え、ペットに失礼じゃない!?
愛犬が他の犬種だったら良いな、と思ったことはありませんか? 私はありません。
でも、Nvidiaの中の人はそう思ったのかも。そこで、愛犬の表情やポーズを他の犬種や動物に変換できるツール「GANimals」を開発したようです。えー、こんな機能、必要だったの?
今年初めにNvidiaは、Nvidia AI Researchプロジェクトのひとつとして、落書きから写真のようにリアルな画像を自動生成する「GauGAN」というツールをリリースして世間をあっと言わせました。GauGANは、何百万という画像をディープラーニングしたAIが、学んだ景色から質感や反射や色合いなどを再現しています。
今回のGANimalsは完全に自律的で、ペットの写真をアップロードするだけで、その表情やポーズが別の犬種で再現されたフォトリアリスティックな画像が次々と生成されることになっています。
先週、韓国のソウルで開催されたInternational Conference on Computer Visionで発表された論文によると、研究者らはFUNIT(Few-shot, UNsupervised Image-to-image Translation)というアルゴリズムについて説明しています。それによると、AIを使ってソースイメージの特性をターゲットのイメージに変換する場合、通常なら、ソースとターゲットが違和感なく交わるようにするために、時間をかけて膨大な数のイメージを訓練する必要があります。それに、やれることも限られています。
一方、FUNITのアルゴリズムなら、ターゲットの動物のわずかな画像を繰り返し訓練することで、最終的にソースとターゲットを統合するのに必要なトランスレーションを引き出すことができるそうです。十分に訓練されると、アルゴリズムが必要とする情報は、ソースとターゲットの画像1枚でよくなるとのこと。しかも、それらの画像が過去に処理または分析されている必要はありません。
つまり、このGANimalsは、「ワンちゃんが流行りの犬種だったらいいのに」というペットに対して超失礼なオーナーの気持ちを満たすために誕生したツールではなく、最新のアルゴリズムを開発する上で行き着いたツールなんです。ふぅ、このツールの存在を知った時、条件反射的に「ペットに失礼!」と思ってしまいましたよ。
ちなみに、このGANimalsはNvidiaのAI Playgroundで試すことができますよ。しかし結果はかなり低解像度なので、目新しい以外に得るものはないかも。
最終的に、AIとアルゴリズムの能力を向上させ、近い将来、巨大なデーターベースを必要とせずに、顔の入れ替えができるようにしたいと考えているらしいので、興味がある人は触ってみるといいかもしれませんね。