富士フイルム「ゼロックス断念」でも満足のわけ

「富士ゼロックス」子会社化後の成長戦略

11月5日、都内で会見した富士フイルムの古森重隆会長(左端、撮影:尾形文繁)

会見に臨んだ古森重隆会長の表情は、長期間の交渉が一段落して肩の荷を下ろしたように見えた。

富士フイルムホールディングスは11月5日、アメリカの事務機大手ゼロックスの買収を断念すると発表した。2018年1月にゼロックス買収を発表したものの、ゼロックスの株主による反発などで買収が難航。1年半以上続いた膠着状態にようやく終止符が打たれた。

富士ゼロックスに吹くペーパーレスの逆風

ゼロックスの買収を断念する代わりに、富士フイルムはゼロックスが保有する富士ゼロックス株25%を22億ドル(約2400億円)で買収し、現在保有している75%分と合わせて完全子会社化する。

古森会長は子会社化のメリットについて、「合弁会社の制約から解放され、経営の自由度が拡大する」と語った。

富士ゼロックスは、1962年に富士写真フイルム(現富士フイルム)とイギリスの現地法人であるランク・ゼロックス社との合弁によって設立され、2001年に現在のようにゼロックスが25%出資する富士フイルムの連結子会社となった。売上高1兆円を超え、オフィス向け複合機やプリンターなどを手がける富士ゼロックスは、富士フイルムにとって基軸の1つであるが、外資系企業のように独立した経営が続いてきた。

ただ、ペーパーレス化の逆風もあり、複合機など事務機は市場が縮小傾向にある。富士フイルムも、2020年3月期を最終年度とする中期経営計画の中で「ドキュメント(事務機)事業の抜本的強化」を掲げ、富士ゼロックスの構造改革を断行している。ドキュメント事業の売上高は2017年3月期から2019年3月期にかけて約1500億円減少しているが、営業利益率は7.5%から9.5%に改善している。

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  • 溝澗正載60b42a2249e4
    ゼロックス株を高値で買うことなく、カール・アイカーンと縁を切れたのは正解ではないか。
    up12
    down1
    2019/11/6 11:28
  • 今日のご飯はf81b0319ab5a
    この記事の記者会見の写真を見ると今後が心配になるは私だけでしょうか。
    up8
    down1
    2019/11/6 10:16
  • 陽子江6851899772ac
    コメントできないように設定された。
    記事よりハイレベルな内容を書いてはいけないようだ。
    up1
    down1
    2019/11/6 13:32
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