都庁にも好影響? 都職員の夕張市派遣から半年
(2008年7月16日)
財政再建中の北海道夕張市に、東京都の職員2人がことし1月から2年間派遣されています。半年経った今週、2人は一時帰京して、きのうから都庁で始まった夕張物産展を手伝うなど、再建に向けた活動に積極的に取り組んでいます。2人の活躍は都庁の若手職員の意識を変えるなどの効果もあるようです。
去年10月、都内で行われた講演会で猪瀬副知事は「財政破綻がどういうものかひしひしと体で感じることも必要だし、東京の持ってるノウハウが他の地域に貢献できないか」と、職員派遣構想を明らかにしました。
人選の基準は「若手で現場ですぐ役立つ人」、人数は「1人じゃかわいそうだから2人」というもの…。そして選ばれたのは、北海道函館市出身で主税局の百沢俊平さんと、北海道には縁のなかった福祉保健局の鈴木直道さんの2人です。
ことし1月、石原知事から直接辞令を手渡され「どんどん余計な口出しをして『こうした方がいい』って言った方がいい。それが行政の刺激にもなる。遠慮しちゃだめだよ、遠慮なんか」と激励を受けた2人ですが、知事から直接辞令を受けるのは20代の一般職員の異動では異例のことです。
かつて炭鉱の街として栄えた夕張市は「炭鉱から観光へ」を合言葉に主要産業の転換を図っていましたが、思うように観光客を誘致できず財政破綻しました。市職員の相次ぐ希望退職も深刻な問題となっています。
着任の日、2人は慣れない雪道を歩いて市役所に向かいました。百沢さんは「あんまり気負わずにリラックスしてやれればいいかなと思ってます」と話し、鈴木さんは「元気にごあいさつして、きょう1日頑張りたいです」と話していました。市役所で百沢さんは市税の徴収を、鈴木さんは医療保険の事務を担当しています。
2人は本来の職務以外にも積極的に取り組んでいます。今月15日、都庁内で始まった夕張物産展ではメロンなどの特産品の販売を手伝い、夕張市をPRしました。百沢さんと鈴木さんはそれぞれ、「より市民の方とふれあって夕張の現状を知って、東京にフィードバックできるようにしていきたい」「地域の活動もしているのでそこは継続しつつ、本業である仕事も業務改善を図っていきたい」と話します。2人について夕張市の藤倉肇市長は「すごい戦力です。東京都の若い2人の方が夕張市民と一緒になって汗をかいて仕事をしてくれています。困ったときに一番最初に手を上げてくれました。ありがたいと思っています」と話しています。
また、都庁大会議場で開かれたセミナーで、夕張市の課題や再生に向けた取り組みを報告しました。会場には定員いっぱいの400人の若手職員が参加し、都庁内にも意識の変化が生まれてきたようです。セミナーに参加した都職員は「東京都は財政的には裕福ですけど、苦しいところにいる人たちの気持ちも考えながら今後仕事に励んでいきたい」「ニュースだけでしか聞いたことがなかったので、実際に話を聞きたいなと思った。昔があって今があるので、過去からたどっていくのが大事なんだなと思いました」などと話していました。
派遣期間はあと1年半…。2人は「大人になってから地方で暮らす都の職員はほとんどいない。たくさんの市民と出会い、そこで感じたことを東京都に持って帰る」と意気込みを語っています。
夕張物産展は都庁第一本庁舎2階の全国観光PRコーナーで20日(日)まで開かれています。気になる夕張メロンは、通常2500円のものが特別価格の1500円で販売されるということです。