ゼロックスがHPに買収提案 米報道、3兆円規模

エレクトロニクス
北米
2019/11/7 1:10 (2019/11/7 6:29更新)

HP本社(米カリフォルニア州パロアルト市)

HP本社(米カリフォルニア州パロアルト市)

【ニューヨーク=中山修志】米ウォール・ストリート・ジャーナルは6日、米事務機器大手ゼロックスが米パソコン・プリンター大手HPに買収を提案したと報じた。ゼロックスは5日に富士フイルムホールディングとの合弁事業の解消を発表。富士ゼロックスの株式売却で得る資金をM&A(合併・買収)に充てる考えを示していた。買収額は3兆円規模になる可能性がある。

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5日の株価終値に基づくHPの時価総額は約270億ドル(約2兆9000億円)で、ゼロックスの時価総額約80億ドルを上回る。同紙によると、ゼロックスは現金と株式交換の組み合わせにより、HPの時価総額を上回る金額での買収を検討している。富士ゼロックス株の売却によって富士フイルムから得る約23億ドル(約2500億円)の資金に加え、金融機関からも借り入れの承認を取り付けたという。

ゼロックスは世界的なペーパレス化の流れから事務機器の販売が低迷し、2018年12月期の売上高は前年同期比4%減の98億ドルにとどまった。一方、HPはノートパソコンなどの販売が好調で、18年10月期の売上高は同12%増の585億ドルとゼロックスの5倍以上の規模だ。

買収の実現には両社の株主の賛同が必要になる。ゼロックス株の10%超を保有し、富士フイルムによる買収に反対した著名投資家のカール・アイカーン氏の意向も影響しそうだ。ゼロックスによる買収の可能性が伝わり、6日の米株式市場でHPの株価は前日比6%高で取引を終えた。ゼロックス株も4%高と買われた。

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