ボクシングのワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級決勝をメインとしたダブル世界戦の前日計量が6日、東京都内で行われ出場4選手がすべて1回でクリアした。WBSS決勝で対戦するIBF、WBA同級王者・井上尚弥(26)=大橋=はリミットちょうどの53・5キロ、WBA同級スーパー王者で世界5階級制覇のノニト・ドネア(36)=フィリピン=は53・3キロ。
井上尚と並んでのインタビューで司会者から挑発的な質問がドネアに飛んだ。
「ブックメーカーのオッズでは、井上尚弥が圧倒的有利です。つまり、アンダードッグというわけだが、どう思う?」
英最大手のブックメーカーのオッズでは6日時点で井上尚が1・14倍、ドネアが5・5倍。5階級制覇のレジェンドも今が旬の井上尚が相手ではかませ犬同然? そんな嫌みな質問に顔色一つ変えずに平然と答えた。
「オッズは人が決めたことだから、気にしていないよ。ボクは自分のキャリアでアンダードッグだったことは何回もあるし、慣れてるよ」
打倒尚弥のとびきりの秘策でもあるのかと聞かれると、ドネアは首を振った。「ノー・シークレット・プラン。特別な戦略はない。あるのは、経験とリング上の適応能力だよ」。そう言うと、自信ありげにニヤリと笑った。