NEWS / HEADLINE - 2019.11.6

「傷を負ったのは日本」。会田誠ら参加のグループ展で日本大使館が公認を撤回

オーストリア・ウィーンで開催中の展覧会「JAPAN UNLIMITED」について、在オーストリア日本大使館が11月5日までに公認を取り消した。展示されていた、安倍晋三首相や昭和天皇、東京電力福島第一原発などを扱った作品が問題視されたとみられる。

 

「JAPAN UNLIMITED」の展覧会ページ

 オーストリア・ウィーンにある、美術館や博物館の集合体「ミュージアム・クォーター」で開催されている展覧会「JAPAN UNLIMITED」 。日本とオーストリアの国交150年の記念事業として開かれていた本展の公認を、在オーストリア日本大使館が5日までに取り消した。毎日新聞などが伝えた。

 「JAPAN UNLIMITED」は、ウィーン在住のイタリア人キュレーター、マルチェロ・ファラベゴリがキュレーションを担当。展覧会は、社会批判的な作品で美術の限界に立ち向かうアーティストを紹介しながら、現代美術の役割を検証しており、会田誠やChim↑Pomをはじめとするアーティストが参加している。

 本展に出展されていた作品のなかには、会田が総理大臣に扮した映像作品《The video of a man calling himself Japan’s Prime Minister making a speech at an international assembly》(2014)をはじめ、昭和天皇、東京電力福島第一原発などを扱った作品があり、これを問題視したと思われる日本大使館は、11月5日までに公認を取り消した。

 本件について参加アーティストのひとりである会田誠は、Twitterで以下のようにコメント。大使館による公認撤回が、ヨーロッパのマスコミを通じて拡散されることの意味を問いかけた。

 なお、公認取り消し後も、公式の公認ロゴが使用できなくなるのみで、展覧会は継続されている。

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NEWS / HEADLINE - 2019.11.7

アーティゾン美術館が日時指定予約制を導入。チケットの予約販売も開始

2020年1月18日に開館する東京・京橋のアーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)が、開館記念展「見えてくる光景 コレクションの現在地」より導入される日時指定予約制の詳細を発表。11月1日からチケットの予約販売も開始した。

 

アーティゾン美術館外観

 今年7月に旧ブリヂストン美術館から館名を変更、大規模なリニューアル工事を経て、2020年1月18日に開館するアーティゾン美術館。以前から導入が告知されていた日時指定予約制の詳細が明らかになった。

 この日時指定予約制は、同館ウェブサイトから希望する日時を事前予約して来館するというシステム。指定した時間内であればいつでも入館でき、その後は閉館まで時間制限なく鑑賞できる。これまでの展覧会では、チケット購入や入館待ちのために並んだり、館内でも混雑のために充分に鑑賞することができないという場面がしばしば見られたが、事前に鑑賞日時を指定することでより快適な鑑賞が可能になる。

 また、同館ではウェブ特別料金も用意。開館記念展「見えてくる光景 コレクションの現在地」の場合、当日チケット1500円に対しウェブ予約チケットは1100円と、事前予約をすることでチケット料金が安くなる。さらに学生料金については、従来の中学生以下無料から、大学生以下無料へと変更され、学生も気軽に足を運べる価格設定となった。(ただし入館時間の予約が必要)

 予約せずに来館した場合は、ウェブ予約チケットが完売していない場合のみ美術館窓口にて当日チケットが購入可能。国内ではまだ実例の少ない美術館の日時指定予約制だが、普及すれば鑑賞環境の大幅な改善が期待できそうだ。