スッキリ解決!英語&文化のコミュニケーション・セミナー
例の豊田章男社長の米国での2月5日の会見内容を見てみましょう。今までどうしてもニュース画像や解説でしかわからなかった具体的な会見内容がようやくわかりました。(*^▽^*)


豊田章男社長の話は、以下のようなものでした(豊田社長が話した原文のまま掲載しています)。

People who drive Toyota, who cares about Toyota, I'm a little bit worried about their... while they are driving, they feel a little bit cautious. But, believe me. Toyota's car is safety, ah, and but we're try to increase our products better. So, our this, this kind of procedure is good for the customers. So please believe me, we always customer first is first priority. And I'm trying to, trying to do this work, as soon as possible and with cooperation of our employee and our supplier and the dealers.

まず、皆さん、どう感じましたかはてなマーク


相当ヒドイ英語だということがわかります。何をいいたいのかわからない文です。increase our product betterだなんて、believe me,もこういう使い方は無いでしょう。 toyota car is safety でなくsafeでしょう。相当ヒドイといいましたが、ほとんど英語になっていません。


社長のコメントに対してニューヨークタイムズ紙は、この謝罪会見を「Toyota chief Toyoda apologises for defects」として取り上げ、豊田社長のコメントに対して「He added in broken English」と表現しました。公式会見でbroken Englishと書かれるのは極めて異例なことでしょうが、確かに、そうとしかいいようがありません。


しかし、事は英語の問題だけでしょうかはてなマーク


つまり要するにここで豊田社長のいいたいことは、おそらく、「私たちはがんばっている、だから信じてほしい」ということです。trust me です。 でもこれでは何の説明にもなっていません。説明が求められているのに、説明が無いのです。これが決定的な問題点です。


この表現は、多分に情緒的な言葉を連ねているだけです。説明がないのです。ロジカルな。つまり、なぜこの事故が起きたのか、根本的な原因(人材育成が追いつかなかったという説明をされているようですが、そのこととこの事故との因果関係を説明していません。)


今回のリコールの根本的な原因を明確にし、さらに具体的な対策と、その実施期間を明確にしなければ、Accountability(説明責任)が果たされているとは言えないのです。


説明責任とは、ロジックを明確にして、原因結果を述べること、そして率直にどこが悪かったので、これからこうする、と言えばいいのです。


しかも、この後でディーラーさんたち味方のいる会場でのこの泣き顔。泣


これは、非常に弱い性格をされけ出しています。だれもこのことを言っていませんが。


外国でのリーダー像からは、日本を代表する大企業しかもグローバル企業のトップにもかかわらず、こういう弱弱しさがメッセージとして伝わってしまったということです。戦い終わって泣くならまだしもこれから戦う人がこういう顔を見せるとは。


しかも声のトーンも上ずっていました。イントネーションが何よりも大事な英語国民の前で、声の調子をコントロールできないトップなんて。


それに質問への冒頭陳述も、原稿棒読みで、目線を上げることなく、アイコンタクトもない。これは企業でプレゼン指南している立場からしても、情けなくなる事態でして・・・


大勢のお付きのものを従えてアメリカにやってきて、原稿を読み上げて、さっさと帰っていく、これでは、従来からの駄目日本経営者と同じになってしまっているのでは・・・とホント残念。というより、レンツ社長はじめ、米国人トヨタパーソンはなぜもっとトップを支援できなかったのでしょうか。それともわざと距離をとって支援していないのか。


米国人トヨタパーソンが、もっとサーバントリーダーシップ!!を発揮していてくれたなら・・・と残念です。


そして、これを見た米国人が「やはり日本は特殊だ!」と思ったり、「それ見たことか、やはり米国流が正しい」とか「日本を代表するグローバル企業トップがこの程度なら、怖れることはない」とライバル企業に見られてしまう reputation riskを引き起こしてしまったこと、それが最大の問題点のような気がしました。


さて、もうひとつ、疑問点です。


この謝罪会見について、トヨタ社内では(豊田章男社長)は、反省会あるいはレビュー会議をやったのでしょうか。まさか、やりっぱなし、なんてことはないでしょうね。こういう会議やプレゼンでは終了後に必ず、レビューやフォローアップはするものですが。そうであれば、今後がたいへん期待できます。(レンツ社長たち米国人トヨタパーソンもそのレビュー会議に入って率直な意見をいわなくてはなりません。)別に挽回不能というわけではないからです。うまくやれば、これを「学習」にして、かなり良くなると思います。


ぜひ、どこが問題だったのかをレビューしていただき、今後の改善策(技術的なという意味だけでなく、こうしたコーポレートパブリシティの課題、異文化コミュニケーションの在り方を含めて)を練っていただき、再び栄光の極みに上ってほしいです。


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