世界一の歓楽街「新宿」に突如現れる秘境 玉川上水「余水吐」とは何か?
2019年11月4日
知る!TOKYO緑に覆われた大都会・新宿近くの秘境「玉川上水余水吐」について、都市探検家の黒沢永紀さんが解説します。
四谷大木戸と内藤新宿
世界一の歓楽街・新宿。その東の外れにおよそ新宿とは思えない、うっそうと茂る木々に囲まれた秘境が眠っています。水量の多かった玉川上水が、四谷大木戸から地下水道へ入る前に、余った水を落水していた「余水吐(よすいばき)」の跡。今回は、ちょっと変わった名前の水路を探索します。
余水吐のスタート地点である四谷大木戸は、現在の四谷四丁目の交差点付近。江戸開幕後ほどなくして開設された見附(検問所)があった場所で、道の両側に石垣を築いて門を設置し、甲州街道から江戸市中へ入る人馬や物品を改めていました。
その後江戸の中期になって、四谷大木戸から追分(おいわけ、現・新宿3丁目交差点付近)にかけて造られた宿場町が内藤新宿です。宿場には多くの旅籠茶屋が並び、特に飯盛女(めしもりおんな = 遊女)を大勢抱える岡場所(おかばしょ)として栄えたことは、現在の新宿のルーツといえるでしょう。
内藤新宿の名は、のちに触れる内藤家の下屋敷(現・新宿御苑)があった場所だったこと、そしてそれまで小規模な人馬の休憩所にすぎなかった内藤宿に対し、新しい本格的な宿場という意味あいで命名されたといわれています。
- 「隠れ家」という価値観を広めた世田谷区「三宿」 芸能人御用達も、繁栄は一瞬だった知る!TOKYO2019年11月03日
- えっ、今さら? ブームから早10年 「卵かけご飯イベント」に老若男女が押し寄せたワケ知る!TOKYO2019年11月06日
- 渋谷ハロウィーンに飽き飽きしたあなたへ……「板橋ハロウィーン」は、ひと味違うぞ!!! 人情とぬくもり通う街のドタバタ・ハロウィーン【東京商店街リサーチ・番外編】知る!TOKYO2019年10月31日
- 同性愛者じゃなくても楽しめる「新宿2丁目」入門、初心者はまず「MIXバー」に行こう知る!TOKYO2019年07月28日
- 都市化で消滅した田畑と雑木林――生誕110周年・松本清張が描いた追憶の武蔵野台地知る!TOKYO2019年11月04日
- 進む郊外化で揺らぐ商店街の価値、生き残りの「最大のヒント」とは?知る!TOKYO2019年07月21日
- 【ベストヒット23区】シャネルズ『ランナウェイ』 大森と羽田で生まれた「2人の鈴木」って誰? 大田区知る!TOKYO2019年11月04日
- ダサくて、消滅しそうな池袋が「住みたい街」にすっかり変貌したワケ知る!TOKYO2019年06月24日
- 安産・子育守り「すすきみみずく」を消滅から守る(前編)―最後の職人廃業後に奮闘する人々知る!TOKYO2018年09月23日
Recommended by
New Article
新着記事
Ranking
ランキング
- Weekly
- Monthly