こんにちは、株式会社アサイン取締役、奥井亮です。
今回は、SIerからのキャリアアップや転職先について詳しく解説をしていきたいと思います。
ビジネスとデジタルが融合し一体化している昨今では、SIer出身の人材、SEは転職市場でも非常に需要が高まっています。しかし、不用意な転職は、結局やることが変わらなかったり、やりたいことに注力できない環境だったりとリスクをはらんでいます。
そのため、正しくSE・SIerの転職市場を把握をしたうえで、転職活動を進める必要があります。
一般に出回っていない情報も沢山お伝えするので、是非参考にしてください。
SIerからの転職先を探す前に確認するべき4つの事項
自分のSIer業界における立ち位置を把握しているか?
SE(システムエンジニア)といっても、その業務分野によって、また所属している会社が業界の中でどのような立ち位置なのかによって、取りうる選択肢は大きく変わってきます。
まずは、業務分野、そして企業のポジションの2つの切り口で、自分のSIer業界における立ち位置を把握することが、転職先を探す前にまずやることです。
まずは、自分の業務分野を確認してみてください。
図のように、大きくアプリエンジニアとインフラエンジニアに分かれます。その中で、どの工程の経験があるのかを確認しましょう。
特に、上流SIerやコンサルティングファームへの転職には、プロジェクトマネジメント経験があると有利です。
次に業界の中での位置づけも確認しておきましょう。
上に行けば行くほど、案件も上流のものが多くなっていきます。
ここで重要なのは、ピラミッドにおいて、基本的には同じ段か、ひとつ上の段への転職になる(段を飛ばしての転職は難しい)ということです。例えば、プライムベンダーからは、IT系/総合系コンサルティングファームが狙いやすいですが、サブプライムベンダーからは中々難しいです。サブプライムベンダーからコンサルにいくには、まずはプライムベンダーへ転職し、上流ITの経験を積んだのちに、再度転職で狙うのがいいでしょう。
ちなみに、サブプライムベンダーとは私の造語ですが、おおよそ業界6位~30位くらいまでの企業と考えていただければ結構です。
SIerからのキャリアアップのパターンをイメージできているか?
SIerの経験を活かしたキャリアアップを見据えた転職先は、大きく3パターンがあります。このどれを選ぶかによって、その後に歩むキャリアは大きく変わってきます。
以下に簡単にまとめましたのでご覧ください。
それぞれについては、後程詳しくご紹介しますね。
SIerから転職をするべきか? -SIerならではの3つの悩み-
SIerからの転職の場合も、一般的な転職の理由として挙げられる、労働に対する年収の低さや、裁量権に対する不満といった理由はもちろんあります。
しかしそれ以上に相談が多いのが、以下のようなSIerならではの転職理由です。
- ソリューションドリブンに嫌気がさした
-同じソリューションばかり扱うため、技術を広げられない
-クライアントのために働くことは好きだが、もっと課題ドリブンで仕事がしたい - 昇進しても業務内容があまり変わらない
- ビジネスや事業にもっと関わりたい
それぞれについて、もう少し詳細に説明します。
まず、1.について、ソリューションドリブンというのは、ソリューション中心で仕事をすすめる、という意味です。
企業がSIerに仕事を頼むときには以下のような流れが一般的です。
- クライアントのCIOかコンサルタントがシステム導入を検討し、RFPを作成
- SIerがソリューションを売り込む、場合によってはコンペ
- 特定のSIerが案件を獲得。SIer自身で導入するか、別SIerに下請け
もちろん、”企業の課題を見つけて提案”というパターンもありますが、その場合もソリューションありきでの提案ですので、ソリューションドリブンであることに変わりはありません。
次に2.について説明します。これも、ソリューションドリブンが大きく影響しています。
まず、下請けSIerの場合には、昇進をしても現場でプログラマーとして手を動かし続けることが珍しくありません。
また、上流SIerであっても、IT戦略や業務要件定義から関われるチャンスは珍しく、昇進しても仕事内容はPM(プロジェクトマネージャー)に留まることがほとんどです。つまり、上流SIerであってもIT最上流に関われることは稀で、昇進しても同じような仕事を繰り返していくことになります。
最後に3.については、入社前と入社後のギャップによるところが大きいと私は考えます。
つまり、入社前には、“テクノロジーを使って面白いことができる!”と説明され、本人もそう思っていたのに、実際に入社するとERPの導入やCRMのリプレイス案件ばかりで、全然面白さを感じられない、というパターンです。
上に挙げた理由はどれもよく相談を受ける内容です。また、SIerに居続けても解決できない場合がほとんどですので、相談者を受けた際には、転職によるキャリアアップを強く勧めています。
SIerからの転職タイミングは適切か? -30歳前後が適切-
SIerから転職するタイミングとしては、およそ5年目と10年目が一つ目安です。
私が支援する方も、一番多い年齢層が30代前半、次いで20代後半です。
5年目は、1つの技術が習熟する時期です。つまり、導入~テストまでを一通り経験し、ITに対する理解も深い人材として、市場価値が高まった状態です。
例えばコンサル業界への転職でしたら、アソシエイトやコンサルタントの職位での転職が可能です。誤解がないようにお伝えしますが、技術者としての価値が高い=転職先でも必ず技術者、というわけではありません。もちろん、IT上流やビジネスサイドへのキャリアアップも視野に入ります。
10年目は、PMとしてプロジェクト管理をいくつか経験している時期です。PM経験は転職において非常に有利です。例えばコンサル業界への転職でしたら、シニアコンサルタントも狙えるでしょう。
SIerからの転職先として挙げられる業界・企業
さて、もう一度、SIerからのキャリアパターンを見てみましょう。それぞれについて、もう少し詳しく説明します。
上流SIerへの転職
一つは、同業他社であるSIerへの転職です。サブプライムベンダー以下への転職では、なかなかキャリアアップを達成することは難しいので、ここでは上流SIer、つまりプライムベンダーへの転職について解説します。
結論から言うと、上の「SIerから転職をするべきか? -SIerならではの3つの悩み-」で挙げた転職理由のどれかにあてはまるのであれば、原則おすすめしません。
上流SIerに転職したからといって、それらの問題は解決されないためです。繰り返しになりますが、上流SIerに転職したからといって、IT最上流であるシステム企画に関わることは殆どありません。転職したとしても同じ理由で転職したいと思うようになるでしょう。
あくまで、クライアントワークが好き、かつ現場の技術者としてキャリアを積みたい場合に選ぶ転職先でしょう。
■上流SIerの転職先例
- 富士通
- 日本IBM
- NTTデータ
- 日立製作所 など
事業会社への転職
事業会社への転職をした場合、IT企業の場合にはプロダクトを改善していくプロダクトディレクター(プロダクトマネージャー)という役職や、外注先のIT企業との調整役をするプロジェクトマネージャーという役職などがあります。
また、IT企業でない場合には、社内システムを保守運用する社内SEが主な職種になります。
■事業会社の転職先例
- DeNA
- リクルートテクノロジーズ
- 楽天
- ヤフー など
コンサルティングファームへの転職
既にプライムベンダーにいながら、更にキャリアアップをしたい、という場合にはコンサルティングファームが有力な選択肢になると思います。いわゆるITコンサルタントになる、という道です。
一口にITコンサルタントといっても、SIerからのキャリアパスとしては、特定の分野に精通したITのスペシャリストであるエキスパートへの道、上流SIerのさらに上流を扱うIT最上流への道、そして、最先端技術を用いたビジネス開発や改善を担うデジタルへの道の3つがあります。
簡単に以下にまとめておきます。
■コンサルティングファームの転職先例
- BCG
- Deloitte
- PwC
- アクセンチュア
- ベイカレント・コンサルティング
- EY
- KPMG
起業・フリーランスへの道
最近では、起業やフリーランスという道も拓けてきましたので、それについても簡単に説明します。
まず、起業やフリーランスでまず大切なのは、生計が立てられるか(稼げるか)であることは言うまでもありません。
典型的な失敗パターンは、単発の開発を請け続けるスタイルです。この場合、いま請けている開発が終われば仕事がなくなるため、開発をしながらも次の案件獲得に動かなければいけません。気が付いたら、自転車操業になっていることもよくあります。
その一方で、成功パターンとしては、継続的な仕事を受注する、つまり保守運用まで受注し、ストック型の収益基盤を作るスタイルです。この場合には、保守運用で安定した収益を得られますし、トラブルがない限り自分で労働量をコントロールしやすいでしょう。ただし、保守運用だけの仕事は少なく、要件定義などの上流から受注し、開発、運用まで一貫して請ける必要がありますので、幅広い知識・経験が必要ですので、その点は注意してください。
ネット上にも詳しい情報が沢山ありますので、ご興味のある方は調べてみるといいと思います。
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