治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
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ギョーカイに逆らうと損なのか?

2018-11-22 18:42:23 | 日記
みるさんのブログがラジオで紹介された記事のこの部分を読んで

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みるさんがそうやってローカルギョーカイに楯突くことを「損だ」と猿烏賊界隈は言っていたはず。彼らは臆病だからギョーカイに逆らうと未来はないと思っている。本気でそう思っていたとしたら、社会性の障害ですな。

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「えっ、ギョーカイに逆らうのは損じゃないんですか?」っていう質問がきました。
そしてまた別口で
お子さん(成人)はどんどんよくなっているのに親御さんがまだまだギョーカイの圧力に弱くて親子喧嘩になったというメールも来ました。

私は逆に、猿烏賊たちが「ギョーカイに逆らうのが治ったということなのか。だとしたら早く目が覚めればいいのに。本人が損するのに」とか言っているのを見て、なんでギョーカイに逆らうと損だと思うのか心底わかりませんでした。

でもギョーカイがいやなのにギョーカイに逆らうのは損だと思っている人とか、お子さんはもう吹っ切れているのに親御さんはまだギョーカイの圧力になすがままでお子さんがキレているという情報とかが入ってきて、ああ、封建時代のメンタリティなんだなと思いました。

愛甲さんが『愛着障害は治りますか?』のあとがきで書いていたでしょう。
愛甲さんも長い間主体性のないまま生きてきたと。
それは裏返すと、愛甲さんが女の子らしくいい子に育ったということです。
女の子はとくに、他人の言うことを聴くことが美徳だと育てられるし
その途上で(とくに権威ある人に)逆らうことは損だと教えられる。

そして男でも女でも封建的な地域やコミュニティに育つと割とそれを信じるのでしょうな。
そういう人にとって、ギョーカイをこれだけディスっている私は損に見えるのでしょう。

私から見ると、治してもくれず親をただ働きさせて接待させて集客が悪い会には動員するギョーカイなんてしがみつく価値ないと思います。
一昔前は威張るギョーカイ人の接待で親の会の幹部大変だったでしょ。
そういうこともあって、今親の会がすたれているんじゃないですか。

治りたい人は治せない医者にしがみつく必要ないし、役に立たない支援者にすがりつく必要はない。それがみんなわかってきてるからJDDは閑古鳥鳴いているんじゃないの。
最後の最後に国会議員に見栄張るために動員される人たちは主体性のない人たちなんでしょうな。

あの夜私は噴火しました。
みるさんを説教した夜です。

地元ギョーカイがみるさんにひどいことするのにみるさんは怒りつつもギョーカイの洗脳が解けない。
どういうことかというと就労支援を経ないと就労できないと思い込んでいたのです。

「仕事につくのに就労支援なんかいらない」と私は言いました。
就労支援を頼らなきゃ就労できないというのがもう洗脳だと。
そしてみるさんをがんがん説教する私を十数人が「既読」だけつけて黙り込んでいるので「君たちも社会人としてきちんと発言しろ~」とそっちにも切れました。
そうしたらみんな、社会人としての経験を述べてくれました。

その五日後みるさんは卒後初めての本物の(就労支援からの実習とかじゃない本物の)仕事が決まり、勤務後五日目には新人を指導していた。
浅見噴火後二、三週間のうちにみるさんは後輩を指導していたのです。

わかるんです。
親の世代が怖がりなんですよね。
なんとなく支援者に逆らってはいけないように思う。
でもよく考えてみてください。
役に立たない人たちは見限っていいんです。

今は封建時代じゃないんです。
それに気づいていない人が多い。
猿烏賊もそうなんでしょう。
彼らは基本臆病だし。

私は「他人のいうことを聴かない力」がありますから、現況がその分見えるんだと思いますよ。
母は「昔から親の言うこと聞かない子だったけど、しょうごさん(夫)の言うことだけは聴くから良かった」と言っていますが夫は「ほんっとにお前は人の言うこときかないな」と言っています。
その点愛甲さんとか、お子さんが花風社のアプローチで良くなっているけどまだギョーカイ圧力に負けてしまうお母さんとかは、たぶん女の子としては親の言うことをよく聴くいい子だったんですよ。

資質って言うのはね、一見悪いところも入っているんです。
これ1月14日の読書会のテーマでもありますし
今日の南雲さんとの共同ブログにも書いておきました。

見てね。
コメント欄も盛り上がってますよ。


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