@chablis777
シャブリ

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喜美子は これからのことを考えつつ信楽から大阪に戻ってきました。
(マツ)お金だけ ちゃうねんよ。お父ちゃんは喜美子に帰ってきてほしいねん。
(泣き声)
大阪での暮らしを続けるか信楽に帰るか…。
最後の最後まで考え続けました。
♪~
(喜美子)ただいま戻りました!
(さだ)あ~!すみませんでした。 ただいま戻りました。
♪~
♪「涙が降れば きっと消えてしまう」
♪「揺らぐ残り火 どうかここにいて」
♪「私を創る 出会いもサヨナラも」
♪~
♪「日々 恋をして 胸を焦がしたい」
♪「いたずらな空にも悔やんでいられない」
♪「ほら 笑うのよ赤い太陽のように」
♪「いつの日も雨に負けるもんか」
♪「今日の日も 涙に負けるもんか」
♪~
♪「やさしい風に吹かれて」
♪「炎は再び舞い上がる」
その夜…さださんと 雄太郎さんそして 大久保さんは帰ってきた喜美子の話を静かに聞いてくれました。
お恥ずかしい話ですけどそういうことです。
ほんで…ほんで 決めました。
学校は諦めます。 そのお金は 家の借金に。
ほんで…。
うちは 信楽に帰らせてもらいます。
こっちに戻る汽車の中でちょっと目ぇ閉じて荒木荘のこと思い浮かべてみたんです。
あそこに鍋がある。 あそこには おたま。
あそこには 布巾。
玄関の掃き掃除は あのほうき表の枯れ葉 掃くんは あのほうき…。
手に取るように荒木荘のことが…。
ほしたら 自分でも…もう結構やってきたんちゃうかな…。
勝手に そう思いまして…。
すみません 大久保さんからはまだ認めてもらえてへんのに。
(大久保)認めるかいな。家の仕事に終わりはあらへんで。
認める日なんか来るわけないわ。
認める認めんで言うたら…あの時やん…。
何?
…あの時や。
(さだ)何よぉ?
「大久保さんが作ったごはんは大久保さんにしかできへんのんちゃう?」って言われた時にもう認めてたわ。
(さだ)もう… そんなん最初の日やんか。
(大久保)フフフ…。(さだ)もう! フフフ…。
ありがとうございます。
大久保さんから教わったこと次の… 次に ここ来る人にちゃんと引き継ぎをしてから帰らせてもらいます。
ええから ええから そんなん…よろしいおまんな?
引き継ぎは大久保さんがやってくれるから。
そう思たさかいもう あんたの荷物まとめてしもたがな。
いや… ほやけど…。(さだ)ええ ええ。ここは喜美ちゃん おらんかってもかまへん。
(大久保)かまへん かまへん。
(すすり泣き)
雄太郎さん!?ちょっと… ああ! もう…!
雄太郎さん!?もうええ ええ。
もう そっとしといてあげたら かまへん。かまへんわ もう。
お父さんから電報ももろてるしな。
私らも 喜美ちゃん 信楽から帰ってけえへんと思てたんやから。
(大久保)お母さん 大したことのうて よかったな。はい。
これからは 信楽のおうちのこと一生懸命やんのやで?
はい。うん。
♪~(ギター)
何や?
(雄太郎)♪「喜美ちゃんおらんでも かまへ~ん」
ええ!? 歌 歌うのん?
♪「寂しいけども」歌かいな これ?
♪「かまへん」
♪「喜美ちゃん去ってもかまへ~ん」
♪「さよなら言うても かまへん」
♪「喜美ちゃん去ってもかまへ~ん」
(マスター)そうか… そら寂しいなあ。わざわざ ありがとう。
お世話になりました。
あっ このあとの汽車で?いえ ちや子さんとこに顔出してから。
ちや子さん 昨日も帰ってきてへんのです。
新聞社 辞めたみたいやで。えっ?
(雄太郎)あの日 喜美ちゃんと入れ違いにえらい酔うて帰ってきてな…。
 回想 ほ~っ! うわっとっと…。
あ~! あ~あ~あ~! もう…。
おうおうおう…。もうかなわんわ~。どうしたの? どうした?
ちょっと ちょっと…。(ちや子)辞めたった! 辞めたりました!
何があったんでしょう…。
ヒラさんいう上司?何も言わんと よそ移ったて…。
ヒラさんが!?
しばらくの間な 実家へ帰る言うてやなその前に ここへ来てやな やけ食いや。
 回想 ちょっと 二日酔いと違うの?
(雄太郎)そのうち戻ってくるやろし喜美ちゃんのこと言うとくよ。
信楽なんて汽車ですぐやん。 言うとくよ。
手紙… 手紙書いていきます。
(マスター)手紙な。はい すいません。
そういうわけでちや子さんには会えずじまいでした。
いつか 映画俳優で売れっ子になったら喜美ちゃんのお父さんにオート三輪 山ほど買うたるわ。
ええ ほんまですか?うん 喜美ちゃんにも。
ほな うちは… 妹にテレビジョン買うてもらおうかなあ。
任しときぃ。
ほな 心機一転 芸名でも付けよかな?
芸名?うん 喜美ちゃん 付けてぇや。
ええ!? そんな大事なことできません。ええよ ひらめきで。
え~ ひらめかへん… ひらめいた!信楽太郎。
ハハハ… それはあかんわ。
えっ 何でです?ええやないですか 信楽太郎。
じゃあ 戻るわ。はい。 ほな ここで。
気ぃ付けてな。
ありがとうございました。お仕事中 すみませんでした。
さえずりの姿は 仮の姿やからな。
分かってますぅ 信楽太郎さん。あかんて。
(笑い声)さいなら。
仕事 頑張って下さいねうちも頑張ります。
じゃあ…。
♪~
喜美子は こうして大阪から 荒木荘から去っていきました。
ちや子さんが戻ったのはそれから しばらくあとのことです。
「ちや子さん ほんまのところこれが正しいかどうか分かりません。うちの前には 2つの道があって一つは 荒木荘で働きながら仕送りしながら 内職しながら学校に週3日通う道。ジョージ富士川先生から新しい世界を教わって好きな絵を描くことを学ぶ。想像するだけで楽しくて ワクワクする道です」。
「もう一つの道は 信楽に帰る道。こっちは… どうなるか分からへん。働くところはあっても 自分がどうなっていくか想像つかへん…」。
「よう分からん道を選んで歩きだすのはえらい勇気がいります。勇気を出してうちは信楽に帰る道を選びました。自分で決めました。自分で決めたんです」。
(すすり泣き)
「そやから…最後に ちや子さんに会いたかった…」。
「新聞社辞めた聞きました。大丈夫やろか。心配やけど きっと ちや子さんなら。うちに いろんなこと教えてくれたちや子さんなら。そう思て うちは行きます。いつか また… ちや子さんにお茶漬け作ってあげたい。おしゃべりしたいです。そして いつか この道選んでよかったと笑って会える日が来ますように。今日にて荒木荘 卒業させて頂きます。お世話になりました。ほんまに ありがとうございました!」。
(百合子)行ってきま~す。行ってらっしゃい。
直子!
何か言いなさい。
(直子)行ってきます。行ってらっしゃい。 気ぃ付けてな。
よっしゃ!
♪~


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