ゲームのAARを書いてましたがそれどころじゃなくなりました。
突然ですが関東民のお酒飲める方、ビール好きな方は、来週火曜(11/12)からJRの駅にあるコンビニNewDaysに行ってこれを買って飲んでみてください。
中央ヨーロッパの国、チェコの誇るビール、「ピルスナー・ウルケル Pilsner Urquell」。
私が愛してやまない推しビールです。
以下ウルケルについての語りです。蛇足と言ってしまえばそれまで。
まずはどんな味をしているか。
口当たりが良く、しっかり苦いのですがそれだけでなく、旨味や甘味も確かに存在していて、喉越しも良くて風味も締まっているのに柔らかさがあり、気品があります。アルコール度数は4.4とやや低めであり、味わい深さと軽さが両立し、何杯でも飲めます。
「ドリンカビリティ」のあるビールです。
私はチェコで1日3リットルまで飲んだことがあります。ビール好きとしてはいたって平凡な量ですが。
下品な言い方になりますが、たくさん飲んだ後の自分のげっぷが体内から良い香りですし、後味が残った自分の唇を人目を盗んで舐めたくなります。
素材の水、麦、ホップ、どれをとっても一流、いや超一流なのです。
一定の苦味はあるので、とにかく苦いのは無理!という方には残念ながら向いてないと言えるでしょう。しかしこのウルケルにおいて苦味とは不可欠な名脇役であり、苦味が味を引き締めて旨味や甘味を引き出しているのです。
是非一度お試しあれ。
美味いウルケルは神様がくれた奇跡の飲み物、マズいのは苦汁です。皆様にはぜひ前者の方を知って頂きたくて筆をとりました。
さて皆さん、だいたいの方は「ビール」というと
🍺
こんなのを想像されるのではないでしょうか?
「金色の液体」、「白い泡」、「苦い」…。
そのビールのイメージを生み、世界で覇権を握り、古代文明から存在したビール界に産まれた風雲児。実はそれが他ならぬこのウルケルなのです。
普通はこの瓶
で日本では流通しています。この褐色の瓶は海外への長時間の輸送や陳列の間、光によって酒が「焼けて」風味が劣化してしまうのを防ぐためのものです。
日本に船便で輸送される間にどうしても劣化してしまうので、日本に来るウルケルはろ過を強くかけたものになっています。
このバージョンでも美味しいは美味しいのですが、アッサリし過ぎという印象は拭えません。
チェコで飲むともっと雑味があり、その雑味が旨味やコクとなり本当に美味しいのです。
チェコ国内や近隣国では遮光性に劣るかわりにコストが安いこちらの黄緑色の瓶が出回ります。
今回出回るのは遮光性で瓶を上回る缶!
美味しさも期待出来るというものです。
今回の関東での売れ行き次第で、ウルケルが全国かつ恒常的に売られるか否かがかかっているはずです。これは飲みまくるしかありません。
日本でウルケルを飲むとすれば、現状3種類。
瓶か、樽生か、例外的な空輸樽生です。
瓶はあの褐色のですね。チェーン店のHUBさんには良いのが置いてあるので、店舗数の多さとお値段からウルケル入門にオススメ出来ます。
樽生は小ジョッキ900か1000円、大なら1300円程度が相場です。後述のタップスターがいるお店、またはチェコ料理屋さんで飲むことを個人的には推奨します。
空輸樽生は大ジョッキ1500円程度。超レア。良い意味でのキ○ガイと言える絶滅危惧種です。
東京の新宿御苑前に1つ、札幌の南4西5に1つの計2店舗しかありません!
…まあぶっちゃけ高いですよね?
それは日本の酒税や輸送費が高過ぎるから。
チェコで飲めばもっと安く美味しいです。
(チェコの方が物価が安い)
しかしホイホイ気軽に飛行機に12時間乗って地球を半周するわけにもいきません。往路だけで半周なんだから帰ってくれば一周しちゃう。
日本の大手ビールは全て明治時代にドイツで流行した「ピルス」というスタイルが元ですが、そのピルスはウルケルに始まるピルスナー(ボヘミアンピルスナー)をドイツが模倣したものです。
よって日本ビールはウルケルから見れば孫のような存在にあたります。
日本ビールに慣れ親しんだ人からすれば、ウルケルとは異様に安くて驚くほど美味しく感じられる存在なのです。
そんなウルケルを、チェコに行って飲むことにも、家のある東京にいながらにして飲むことにもこの数年情熱とお金を使ってきたのが、ウルケルに一目惚れならぬ一口惚れをした私なのです。どうかこの語りに最後までお付き合いくださいませ。
次にウルケルの歴史について。
ピルスナー・ウルケルが生まれたのは1842年10月5日、オーストリア帝国領ボヘミアのピルゼン。
北西・中央ヨーロッパでは伝統的にビール造りが盛んでした。
実際に今でもイギリス(イングランド)、ベルギー、ドイツ、チェコはビール界の超大国です。
しかしピルゼンでのビール醸造はなかなか上手くいかず、出来上がったビールを何十樽も自主廃棄した記録も残っています。
そんな状況を改善するため、ピルゼン市は隣接していてビール先進地帯であるバイエルンから先生をお招きすることにしました。
それに応えたビール醸造技師が、ヨーゼフ(ジョゼフ)・グロル。この人です。
彼は当時のバイエルンで一般的で自分もそれまで作っていた黒ビールを作るつもりでやって来たのですが、諸説ある原因によって出来上がったのはなんと黄金色のビールだったのです。金色のビールはこれが世界初でした。
でも試飲してみたらめちゃくちゃ美味い。醜いアヒルの子みたいな話ですね。
金色になったのはピルゼン(プルゼニュ)の水がヨーロッパでは珍しい軟水だったこと、ピルゼン市が用意した最新鋭の麦芽焙煎機の扱いを間違えたことなど諸説あります。
ビールは原則として「エール(上面発酵)」と「ラガー(下面発酵)」の2種類に大別されますが、ウルケルは後者のラガー。
ウルケルは大ヒットし、ラガーの中でピルスナー(ピルゼン風)というスタイルを確立し自らその祖となりました。
ピルスナーは今や世界で流通するビールの約7割と覇権を握っていて、ウルケルはその原点にしていきなり至高だったという存在なのです。
では、なぜウルケルはそんなに大ヒットしたのか?
これもいくつか理由があります。
まずは時代の潮流に神がかり的に上手く乗れたこと。
ビールはナマモノ。醸造所から近ければ近いほど美味しいし、遠ざかるほど味は劣化します。「ビールに旅をさせるな」という言葉があります。
しかし、ウルケルが生まれた19世紀中頃は鉄道の敷設ラッシュと冷蔵技術の革新により、ビールを美味しく飲める範囲は飛躍的に拡大していたのです。
2つ目は1つ目とも深く関わりますが、見た目でしょうか。
先のようにウルケルは金色でしたが、これが「見えた」ことが極めて重要でした。
それまでビールのジョッキといえば木か陶器。これでは上から泡しか見えませんね。
しかし、ピルゼン(プルゼニュ)のあるボヘミア地方は、たくさん生えているブナの木を燃やすと得られる炭酸カリウムを利用した透明感のあるガラス工芸が名産でした。昔はお金持ちや王侯貴族の物でしたが、ウルケルの誕生に前後して産業革命があり、工場からそれまでに比べればバカ安でガラスのジョッキを作ることが可能になり、これが酒場に普及し始めていたのです。
毎日ビールを水のように飲むチェコ人の心理にとって、それがほとんど見えない黒色か、丸見えの金色かというのは気分が大違いではないでしょうか?
ちなみにガラス工芸品は今ではチェコ土産の定番品。いくらでもお手軽価格で手に入りますよ。
3つ目は単純に美味と、それを守る拘りでしょう。
味は先述のような特徴を持っており、とにかく美味しいのです。
ウルケルに使用されているのは地元プルゼニュの地下水の軟水で、自社で汲み上げ施設を作りました。麦はワイン産地としても有名なモラヴィア地方の二条大麦。ホップは世界でも指折りの最高級アロマホップ、ジャテツ(ザーツ)のを普通のビールの約2倍とたっぷり贅沢に。麦とホップも自社の畑からです。
以上のようにチェコ国産と言えます。
(とウルケル公式は言いますけど、実は酵母だけはグロルが持ってきたドイツのバイエルンのなんですよね。だから「純チェコ国産」とは私は言いません。)
これを徹底的に管理された、当時と変わらぬ伝統の方法で商品として製造します。
特徴なのは「トリプル・デコクション(3回糖化)」。
ビール醸造の最初の工程で、麦芽を砕いて温水で煮込むことで、麦のでんぷんが糖になるのです。
この工程はコストも手間もかかるので普通は1回か2回なのですが、ウルケルは味のために断固3回を死守しています。
この仕込みに使われる釜は銅製で、プルゼニュやボヘミア地方を含むチェコがナチスドイツに占領されていた期間は、徴発されないよう地面に埋めて隠したという話が残っています。
そこまでして守った銅釜を、戦後にはコスパを考えステンレスに変えようか?という話も持ち上がりましたが、伝統を重視し却下されました。
コスパ度外視で伝統を守れた要因として、当時のチェコスロヴァキアは社会主義であり、市場の利益にあまり左右されず決められた物を決められた量作っていれば良かったという状況だったことは無視出来ませんが、やはり一番の理由は美味しさのためなのです。
ちなみに同時期イギリスでは効率や利潤が追求され過ぎて、伝統的なビールや企業体力の無いクラフトビールは一度ほぼ壊滅してしまいました…。
4つ目は、「注(つ)ぎ」への拘り。
ウルケル社は「注ぎ手がビールを完成させる」という企業理念に則り、ウルケル公式認定のプロの注ぎ手「タップスター」を養成しています。
ウルケルを扱うビアバー、ビアホールのバーテンダーからこれはと目をつけた人物を招待して専用の約1週間の厳しい講習・試験を受けてもらい、合格者をタップスターとして認定するのです。
タップスターのいる店は仕入れ、管理、注ぎとどれも折り紙つき!安心して美味しいウルケル が飲めます。
このタップスターは現在世界に250名程度、うち日本には4名います(東京×2、大阪、熊本)。
右から日本人初のタップスター佐藤さん、第2陣の野々村さん(両名とも東京)、さらにアジア地域元締めで世界に3人しかいない「ヘッドタップスター」のアダム・ブルチェックさん。(拠点は韓国のソウルですが、頻繁に来日されます)
注ぎ方は私の知る限り4種類ですが、メジャーな2つをご紹介します。
1つは基本の「ハラディンカ」(🇨🇿Hladinka フラヂンカ)。公式が研究し尽くした王道の飲み方。まずはこれですね。
泡は指3本分と決まっています。
炭酸の効き具合や泡の量がほど良く、とっても美味しいです。
もう1つは「ミルコ」(🇨🇿Mlíko ムリーコ)。
泡。
断じて失敗作ではありません。
超一流で泡だけでも勝負できるウルケルの真髄を垣間見ることが出来ます。そこらのビールで真似するとかなり惨めな味になります。
このように、素材一つ一つ単品だけでも極めて強力なのに、それらがしっかり自己主張はしながらも嫌味はなく、全体として綺麗にまとまりマリアージュを起こす。それがウルケルの真骨頂なのです。
ここまでウルケルについてお話してきましたが、ウルケルの国であるチェコとはどんな国か、またチェコでウルケルはどんな存在なのかを次はお話したいと思います。
チェコはドイツに食い込むような形で中央ヨーロッパにある国で、人口は約1000万人。EU、シェンゲン協定(加盟国間の移動にパスポートやビザが要らない)に属しながらも、共通通貨ユーロは導入していません。通貨はチェコ・コルナ(CZK)で、レートは1CZK≒4.5〜5JPYです。20コルナで100円以下となります。
首都は中世の雰囲気に現代が混じり味のあるプラハ。チェコは波乱万丈の歴史を経てきた「欧州の心臓」であり、「ボヘミアを征するものはヨーロッパを征す」と言われるような要所なのです。
そんなチェコですが、ありえないくらい酒を飲む。
「キリンビール大学」レポート 2017年 世界主要国のビール消費量|2018年|ニュースリリース|キリン
ビールの個人あたり世界消費量が25年連続で1位と不動の王座。日本人の3.5〜4倍にあたります。
さらに恐ろしいのが、1人あたりの年消費量183.1ℓを365日で割ると0.501…とほぼ500mlピッタリとなります。
(ここちょっと間違えてたので事後修正しました)
あり得なくはない数字だけど本当にそれやってるの…?ってなりますよね。やってるんですチェコ人は!
とどめに、チェコはビールばかりでなくワインもウォッカも、加えてスリヴォヴィツェという果物から作る蒸留酒もよく飲むんです。
こちらはチェコ土産定番の一つ、薬草ウォッカ「ベヘロフカ」です。
水は有名な湯治場カルロヴィ・ヴァリ(歴史的にはドイツ語名カールスバートの方が有名)の泉のものです。
ビールが福祉なチェコでは、政府はビールに税金をかけたくてもかけられません。
そのためチェコではビールはミネラルウォーターやジュースより安く、スーパーに行けば1.5や2リットルのペットボトルに入ってたくさん売っていますし、アミューズメント施設には酒場があり樽生ビールが飲めます。
ビアバーには毎朝タンクローリーがやってきて、ホースを壁に空いた穴の蓋を開けて繋ぎ、お店のタンクに工場直送のビールを届けます!
ビールは最高の樽生が大ジョッキ200円台が相場。
血管にビール流れてるんじゃねぇのか…?
もっとも、チェコは未成年者飲酒率欧州ワーストという不名誉な記録、社会問題もあるのですが。酒税って安ければ良いってもんでもないんですね。
ウルケルはそんなチェコでシェアNo.1!
ビールに舌が肥えまくってるチェコ人にしっかり認められているのです。
ここで商品名のお話をしましょう。ちょっと難しいです。
実はPilsner Urquell とは本来ドイツ語の名前で、その場合ピルスナー・ウアクヴェルと読みます。独語圏ではそう呼ばれます。
意味は「ピルゼンの源泉(元祖)」。
これはお国が発明当時はドイツ語が公用語のオーストリア帝国だったからであり、大都市ピルゼンの住民には支配層のドイツ系が多く、チェコ人の方が多数派になったのは第2次世界大戦後の話です。プルゼニュというチェコ語の名称が定着したのもそれからの話です。
なので呼称を統一したくてもさせられないのです。両方覚えて使い分けるしかないのです。
(長年ドイツ系国家だった今のチェコ、とりわけボヘミア地方には、昔はチェコ人に混じってドイツ系住民がたくさん住んでいて、明確な居住区の境界線もありませんでした。興味がある方は「ベネシュ布告」「ターフェ言語令」等で調べましょう!)
このように本来ドイツ語のUrquellは、世界で通用させるために英語風の呼び名を与えられました。それが「ウルケル」です。
しかしウルケルはチェコにしっかり根を下ろしておりチェコ人にも愛されているので、チェコ語の名前も当然存在します。
それがPlzeňský Prazdroj プルゼニュスキー・プラズドロイ です。意味は全く同じです。
チェコに行かれた時は Pilsner Urquell の看板がそこかしこにありますが、口頭では是非プラズドロイと呼んであげてください。
外国人に自国語で話しかけられるのはとても嬉しいことです。たどたどしい、文法ミス、発音が違う、大いに結構です。流暢に話せるまで訓練してから旅行というのはいくらなんでも非効率ですし、下手な方が愛嬌や熱意が感じられるでしょう。
今のご時世には翻訳機やGoogle翻訳など文明の利器がありますし、携帯で調べたり画面を見せたり、ガイドブックや地図を見せれば大概なんとかなります。
チェコ、特にプラハは教育が行き届いていて基本的には英語が通じますし、歴史・地理・経済等の理由でドイツ語も理解出来る人が多いです。旧東側陣営なので多分ロシア語も中年以上なら分かる人は多いのではないでしょうか。
しかしそれで意思疎通は出来ても、真心に触れることはなかなか出来ません。
特にチェコはドイツ系国家やロシアに支配されていた歴史が長く、それらの言葉を使って得られる反応はあくまで「仮面」なのではないでしょうか。
これはチェコに限らず私が海外に旅行に行く時に課している自分ルールなのですが、「こんにちは」「ありがとう」「お会計お願いします」の3つだけは現地語を覚えていきます。
美味しい!は食べ方や表情、親指を立てるなど表現の方法はいくらでもあるので…。
チェコでこれらのフレーズは
こんにちは…ドブリーデン(Dobrý den)
ありがとう…ヂェクイ(Děkuji)
お会計お願いします…プラチット・プロスィーム(Platit prosim)
と言います。これだけなら覚えられるでしょう。金額は書いてもらったり、携帯で電卓画面に打ち込んでもらえば分かります。
ちなみにチェコは飲食店でサービスに満足した時などに10%以下のチップを渡す文化がある国です。
私はビールに限らず料理も大好きなので、チェコ料理についても少しだけ。
チェコ料理はビールの友に特化した料理です。
隣のオーストリアもお酒が美味しいですがスイーツも豊富なので、飲めない人でも楽しめますが、チェコはそうもいきません。チェコは飲酒しないと始まらないと言っても過言ではないでしょう。
チェコ料理といえば肉・芋・チーズ。そしてしょっぱくて脂っこいのが特徴です。また、ニンニクも多用されます。
チェコは内陸国で大きな川がいくつもあるので川魚料理もあるのですが、鮮魚に世界トップレベルでうるさい日本人が満足出来るかと言うと…。
まずはこのグラーシュ(Guláš)。
元はハンガリーのスープ料理ですが、チェコではビーフシチューになっています。香辛料が効いて美味しいですよ!
チェコ独特の茹でパン(クネドリーキ)が添えられます。食感がとても良いです。
お次はペチェナー・カフナ(Pečená kachna)、ローストダックに…
コレノ(Koleno)、豚のひざ肉のローストでしょうか。
ヴェプショヴァー・ペチェニェ(vepřová pečeně)、焼き豚も最高です。
豚といえばカツレツ、ジーゼック(Řizek)と呼ばれるものも良いですね。ビールとの相性はピカイチです。カロリーは気にしてはいけない。
独語圏でいうSchnitzel シュニッツェルですが、独墺は様々な肉を使いますがチェコは専ら豚です。
ポテトパンケーキも美味しいです。ブランボラーク(Bramborák)と言います。
写真が携帯に見当たりませんがチーズのフライ、スマジェニー・スィール(Smaženy sýr)も絶品です。コイツこそカロリー爆弾ですが。
あとは豚のあちこちゼリー寄せ、トラチェンカ(Tlačenka)が個人的に好きですが、これは人を選ぶかも…。
揚げた黒パンにニンニクをすり下ろすトピンキ(Topinky)もたまりません。
本当に向こうの肉、芋、麦等の食材は本当に味がくっきりしています!日本のとは別物です。
まあ実はチェコ旅行の時は撮る余裕が無くて、↑の写真はほとんどが東京のチェコ料理屋さんで撮ったものなんですが…。
チェコ人はビールを飲む時は、食事とはほぼ別で、まるでコーヒーでも飲むかのように静かに飲みます。(お喋りぐらいはしますが)
歌ったり騒いだりはしないのです。
ただただえげつない杯数に積み上がっていきます。
私がウルケルに出会ったのは2016年春、大学の卒業旅行でプラハに行った時のことです。
大学ではチェコもその領土に含まれるオーストリア=ハンガリー二重君主国(1867〜1918)の歴史が専門でした。「聖地巡礼」というやつですね。
その卒業旅行は初海外だったので添乗員さんの付く中欧団体ツアーでした(30人くらいの規模でしたがグループとしては私は1人ぼっちでした。友達がいないわけじゃないですし、旅仲間たちとは盛んに交流しました)。
それからウルケルに惚れ込み、翌17年6月に中欧に再訪。2度目の海外は航空券、ブダペスト→ウィーンとウィーン→プラハの特急、ホテルだけ面倒を見てくれる旅行会社のフリープランで、これは完全にぼっち旅行でした。
プラハで丸一日自由な日を使い、自力でプラハから特急で片道1時間半離れたプルゼニュへ日帰り旅行し、ウルケル工場見学に行ってきました。(日本語のブックレットを買って読みながら全く分からない英語ガイドを聞いていました)。
魔境Twitterにはこの程度の冒険はありふれたことですが、リアルではこんな人なかなかいないと思います…。
ああやっぱり本場のウルケルは美味しかったなあ、もっと気軽に飲めないかなぁと思ってたら。
2018年4月、ウルケル社が日本のアサヒビールに買収され傘下になったのです。
アサヒはウルケルを高級ビール販売戦略の柱とし、しっかりとした品質管理をして、堅実にじわじわと販路を拡大している真っ最中なのです。今回の缶の関東限定販売は間違いなくその一環であり、全国販売に向けた試金石であることは想像に難くありません。
もうお気付きでしょうが、私は美味しいものが心から大好きです。
母親をはじめ、周りから美味しいものをあれこれ食べさせてもらって育ったからです。
であればこそ、私の心身を一度ズタボロにしたブラックな職場からも、過度なストレスによる味覚の一時的な麻痺によって絶望を通り越してかつてない激怒をして、生きて辞めるという気力になりました。鬱でほとんど植物状態の時でもギリギリ正気を保てました。
現在はだいぶ回復して社会復帰のために安定して就労支援施設に通えています。
私を数年間Twitterでご覧になっていた方々からすれば、こんなに元気になって…と思われたりするんじゃないでしょうか?(自分で言うな)
誇張でも何でもなく、私の生きる糧になっているのは間違いなく、ウルケルを筆頭とする中欧への愛なのです。
元が歴史オタクな私にとって、好きな時代好きな国から変わらぬ味というのは何よりのご馳走です。そしてそれが自分の舌と本当にピッタリ合った。こんな幸せはありません。
中欧×美味しいもの=好きなもの×好きなもの=最強。
しかも私がウルケルを好きになってあれこれ調べたり飲んだりしてるうちに、たまたま日本の会社が買ってくれてどんどん日本で飲めるようにしてくれました。
毎年東京で行われるチェコフェスティバルも年々規模が大きくなり、今年は大阪でも開催され、順風満帆といった感じがします。
感情の大きいオタクに、神様あるいはそれに準ずるような存在が、あれこれ便宜を図ってくれているような気さえしてきます。
私はTwitterにのめり込んでいたので(吃音でリアルの会話に苦手意識がある&寝たきりでも指1本で世界にアクセス出来る&同好の士がゴロゴロ見つかるから)、1年半近く前からウルケルやチェコの情報を受信発信する専用のアカウントを作り、毎日欠かさず情報を見続け、お財布と体調の許す限りで自ら足を運び体験もしています。
「1人でも多くの日本人に中欧の魅力を知って欲しい」。その思いが今の私を突き動かしています。今回の件はそれにとって個人的に極めて重大な案件です。
私が今知っている限り、(私の好き嫌いでは)世界一美味しいビールです。もちろん輸入品なので100%の味ではないですが、アサヒさんならベストを尽くしてくれていると、この1年見てきて信じています。
ですので、どうか。
※私はどの会社やお店からもお金貰ってないですよ。念のため。
次はこの限定販売が終わったら、ウルケルに興味を持って頂いた方向けに、タップスターのいる所を中心に樽生ウルケルを飲めるお店やチェコ料理屋さんの紹介、実質リンク集になるでしょう。
勢い余ってうっかりチェコに旅したくなってしまった方向けに、チェコ旅行アドバイスなどを書きたいと思っています。そちらも是非よろしくお願い致します。
それではここはチェコ語の「乾杯」で〆ましょう。
ナズドラヴィ(Na zdraví!)🍻
※直訳で「健康に!」