日本サッカー協会は5日、国際親善試合のU-22コロンビア代表戦(17日・エディオンスタジアム広島)に臨むU-22日本代表メンバー22人を発表した。A代表を主戦場とするMF久保建英(18)=マジョルカ=とMF堂安律(21)=PSV、MF板倉滉(22)=フローニンゲン=の3人が選ばれた。東京五輪本大会で屋台骨を担うA代表組と現有戦力が初めて融合する機会となる。FC東京のDF渡辺剛(22)も10月シリーズに続いて選ばれた。
五輪本大会まで9カ月を切り、森保監督がついに舵(かじ)を切った。W杯アジア2次予選を戦うA代表から久保、堂安、板倉の3人を切り離すことを決断。東京五輪で金メダルを狙う「現時点のベストメンバー」(森保監督)として、11月シリーズはU-22代表に専念させることを決めた。
2017年10月に森保監督が五輪代表監督に就任後、堂安がこの世代で活動するのは初めて。久保は今年3月のU-23アジア選手権以来、実に8カ月ぶりとなる。A代表組と現有戦力の融合は初めてとあって、森保監督は「東京五輪に向けて最善の準備をする。国内初試合で、そのお披露目をする機会だと思っている」と語った。五輪代表の活動は選手を招集する拘束力がないため、所属クラブとの個別交渉で念願の最強陣容が実現した。
A代表はアジア2次予選・キルギス戦(14日・ビシケク)、国際親善試合・ベネズエラ戦(19日・吹田)を控えているが、久保らが不在でも「チーム力が落ちるとは思っていない」と指揮官。A代表で個の成長を促しながら、機を見て五輪チームの強化を図る。兼任監督にしかできない“芸当”と言える。
「広島の地で平和をかみ締めて、笑顔になっていただけるようベストを尽くす」と森保監督。久保らの参戦に伴うチーム内融合と競争激化。その先に念願の金メダルが待っている。 (松岡祐司)