@chablis777
シャブリ

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喜美子は 自分の道を自分で選び荒木荘での暮らしに別れを告げました。
♪~
(喜美子)ただいま~。荷物送ればよかったかな…ここまで やっぱり重かったわあ。
はあ…。 ただいま。
♪~
(百合子)お父ちゃん お帰りなさい。(常治)おう。
お帰り~。(常治)おう。
今日の肉じゃがは 肉が入ってんで。
(マツ)お帰りなさい。
(直子)ねえ 分からへん!え~? 分からへんちゃうよ 言うたやろ。
この式に当てはめたらええの。
(マツ)今日の肉じゃが 肉が…!(常治)やかましい! もう…。
お父ちゃん これから お酒は週末だけにしよな?
何 言うとんねん お前。ほな 週3日や。 体のためにもよ。
あかん!あかんことない。
大阪帰れ! もう。帰らへん。
帰れ!まあ まあ まあ。
もう帰らへんよ うちの家は ここや。
(直子)あっ できた。
うん! そうや。 できるやん。
♪~
♪「涙が降れば きっと消えてしまう」
♪「揺らぐ残り火 どうかここにいて」
♪「私を創る 出会いもサヨナラも」
♪~
♪「日々 恋をして 胸を焦がしたい」
♪「いたずらな空にも悔やんでいられない」
♪「ほら 笑うのよ赤い太陽のように」
♪「いつの日も雨に負けるもんか」
♪「今日の日も 涙に負けるもんか」
♪~
♪「やさしい風に吹かれて」
♪「炎は再び舞い上がる」
あかんよ。(常治)なあ もう一杯…お前はニンジン食うとけ ニンジン。
もう一杯ぐらいええやん。もう… あかんのか?
あかんよ。何でや もう! もう一杯!
ほんでな ほんでなうちのが一番や言われてん!
百合子は家庭科が得意やねんよ。すごいやん!
こんなもん飲んだうちに入れへんがな もう…。
せやけど こんなん作れるようになって…へえ~。
喜美子 喜美子!これも大久保さんいう人に?
そうや 教えてもらったんよ。あら~。
これな 週3日やのうてこれ 週8日でええんちゃうか?
週8日飲むのん!?8日や。あかんよなあ?
あかんよ 8日て 何や。ねえねえ ほんでな 先生がな…。
ごちそうさま。えっ ごはん残ってるやん。
芋嫌いや。 毎日 芋 芋 芋 芋!
アハハ…。今日の芋は肉じゃがの芋や。
黙れ。 うち 東京行くしよ。えっ?
またアホなこと言いだしよった…。もう その話は今やのうても…。
姉ちゃん帰ってきたさかい言うとく。
うちは学校済んだら この家出てく。
誰が東京なんか行かすか。行くわ!
済んだらて 卒業してから?そや。
まだ先の話やん。先やないわ そんなん すぐや!
やりたいことあんの?
何やりたいか決めてんの?
どこで何するか 考えてるの?
ほな じっくり考え?姉ちゃんも聞いてあげるし。 なっ?
とにかく ごはん残さんと食べや。いらん。
いらん言うもんに食わさんでええ。喜美子が作ったんよ?
直子 食べ?
ほんで? 先生が 何て?
お父ちゃんとお母ちゃんどっちに似たんや言われたからよ喜美子姉ちゃんに似たんや言うたった!
お~! お父ちゃん 今の聞いたけ?
やかましいわ! お前。週8日飲むぞ 週8日。8日や!あかんよ 8日て 何よ。
ほんまや。(常治)8日や。(百合子)一週間8日ちゃうで?
そうして信楽に戻り年が明けて しばらくすると…。
約束どおり丸熊陶業で雇ってもらえる手はずが整い挨拶に出向きました。
ご承知のとおり 丸熊陶業は火鉢を中心とした陶器を制作 販売してる会社です。
(和歌子)そんなとこから説明しんでも知ってるわなあ?
あっ すいません。すいません どうも…。
いや~ 社長 お忙しそうで…。
あんた 頼むで?(秀男)ほな お願いします。
うち 今から照子の学校や。父兄会の係やねん。
照ちゃん 京都の短大に決まったそうでおめでとうございます。
おおきに。成績ええから 進学強く勧められて。
ほんまは行かんでもええって言うてたんやけど…。
そやけど… 京都やったら…?寮に入りますねん。
(常治)あ~。寂しなりますねえ。
それが 毎週帰ってくる言うてるわ。アハハ…。
はあ~。 悪いの わざわざ来てもろてよ。
いえ こちらこそ もう…。なに座って… 立たんかい 立たんかい。
おう!あんたら座っといてええんや。
座り 座りって。ほな 行ってきます。
行ってらっしゃい。ごゆっくりどうぞ。失礼します。
あ~ 座り 座り 座り。ああ すみません。
よ~っこらしょ…。
で? どこまで話したん?まだ 何にも。あっ そうけ。
簡単な仕事や。 通いの陶工さんらと今は絵付けの職人さんらが来てるさけ。
まあ これが まあなかなか手ごわい親方呼んでしもてなまあ 腕はええんやけど…。あの… えつけ いうのは?
絵付けいうのはやな…。(加山)そこは川原さんの仕事とは関係ありませんし大丈夫ですよ 知らんでも。
え~ その人らへの昼の用意と 茶の用意け?
はい。 時間は午前9時から午後4時まで。
短いですけどもな お給金はそれ相当にお支払いいたします。
いや ほんまにもう ありがとうございます。いやいや…。
社長は 前 一旦引き受けといてお断りしてしもたことに心 痛めておりまして。
また… またその話 蒸し返しますか?照子が いまだに つつきよんでよ…。
こっちは もうなあ?なんもなあ? もう ほんまに…。
よろしくお願いします。あ~ こちらこそ…。
よろしゅうお願いします。お願いします。
ほな いつから?(秀男)あ~。うちは 明日からでも。
明日から?はい! すぐにでもお願いします!
喜美子は 新しい仕事に早く就きたくてうずうずしていました。
喜美子! 喜美子~。
あら… ちょっと長すぎた?何しとんねん お前 はよ着替えんか。
これでええよ?
お前… 荒木荘ちゃうんやで?天下の丸熊陶業や お前。
ええやん これで。働きやすい格好でええんちゃう?
ほな もう行くで。何で お父ちゃんが?
ついていかんでええよもう子ども扱いはやめなぁ。
そっちこそ 何や お前こんなもん お前…こんな長いの 仕事の邪魔やもう いらん いらん いらん 外せ。
まだまだ寒いさかい いるわな?いらんいうねん。巻いとき 巻いとき。
(常治)いらんいうねん。お父ちゃん!
♪~
今日から ここが喜美子の職場です。
喜美子のほかに 八重子さんと緑さんという人が働いています。
3人で陶工さんたちのお昼の用意をするのです。
A定食です お待たせしました。お姉さん!こっち こっち。はい。
は~い。A定食。は~い。
(八重子)はい B定食。はい。 …お願いします。
忙しいのは1~2時間のお昼どき。その波が終わると すぐに落ち着きます。
あとは お茶の用意だけです。
ほんな きついこと言わんのおしゅうとめさん。
ほんなん言われても戦前とちゃうしの。ほりゃ ほやけどな。
荒木荘のことを思うとなんと簡単なことか…。
ほな これ 持っていきますね。
ああ 分かるけ? 火鉢のとこな?はい 行ってきます。
はい 行ってらっしゃい。
失礼します。
食堂で沸かしたお茶を丸熊陶業の それぞれの部署に配ります。
ご苦労さまです。
交換したやかんは また食堂に持ち帰って一日に何度かお茶を替えます。
失礼しました。(一同)ご苦労さん。
♪~
以前にはなかった絵付係という作業場です。
失礼します。
♪~
喜美子にとってそれは 初めて見る光景でした。
♪~
あの… 何してはるんですか?見せてもろうてもええですか?
(せきばらい)
(城崎)誰や?すいません。
関係者以外立ち入り禁止や。
あ… 今日から丸熊陶業で働かせてもろてます 川原と申します。
聞こえへんかったんけ。
この城崎組の作業場は関係者以外立ち入り禁止や。
(原下)すいません!
あ…。
♪~
おお…。
♪~
その夜 喜美子はなかなか眠ることができませんでした。


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