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 近畿大学の学生が2017年12月、テニスサークルの飲み会で飲酒後に急死した事故で、大阪区検は5日、保護責任者遺棄致死容疑で書類送検された当時の同大生ら計12人のうち9人を過失致死罪で略式起訴した。地検が発表した。学生の飲酒死亡事故で関係者が起訴されるのは異例。

 起訴内容などによると、17年12月11日夜に大阪府東大阪市居酒屋であった飲み会で、学生4人は近大経済学部2年の登森勇斗(ともりはやと)さん(当時20)の一気飲みを止めずに多量に飲酒させ、呼びかけに反応できない状態に陥らせた。介抱役の5人はその後に登森さんの体温が低下し、自力歩行できない状態と認識していた。しかし、9人は119番通報などの措置をとらず、翌12日に登森さんを急性アルコール中毒による蘇生後脳症で死亡させたとされる。

 府警の書類送検を受けて捜査した区検は、9人が登森さんの死亡の危険を認識しながら故意に放置したとまではいえないと判断。保護責任者遺棄致死罪の適用を見送り、法定刑がより軽い過失致死罪で起訴した。地検などによると、書類送検されていた他の3人は不起訴処分(嫌疑不十分)にしたという。

 書類送検時の府警の発表によると、登森さんはショットグラス約20杯分のウォッカをビールグラスに入れて一気飲みするなどした後、呼びかけに応じなくなった。飲み会後に「介抱役」の2年生8人が上級生に救急搬送するか相談したが、発覚を恐れて救急車を呼ばなかったという。(多鹿ちなみ、細見卓司)

■死亡学生の父「危険飲酒の断絶…

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