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ビートルズ「アビイ・ロード」ゴールデン・スランバーの元ネタは4世紀前の子守唄

 

 

ビートルズ画像

https://i.fileweb.jp/hiromberry/info/detail/25516

Golden Slumber~Carry That Weight~The End

1969年7〜8月収録

 

 Contents

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2種類のメドレー 

 

アルバム『アビイ・ロード』のB面には2種類のメドレーが収録されている。

 

ひとつめは彼ら自身が「The Long One」と呼んでいた分で、「You Never Give Me Your Money」から「SHe Came In Through The Bathroom Window」までの5曲である。

 

ふたつめは「Golden Slumbers」「Carry That Weight」「The End」の3曲だ。

そして「The End」の後に「Her Majesty」でアルバムは閉じる。

 

「Golden Slumber」(邦題:ゴールデン・スランバー)は一箇所だけポール・マッカートニーが激しくシャウトするが、全体としては優しく穏やかで美しい、メロディアスな曲である。

それもそのはずで、元々は子守唄に即発されて作られたからなのだ。

 

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『Golden Slumbers』の元ネタ

 

実はこの曲は元ネタがあると、ポール自身が発言している。

 

なんと400年近く前に作られた子守唄なのだ。シェイクスピアと同じ時代に生きたトーマス・デッガーという英国の作家の喜劇『ペイシェント・グリッシル』の中で歌われた『Golden Slumbers Kiss Your Eyes』という子守唄なのだ。

 

次のような歌詞であり、たしかに『Golden Slimbers』とほぼ同じだ。

 

Golden slumbers kiss your eyes

Smiles awake you when you rise

Sleep, pretty wontons, do not cry

And I will sing a lulaby

Rock them, rock them, lulaby

Cares is heavy, therefore, sleep you

You are care, and care must keep you

Sleep, pretty wontons, do not cry

 

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義妹ルースのピアノ

 

ポール・マッカートニーの母親であるメアリーは乳癌で亡くなった。メアリーは『Let  It Be』の歌詞に出てくる「mother Mary」である。

ポールの父親は後に再婚をしていたが、その妻には連れ子がいた。ポールの義理の妹ルースである。

 

ある時、ポールが故郷リバプールの実家に戻った折に、ルースの部屋のピアノに置いてあった楽譜が『Golden Slumbers Kiss Your Eyes』だった。

 

ポールはその優しい詞がすこぶる気に入ったのだ。そして自分流に歌詞を付け足し、一部変え、そしてまったく違うメロディをつけたのだ。

 

 元の曲はこれだ。

 

 

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ポールが詞に込めた意味

 

ポールは元の曲にはないイメージを曲の冒頭に付け足した。

Once there was a way to get back homeward

Once  was a way to get back home

 

何を伝えたかったか、真意は本人しかわからないが、ポールの『ゴールデン・スランバー』の詞を筆者なりに意訳してみた。

 

かつては戻るべき家路があり

帰るべき家があったのさ

 

さあ、いい子だからお眠りなさい

泣いてはいけないよ

子守唄を歌ってあげるからね

 

極上のまどろみが君のまなこを満たし

たっぷりの笑みによって目覚めるのさ

 

いい子だから泣かないで眠りなさい

子守唄を歌ってあげるから

 

いかようにも意味が汲み取れる。

ポール自身に対してなのか、メンバーに対してなのか、ビートルズを支えてきた人たちに対してなのか、ビートルズを愛した人たちに対してなのか・・・

 

聴く人によって解釈ができる深みを持たせた歌だと言えるだろう。

 

 

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  • MASA (id:Gutman)

    イチイチさん、おおきにです!

    天才ポールの面目躍如ですね^ ^b

  • イチイチ (id:Katen11)

    元曲も素晴らしい曲ですね。これに触発されて、さらに自分のものにしていくポールの才能!MASAさんの記事で裏話が分かると、今まで聴いてきた音楽により深みが感じられます!