうから、半端な新興宗教が流行っちゃう。

理性というのは、そこが確立されると有効に行使される。 なんらかの、理性に対する心理的独立が人には必要なのでは。あれと思う、これと思うという認識からの独立。それを実現するための環境が、おそらく日本には本来、豊富にあるのでしょう。そのぶん、理性への執着は薄かったわけでしょうけれども。

自分たちは生物として、線引きをせざるを得ない生き物です。あなたとわたし、事物を命名する。けれど、その生物自体は、その線引き自体が本当は、あまり意味がない世界に生きている。 線引きすることから人の意識は育ちますから、足元にあるそこがわかりにくい。そこの自覚。

ただ、本当に一つ言えるのは、世界とは、主客とは本来、個人の主体的な意識が決める線引きではない、ということかもしれない。 そこに偶然、個人の意識が線引きをしている。無意識というには、もっとフィジカルなお話では。そういう世界を感じさせる環境に身を浸すことが、非常に重要なのでは。

所得や社会階級、治安といった社会的要因ですか、というとそうでもない。親が中産階級以上で治安の良い街で育っても、理性の行使の仕方がチンプンカンプンな人々はたくさんいる。 そういう環境では、全然ない。ここから先は、まだ私は語り得ません。

で、ちょっと一足飛びにメモすると、そういう精神性を涵養するには、環境が大事な気がする。 個人の主体としての同一性や優位性を絶対視するのは西洋には必要な虚構で、実際は主客の相互作用で状況が変化する。つまり、どれだけある種の環境に身を置けるかが、理性の行使の仕方を決定する、のではと。

あんまり悪口ばかり言ってても仕方ないので、自分なりに考えてみようと思っているのですが。 理性は確かに人間の終着点でなく、理性を上手に行使するためにある種の精神性が必要だった。しかし西洋では、その精神性を涵養する決定的手法をキリスト教以外に構築することは今もできていない、のかなと。

今少し世話になったやりとりで自分がなにか得られたかというと、うーん。ただ、仕事のことでちょっと寝づらかったから、ありがたかったかしら。 20世紀になると、西欧では近代的理性自体への懐疑が始まるようですけど、本来日本人は、極めて自然にそういう理性へ批判を行える位置にいたんでしょうね。

神様の替わりに理性（と、イデオロギーのようなその派生物）を絶対的に信じるか、理性の裏打ちとして絶対的な神の存在を信じるか。 西欧の人々にとっては、近代社会を作るうえでその二択しかなかったというか。

一神教的絶対性をどこに求めるか。西欧の人々には、それが致命的に大切だったのでは。 中身が違っても、絶対者として信仰できればよかった。その対象が17世紀を起点に神から理性へ、そして20世紀は理性を中心としたシステム（イデオロギー）へと移り変わった。こんなところなのでございましょうか。

神から切り離された文脈であっても、18世紀から19世紀の西欧・米国の人々は、理性に万能の神に替わる絶対性を期待せねばならなかった。 なので、フロイトからすれば、顕在意識が下す自己決定を広大な無意識の概念で覆す自身の心理学は、コペルニクスやダーウィンに次ぐ衝撃があると考えたんですね。

絶対の神を背景にした絶対の王権を打ち消すべく、絶対の神を背景にした絶対の個人の理性を打ち出した。少なくとも、アメリカの基本的人権観はこれにあたるのではないか。 実際は、理性や自然権は神から切り離して論じる面も多いけど、アメリカ大統領は基本的にはGod Bless Americaを口にしますよね。

「日本人にとって自然権とは」を考えると、おのづとキリスト教が支配する（支配した）欧州の価値観と対立する。 端的に言えば、神の替わりに理性を置き換えた。デカルトもカントもロックも、実際は理性の万能視に謙抑的だった気がするけど、社会的に王権神授説へ対抗する必要があったんでないかなあ。

正答だけつまんで点をとることがエリートです、となっているからこんな感じになっちゃうので、「理性とはなにか」、なかんづく「日本人にとって理性とはなにか」、そして政治を論じるなら、「日本人にとって自然法とはなにか」をまず、深く追求するところから学問を始めれば多少状況は良くなるのでは。

山本一郎の虚妄を見抜けなかった（お笑いぐさですけど、今もいるらしい）人々と、思えば山本寛の虚妄を見抜けない人々は通底する。 Emperor's New Clothesに描かれた人の姿は、現代でも通用するということなのですね。

その共通点は（山本のエゴサを考えると）被害者を広げたくないので書きませんけど、客観的に事情を見ている人間からしたら、そんなに難しいポイントじゃない。 それにしても、同じく人を騙す山本でも山本一郎の方が、巨額出資案件に固執しなかった分生きながらえた、ということなのでしょうかね。

自称ヤマカンこと山本の手口は、"ある種の"出資者には見破りづらい。 臆面もなく、自分にできないことを（学歴もちらつかせつつ）雄弁に語り、かつ角川の後押しで若干の実績も持つ。先日までのパトロンで、現在は多額の負債を負った和田氏や福島県関係者といった騙された人々には、共通点があります。

産経新聞の記事がネットで削除されたようで、よかったです。 山本寛はその談話で、京アニに脅迫めいた圧力をかけようとしていた事実や、故武本監督を見下してた事実を語っておらず、かつ今は新しいパトロン探しの最中です。下手するとこの記事が、山本の詐欺的行為に利用される恐れがありましたよね。https://twitter.com/Ken_November/status/1190976849452527618…

「ネイチャー（※神が創造したもの）の考え方をまず学べ、と言いたい」と橋爪氏はいうけど、俺らクリスチャンじゃねえし。 この辺が、現代日本人インテリの明るさでもあるけど、呑気さですよね。ジョン・ロックの本を暗唱したって、私ら仏教神道に漬物や納豆が生活基盤でしょ。それを学者はどうみる。

真顔でこんな、社会の片隅で狂人が口にするような理屈を前広島市長がしちゃう、ということの深刻さがわかる大学系知識人って、どれだけいるのかなあ。彼らが次の世代を育てますからね。 「江戸しぐさ」を笑えないんですよ。左も右も、インテリゲンツィアの本流にまともな批判的思考力が育ってない。

法文に永遠と書かれたら永遠に改訂してはならない、なんて言ったら、何千年も社会は、その古代的な社会規範から一歩も進化できない。 「大日本帝國ハ萬世一系ノ天皇之ヲ統治ス」と第一条に書かれている大日本帝国憲法も、この人の論理なら改正不可ですよね。日本国憲法が誕生する余地すらない。

憲法自体が、自身の根幹的な規範を否定する文章を持つわけない。そりゃ、悪法も法という意見以上のものではない。 この記事をtwitterとかで得得と引用するかどうかで、護憲系知識人の批判的思考力の実力がまたわかるなあ。

人文社会科学的神学、というべきかな。日本では、ですね。 日本では、社会学者以外にも法学などで反証可能性という言葉をまるで、ヴァンパイアがニンニクや日光を嫌うごとく即座に否定し排除したがる人文社会科学の輩がたくさんいるようで、全般的に神学的です。