一方、同じようなキャッシュレス決済の大手、微信(WeChat:ウィーチャット)は、今年3月に中国国内の銀行口座を持っていなければ使えなくなってしまいました。つまり、中国国内の口座がない外国人が中国でのキャッシュレス決済サービスを利用するにはAlipayしかない状況です。
ですが、AliPayの機能をフルに使うとなると中国国内の銀行口座や中国内で発行されたクレジットカードが必須になります。なので、大半の外国人は自分のアカウントにお金をチャージするのに、他の人からお金を転送してもらうしか方法がありませんでした。
そんな状況の中、Alipayは突然、外国からの中国旅行者向け決済サービスとして「Tour Pass」を開始。これはAlipayの中にあるミニプログラムの形で提供されており、基本的な仕組みはAlipayそのままです。Tour Passの特徴は、以下のとおりとなります。
- Alipayがフルアクティベートされていなくても、Tour Passミニプログラムだけで動作する
- 中国以外のクレジットカードやデビッドカードから直接チャージが可能
- チャージをしたお金の有効期限は90日。それ以後はチャージ元に返金される
- チャージをしたお金は他のアカウントに転送できない
- 中国内オンラインサービスの決済には制限あり(※)
- Tour Passのプリペイドサービスは上海銀行での扱いとなる
- 2019年12月31日までは、チャージに掛かる手数料は無料(有料になった際の金額は不明)
※11月5日23時訂正 初出時、中国内オンラインサービスの決済には使えないと記載しましたが、実際に試したところ全てではありませんがAliPayを正式にサポートしている淘宝(タオバオ)や、中国の通信キャリアの支払いなどのオンラインサービスにて、Tour Passでチャージした金額を使うことができました。支払いの選択肢に「Bank of Shanghai Debit Card(****)」の項目が表示されれば使用可能になるようです。
利用に際して多少の制限はありますが、実際、現地では食事やコンビニなど店舗での支払いに使うのが大半なので、使えると使えないのでは雲泥の差があります。