福井県の杉本達治知事と石川県の谷本正憲知事の懇談会が11月6日、福井県永平寺町で開かれた。2023年春の北陸新幹線金沢―敦賀間開業に伴い、JRから経営分離される並行在来線(現JR北陸線)への対策を具体化させる部長級会議を設けることを申し合わせた。福井、石川両県間の相互乗り入れなど連携に向けた協議を加速させる。
並行在来線を巡って両県は、17年度に課長級レベルの連絡調整会議を設置し、相互乗り入れなどに向けた情報交換を行ってきた。
懇談で谷本知事は「より実態に沿った調整をやっていかないといけない」と連絡調整会議を格上げし、部長級会議の設置を提案した。これに対し、杉本知事は「両県を行き来する人が、もっと増えるようにできればいい」と応じた。
今後は部長級会議で、相互乗り入れの区間や、県境をまたいで乗車する際の初乗り運賃の割引の在り方など、連携策の具体化を進める。同会議の協議結果に基づき、両県などが20年度内に、それぞれの運営主体となる第三セクター会社の経営計画を策定することになる。
国に対しては、三セク開業後の運営経費に対する財政支援制度の創設を訴え、JRには鉄道資産の低廉な価格での譲渡などについて連携して要請していくことで一致した。
このほか北陸新幹線関係では、敦賀開業を見据えた広域観光誘客の促進や、新大阪までの早期全線開業に向けた国への要請活動に一層協力して取り組む方針も確認。繊維産業の外国人実習生充実策などについても、検討していくことにした。
両県知事の懇談会は今回で20回目で、4月に就任した杉本知事は初めて。