中島 賢悟弁護士
弁護士法人中島総合法律事務所
頼んでよかったと言われる弁護士に!鋭い分析能力と粘り強さで事案を処理し裁判を戦う!交通事故、法人の倒産、企業間紛争の力強い味方!
交通事故で被害にあった依頼者には、人骨の模型を使って後遺症の症状などを丁寧に説明したり、企業間紛争では、紛争の対象となった製品の理解を深めるため、製品を買ってきて分解して構造などを独自に研究したり・・・まるでガリレオのような科学者にも見えてしまう中島賢悟先生。難しい案件でも粘り強くがんばり通す中島先生にお話をうかがい、その魅力に迫ってみました。
01 弁護士を志した背景
弁護士は自分の努力次第で人生を変えられる職業
―― 中島先生は、なぜ弁護士を志したのでしょうか?
消極的な理由と積極的な理由があります。
大学は早稲田の政経経済だったので、金融機関、特に安定してそうな損害保険会社に内定寸前までいきました。ところが、就職活動の頃には、金融ビッグバンという嵐が吹き荒れていて、名だたる銀行や証券会社が潰れたり合併したりで、将来が心配になってしまいました。「40歳、50歳で会社からほっぽり出されて路頭に迷ったりしないか」と。そんな感じで。じゃあ、法律の勉強でもしようかなという気持ちでした。
あの時の選択の結果、現在では損害保険会社と対決する側で仕事してるんですね・・・。
積極的な理由としては、大学卒業を控えたとき、入った会社の業績とか大きな会社内での配属って、運に左右されるというか、自分の人生なのに自分で決定できないことが多すぎるように思ったんです。
出来る限り自分の努力次第で人生を変えられる余地が広い道に進もうと考えました。「まぁ、資格商売なら、人生、上手くいっても失敗しても自己責任だ」って。これが一番大きいかもしれません。
結局、法曹界も業界の改革で、生き残っていくのが大変なことには変わりがなく、人生には努力だけではどうにもならないことも多いっていうことを嫌と言うほど知るのですが・・・。
―― 弁護士になってからの遍歴はどうでしたか?
最初は都内の法律事務所に入って、社会保険労務士に仕事をふってもらいました。会社側の立場にたつ労働弁護士という立場でした。そのほか、交通事故の案件も手掛けていました。
2つ目の事務所は、新宿で全国のクレサラ問題を扱う大きな法律事務所で、色んな仕事を担当させて頂きました。当時は、大きな事務所なのに交通事故をメインでやるのは私1人だったので、交通事故案件処理のノウハウを磨いていきました。人間関係が良い事務所で、勤務弁護士として知り合ったメンバーが、現在のうちの事務所の主力だったりします。
平成21年1月に、今の事務所(弁護士法人中島総合法律事務所)を立ち上げました。独立して10年がたち、現在は勤務弁護士1名と私の2名と事務方という体制でやっています。
02 主な取り扱い分野
現在は交通事故、法人の倒産、企業間紛争を主力業務として扱っています
―― 弁護士法人を立ち上げて10年ですが、独立のきっかけは何でしたか?
2つ目に所属した法律事務所で、当時は過払い金の返還バブルがすごくて、「地方へ行ってやれば、オレ一人でも需要を掘り起こせるんじゃないかな」と思ったんです。一通りの仕事はこなせる自信があったので独立を決意しました。
独立した最初の頃は、地方に仕事を取りに行き、業務処理は東京という感じでした。山形、秋田、青森、鳥取、徳島、鹿児島、沖縄など、遠いところばかりまわって、事務所を大きくしていったんです。
―― 現在扱っている業務について教えてください
独立した当初は過払い金の事件で事務所を大きくしながらも何でもやるというスタンスでした。今はある程度、業務内容を絞っていて、交通事故、法人の倒産、企業間紛争がメインの業務です。交通事故の案件が5割ぐらいで、あとの半分は、法人の倒産、企業間紛争を中心とした会社がらみの案件です。企業法務といっても、予防法務的な話よりは、内容証明が届いて既に紛争になっている事案が多いです。例えて言うなら火事場の中に入っていくというタイプの仕事が多いです。
珍しい業務としては、国境を越えて中国国内の会社から依頼をうけて、東京で日本の企業を相手に裁判をする仕事もあります。そのため、中国を訪問して事情をきいたり、証拠を集めたりもしています。
企業といっても人間を相手にしている以上、いろいろな問題の相談を受けることになるので、自分たちの事務所で出来ることはなんでもやってきました。
―― 机にパソコンの電源基板が置いてあるのですが、仕事と関係があるのですか?
はい。これは、ある企業間紛争のときに使ったものです。コンデンサーという電源の役割をする部品があるんですが、この部品が紛争の争点になっていたので、自分でパソコンを買ってきて分解し、電子部品や電源基板のことなどを研究してみたんです。またある紛争では、スプレーの構造が争点になり、私は市販のスプレーを10種類ぐらい買ってきてそれを分解し、1つ1つの構造を比較してみたりしました。こんな感じで、性格的に徹底的に調べて理解を深めて、難しい案件でも粘り強く仕事を進めてっていうことを10年以上やっています。
03 弁護士としての活動
依頼者が納得できないと言っている以上、依頼者を信じて戦うのが仕事です
―― 弁護士として大切にしていることは何ですか?
ほかの法律事務所さんですと、抽象的な理念とかが多いので、私はあえて具体的なことを言いたいと思います。仕事を進めていくうえで、大事にしている技術的なことを挙げると・・・、
1. 記録の管理・編集は、パンチで穴を開けられるファイルを必ず使う。
ファイルを意味ごとに色分けして、情報を整理整頓していくということは常に意識して
います。無理に1冊のファイルにまとめようとはしません。案件が進行していくにつれ
て、証拠資料とか関連する情報が増えてきたら、積極的にファイルを分冊していき、む
しろ情報を整理整頓していくことこそが力量を分けるんだって意識しています。紙袋に
ドサッと記録をしまったり、紙ファイルに下から順に記録を綴っていくっていうスタイ
ルは情報整理が上手くいかない。
2.事案の内容はExcelを使って整理する。
事案の内容について自分の手を使ってアウトプットの作業をすると事案が整理されて頭に入ってくるんです。ただ読んだり、聞いたりしているだけだと、何となくわかったような気になるだけで、実は分かっていないことがあります。
3.現場をみて、生の事実に触れてみる。
どこへでも出かけることをモットーにし、面倒くさがらずに、お客さんの言っていることの理解を深める努力をします。書面だけで解決出来る事案もあるのですが、案件によっては汗をかきながら現場に行ってみたら「あー、なるほどね」ってお客さんの言っていることがよくわかることが多いからです。
4.自分1人でやりきるべきときと、外部の人に頼るときとを上手く使い分ける。
お客さんのコストを考えて自分1人でやりきるべきときと、技術的な知識や語学能力が
ある外部の人の力に頼るべきときを上手く使い分けています。倒産や破産などは、マ
ンパワーを投入した方が上手く進むときもありますし、会計ソフトをみて帳簿を追って
いく作業なんか、経理の人間の方が得意ですからね。
5,結局、最後は根性
以上をまとめると、①リングファイルで情報を整理整頓する、②Excelで事案を整理する、③現場を見に行く、④外部の人に頼るべきときは頼って、自分でやるべき時は自分でやる⑤最後は根性(健康に気を遣いながら)・・・といったことです。
―― 依頼者とのコミュニケーションに関してはどうですか?
この仕事をやってみたらわかると思うのですが、どれもこれも人生の一大事や会社の命運を託されるという事が多いです。なので、次のことを心がけています。
1.難しい案件でも粘り強く根性で頑張り通すこと。
2.依頼者が納得いかないと言っている以上、依頼者を信じて差し上げること。
3.依頼者に迎合すべきじゃない場面では迎合しないで、逆に説得して実利をとらせる。
以上、このようなことを大切にして、依頼者と接しています。
あとは、法律の議論って難しくなりがちなので、なるべくわかりやすくってのを意識しています。マンガ交通事故相談とかマンガ高次脳機能障害っていうサイトを作ったんですけど、全部、事務所内部でマンガを作って、わかりやすくなるように努力したつもりです。
―― 人骨の模型が事務所にありますが、これは?
人骨の模型は、交通事故の被害者となった依頼者に、後遺症の症状などを丁寧に説明するときに使います。口で説明するよりは、人骨の模型を使って見せる方が分かりやすいはずです。分かりやすさというのを強く意識しています。
また、交通事故の事案では、重要な登場人物であるお医者さんは治療の専門家ですが、診断書等の書き方に慣れていない方が多いです。そんなときは、依頼者に診断書のサンプルを見せて、一番大事なポイントや、こうすると賠償が高くなるポイントとか、具体的に説明します。お医者さんは、賠償金を高くするという発想がないんで、こちらからアプローチしていくんです。私がお医さんのところに行くこともありますが、依頼者に、「これを持っていくとお医者さん分かると思いますよ」とサンプルを持って行って頂き、お医者さんに渡してもらうこともあります。被害者やお医者さんの認識と賠償実務とのずれがある場合、損害賠償の世界へ橋渡しをする役目が私の役割だと思っています。
04 印象に残っている案件