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【国際】

香港初の死者で警察に非難 大学生転落死、各地で追悼デモ

8日、香港で、亡くなった男子大学生の周梓楽さんの写真を掲げ、抗議するデモ参加者=AP

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 【北京=中沢穣】抗議デモが続く香港で四日未明に警察とデモ隊が衝突した際、駐車場から転落して頭部を負傷した男子大学生(22)が八日、死亡した。香港メディアが伝えた。六月から続く抗議活動で死者が出たのは初めて。八日は香港各地で学生の死を悼む集会やデモが行われ、警察に非難が集中。さらに緊張が高まりつつある。

 死亡した学生は香港科学技術大二年生の周梓楽(しゅうしらく)さん。四日未明、香港郊外・新界の住宅街にある駐車場二階で、頭を打って意識がない状態で見つかった。約四メートル上の三階から転落したとみられ、昏睡(こんすい)状態が続いていた。

 付近では三日夜からデモ隊と警察が衝突を繰り返していたが、周さんがデモに参加していたかも含め、転落にいたる経緯は明らかではない。複数の香港メディアは、周さんが警察が発射した催涙ガスを避けようとして転落したとの見方を伝える一方、警察側は「転落現場と催涙弾の発射場所は百二十メートル離れている」と反論している。また、何者かが駐車場に向かう救急車を妨害し、救急隊の到着が遅れたとの報道もある。

 香港メディアによると、香港の金融街で昼休みに行われた追悼デモには付近で働く会社員ら数百人が集まり、真相解明や警察の責任追及を口々に訴えた。一方、香港科技大で一部の施設が破壊されるなど、デモ隊と警察が再び激しく衝突する恐れがある。

 

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