【立命館大の学食/カロリーや栄養 種目に応じ献立】
スポーツ系クラブに所属する学生に頑丈な体を作ってもらおうと、立命館大学はカロリーや栄養のバランスに配慮した「アスリート食」を選手に提供している。
夕食だけでなく、抜きがちな朝食も提供して体調管理に気を配る。
草津市のびわこ・くさつキャンパスを拠点に活動する全国屈指の強豪、アメリカンフットボール部や女子陸上競技部の選手たちも恩恵を受けている。(安田琢典)
平日の午後9時。
立命館生活協同組合が運営するキャンパスの学食には、鍛え上げられた肉体の選手たちが集まってくる。
部員100人以上のアメフト部は、今年1月のライスボウルを制し、5年ぶり3度目の日本一に輝いた。
彼らには一般男性の2.5倍、1日あたり6千キロカロリーの摂取が課せられている。
相手と激しくぶつかり合うオフェンスラインを担う副将の浅野匡洋(まさひろ)さん(21)=4年=は、
身長181センチ、体重115キロの偉丈夫。ベンチプレスは145キロを持ち上げる。
夕食では大盛りご飯2杯を軽くたいらげる。
「入学時の体重は90キロで、ベンチプレスは100キロも上がらなかった。食事のおかげで成長できました」と感謝する。
入学したばかりの1年生にとって、食事は「修行の場」でもある。荒木裕一朗さん(18)は「体をもっと大きくしなきゃいけないのに、まだ1日に4千キロカロリーくらいしか食べられません。ご飯を残すと先輩にしかられます」と苦笑する。
アメフト部や陸上部のほか、男子バスケットボール部やカヌー部など計7部にアスリート食を提供する。
種目によって鍛え方が異なるため、栄養士の奥井智美さん(30)がそれぞれの特性に応じた献立を考え、睡眠や間食のあり方もアドバイスしている。
例えば、陸上競技の長距離走の選手にとって、脂肪分は大敵。
揚げ物を控え、納豆などの植物性たんぱく質に富んだメニューを心がける。
一方、骨折している選手にはカルシウムを、靱帯や腱を痛めている選手にはコラーゲンを多めにとらせている。
かつてはファストフードや脂っこいメニューが多い外食で食事することが多かった選手たち。
食事面での配慮が功を奏し、各部とも成績を伸ばしているという。
生協の酒井克彦専務理事は「多い日では300人分近い食事を準備するのは大変だが、
選手が活躍してくれると苦労も吹っ飛びます」と話す。 |