麻疹(はしか)に感染発症すると免疫システムが「リセット」されることが実証されたようです
ある病気に罹ると別の感染症にも罹りやすくなるという現象はすでに知られていたようですが最近麻疹においては医学的データで証明されたようです。
麻疹ウイルスがなぜ免疫をリセットするかを超簡単に説明すると、ウイルスの感染初期の標的が、マクロファージや樹状細胞、リンパ球などの免疫細胞であることで、初期の排除を免れて確実に感染するのですね。
さらに麻疹は空気感染します。
それにより、麻疹は世界一感染力の強い病気であるのですが、麻疹ウイルスに感染した免疫細胞は最終的にはキラーT細胞などにより破壊・排除されます。
このときこれまでにさらされた病原体に関する記憶メモリーB細胞も当然同様に破壊・排除され、免疫記憶を1割から7割半ほど破壊してしまうことで、はしかウイルスが体からこれまでにさらされた病原体に関する記憶を削除し、免疫システムのリセットを引き起こし、免疫力を乳幼児なみに脆弱化させる場合もあるようです。
ちなみに麻疹含有ワクチンを接種した場合ではこれらの免疫システムへの影響はみられなかったそうなので、一度しか摂取していない人はオリンピック前にワクチン接種をしたほうがいいかもしれません。
マクロファージの中で増殖する結核とのコンボが決まったら最悪ですし、麻疹も結核も空気感染するため世界的に今現在猛威を奮っているようですので。