Golden Slumber~Carry That Weight~The End
1969年7〜8月収録
Contents
Sponsored Link Advertising
2種類のメドレー
アルバム『アビイ・ロード』のB面には2種類のメドレーが収録されている。
ひとつめは彼ら自身が「The Long One」と呼んでいた分で、「You Never Give Me Your Money」から「SHe Came In Through The Bathroom Window」までの5曲である。
ふたつめは「Golden Slumbers」「Carry That Weight」「The End」の3曲だ。
そして「The End」の後に「Her Majesty」でアルバムは閉じる。
「Golden Slumber」(邦題:ゴールデン・スランバー)は一箇所だけポール・マッカートニーが激しくシャウトするが、全体としては優しく穏やかで美しい、メロディアスな曲である。
それもそのはずで、元々は子守唄に即発されて作られたからなのだ。
※関連コラム
Sponsored Link Advertising
『Golden Slumbers』の元ネタ
実はこの曲は元ネタがあると、ポール自身が発言している。
なんと400年近く前に作られた子守唄なのだ。シェイクスピアと同じ時代に生きたトーマス・デッガーという英国の作家の喜劇『ペイシェント・グリッシル』の中で歌われた『Golden Slumbers Kiss Your Eyes』という子守唄なのだ。
次のような歌詞であり、たしかに『Golden Slimbers』とほぼ同じだ。
Golden slumbers kiss your eyes
Smiles awake you when you rise
Sleep, pretty wontons, do not cry
And I will sing a lulaby
Rock them, rock them, lulaby
Cares is heavy, therefore, sleep you
You are care, and care must keep you
Sleep, pretty wontons, do not cry
※関連コラム
Sponsored Link Advertising
義妹ルースのピアノ
ポール・マッカートニーの母親であるメアリーは乳癌で亡くなった。メアリーは『Let It Be』の歌詞に出てくる「mother Mary」である。
ポールの父親は後に再婚をしていたが、その妻には連れ子がいた。ポールの義理の妹ルースである。
ある時、ポールが故郷リバプールの実家に戻った折に、ルースの部屋のピアノに置いてあった楽譜が『Golden Slumbers Kiss Your Eyes』だった。
ポールはその優しい詞がすこぶる気に入ったのだ。そして自分流に歌詞を付け足し、一部変え、そしてまったく違うメロディをつけたのだ。
元の曲はこれだ。
※関連コラム
Sponsored Link Advertising
ポールが詞に込めた意味
ポールは元の曲にはないイメージを曲の冒頭に付け足した。
Once there was a way to get back homeward
Once was a way to get back home
何を伝えたかったか、真意は本人しかわからないが、ポールの『ゴールデン・スランバー』の詞を筆者なりに意訳してみた。
かつては戻るべき家路があり
帰るべき家があったのさ
さあ、いい子だからお眠りなさい
泣いてはいけないよ
子守唄を歌ってあげるからね
極上のまどろみが君のまなこを満たし
たっぷりの笑みによって目覚めるのさ
いい子だから泣かないで眠りなさい
子守唄を歌ってあげるから
いかようにも意味が汲み取れる。
ポール自身に対してなのか、メンバーに対してなのか、ビートルズを支えてきた人たちに対してなのか、ビートルズを愛した人たちに対してなのか・・・
聴く人によって解釈ができる深みを持たせた歌だと言えるだろう。
※ビートルズ・カテゴリーのコラム一覧
筆者のビートルズ秘話集Kindke本『Read The Beatles』も大好評絶賛発売中!
読み放題にも対応、登録すれば1ヶ月は無料体験可能♩(1ヶ月手前で辞めるのもアリ)