魚心あれば水心

思ったことを書いています。

「普通の女の子」に炎上してるアカウントを譲ったらフェミニストになった話

先日私のツイッターアカウントが大炎上しました。(というか昨日)

とある漫画家の方の発言に傷ついた私が人に相談のリプライをしたら、そのリプライがとりだたされてちょっと引いてしまうくらい燃えに燃え上がってしまい。(人に相談するときはDMがいいんだなぁと学んだ)

 

内容は後述するとして、

スタァライト(少女⭐︎歌劇レヴュー・スタァライト)(スタァライトはいいぞ)を追いかけるだけのFFゼロの小さなアカウントが、あらゆる人から批判や、時に罵倒を投げられ、通知は毎分100単位で届き、てんてこ舞いになりました。

自分が言葉足らずなこともさることながら、出した人物もまずかった。

漫画家、ファンにとって神様のような存在について触れてしまい、近年稀に見るひどい言葉しかつかないこんがり焼けたツイートが出来上がってしまい。

 

もうかなりめんどくさいし、なにより来たら見てしまうということで、通知のやまないアカウントを遠く離れた地に住む友達に放り投げることにしました。

 

投げた友達はいたって普通の日本の女の子。

今回炎上した理由も、「海鮮ちゃんがよくないよ、曲解しすぎだよ、先生は何も悪くないし、謝らないといけないよ」と言い、ジェンダーギャップ110位の日本の中でかなりマジョリティ的考えをする子。しかし人がいい。困って困って、と話したら「まぁそれで海鮮ちゃんが気にやむのもかわいそうだから引き受けるよ」と言ってくれた天使。

「もうパスワードも何もかも変えちゃっていいし、鍵かけても消してもどうしてくれてもいいからね!」

と託して私は寝たんですが

 

次の日の朝。

いつもの習慣で開いた、カタツムリレベルに動かない身内アカウントが真っ赤に埋まっていました。

かわいい紅バラのアイコンで、いつもご飯のことやゲームのことをつぶやいている彼女のアカウントが

 

「つらい現実から逃げた結果が、男性脳に染まるか、国外に行くかなんだね」

 

「ずっと、男に生まれたら楽だったのに、男に生まれたかったって思ってたけど、男が楽になるような社会である日本だったから思ってたんだ」

 

「育った環境で麻痺して行く」

 

「こういうの考えだすと、日本って生きづらいから蓋をする人が多いんだろうね」

 

と3時間前くらいから呟き続けていたんです。いや、なにがあったの?

たった6時間くらいのあいだに何がおきたの。

つぶやいている内容から彼女のメンタルも心配だけどその180度の価値観のひっくり返りっぷりはなに?????

朝から大混乱

昨日あんなに私を説得しようとしていた彼女は一体どこへ??

その後も彼女の「日本絶望ツイート」は止むことを知らず、朝っぱらから真っ赤っかの私のタイムラインは、お昼に彼女に電話をするまで続いたんです。

 

と、ここで発端のツイートと、字数制限のないはてなブログで、私のした大炎上主張をあげたいと思います。

(※あくまで私は篠原先生にリプライは送ったことはなく、この発言はひどくない?と思ったことをツイッターで、共有したい人宛のリプライで書いた(ツイートをスクリーンショットしたものを添付する形ですので引用リツイートでもありません)ので、本ブログも同じです。読書感想文的に誰宛でもなく、読んで感じたことを書いています。)

ここを飛ばすと、本題に行けないので……

 

 

まず、私の主張を説明する前に、男女の話だと問題点が理解できない人がかなりいたので、そこを今世界的に誰が見ても差別をしてはいけない、という認識がある、黒人と白人という言葉を使います。

 

問題点1 

 

 

 

「白人向け漫画が白人を対象にしている以上作品内で黒人が不快な気持ちになる描写はあり得ます。合わない人は読まない自由を行使していただくかないです。」

「白人向け漫画なので漫画内で黒人が不快な描写は多分あると思います。でも露骨なことはしないです」

と黒人に言っていると考えてください。何が問題か一目瞭然ですよね?

いや、黒人が不快に思う表現って差別でしょう。「差別じゃありません」って言っても、それは認識が甘いし、差別を知らなすぎる、知らずに生きてこられたからです。

露骨じゃないからいいって、露骨ってどこからですか、誰が決めるんですか。

たとえば、万人が不快にならない描写は無理、というならわかりますし、差別にもなりませんが(世の中人の数だけ考え方があるから万人に好かれるは無理ですし)、なぜ女性と、属性限定したのでしょうか?

そしてこのツイートの

 

問題点2

少年を対象にしている少年漫画=女性が不快な気持ちになる描写

ではないということです。

白人を対象にしている作品がすべて黒人を不快な思いにさせるか?それはNOでしょう。差別表現がなければ見ていて不快になりませんよね。

個人の趣味や嗜好でなんらかの描写が不快に感じる黒人の人もいるでしょう。

でもそれは「黒人」が不快になる表現じゃなくて、「その人」が不快になる表現なんですよ。万人が不快にならない描写は無理、と同じですね。

でも「作品内で黒人が不快な気持ちになる描写」は、違います。

黒人が不快な気持ちなる描写、「属性」で言われているものは、個人では済まず、それが差別を引き起こす原因になる可能性があります

 

かくいう私もトウモロコシが大嫌いでトウモロコシの出てくるコンテンツが無理というかなりマイノリティな不快ポイントを持っていますが、それでトウモロコシ書くなー!とか言いませんよ。それは、作品でトウモロコシを書いたところで人々が不利益を被らないからです。

しかし差別は違います。作中で「黒人」が不快になるけど「白人」が不快にならないものを書いたら、実際にみた白人がそれを内在化して現実世界に落とし込む危険性があります。まだ分別もついていない、価値観形成過程の、少年少女くらいの年代だったらそのまま全て鵜呑みにしてしまう危険性もありますね。

 

問題点3

  

 

これ、一見真っ当に見えるんです。少年漫画だし女の意見が入らないことに駄々をこねるな、と言ったようなこと私も例の友人に言われたし、リプライでもめっちゃもらいました。

ジャンプって実は女性作家さんがいるんですよ。 

彼女たちの創作の中に入っている好みや意見って、それすなわち女性の好みや意見なわけです。だって女性作家さんは女性ですから。女性の先生方はイラストだけ担当ってわけじゃないでしょうし、イラストにもその人の好みが出ますよね?

彼女たちの好みや意見は女性のものじゃない!男性的好みや意見だから連載できてるんだ!って思った皆さん。違いますよ。

これ「女性の好みや意見」って女性をつけたことが違うんです。

女性、と言い切ることで、女性の考え方はこういうもの(少年誌にふさわしくないもの)って思い込んでいるし、押し付けているんですよ。女の子はピンクが好き、ってあれですね。女性はみんなこんな考え方って、そんなもん無いですよ。

そんなことないから、女性だってみんな考え方やアイディアは千差万別だから、ジャンプに女性作家さんがいるんですよ。女性が書くものが少女漫画だけじゃないんですよ。

小説一冊作家名伏せられて読んで、性別当てられます?

だから、「女性の好みや意見は取り入れません」ではなくて、「少年漫画に合わない好みや意見は取り入れません」だったら差別になっていなかったんです。ジャンプに女性作家さんがいる状態では。

どちらの好み(男女)も平等にいれることでつまらなくなる」もそうですよね。女性作家さんの作品は男性の好みが入ってないかって、そんなことないでしょう?

まぁ男が楽しいもの!で突き抜けて言った結果が、女性の性差別表現なのかもしれませんが。差別入れないと話が面白くなくなるなんてことないはずなんです、なぜなら作者の方が描きたいテーマが差別ではないはずだから。

というか女性作家さんのことどう思っていらっしゃるんでしょう?

もしかしてあいつらはほとんど男だから、とか男のロマンがわかってるから、とか「女性作家」としては認めず名誉男性として認めてるんでしょうか?

それ、その人の生まれ持った属性を否定していることわかりますか?

 

問題点4

問題点1〜3を合わせて考えると、これ女性読者をかなり突き放しているんですよ。

 

「白人向け漫画が白人を対象にしている以上作品内で黒人が不快な気持ちになる描写はあり得ます。合わない人は読まない自由を行使していただくかないです。」

「白人向け漫画なので漫画内で黒人が不快な描写は多分あると思います。でも露骨なことはしないです」

「黒人の好みや意見は取り入れません」(製作者の中に黒人がいるのに)(黒人みんなが持ってる同じ好みや意見ってなんやねん)(この作品に合わない好みや意見では)

 

これ言われて、黒人の方が「自分たち歓迎されてる!」って思います?

およびじゃない感すごい。

黒人差別受け入れるなら見てもいいけど、文句言わないでよ。黒人の好みや意見とかいくらくれても黒人ってだけで取り入れないから。

 

 

 

 

突き放してないっていっても、実際突き放しているじゃないですかっていう。

つまり読んでいいのは「差別を受け入れて、黙ってお金落としてくれる女の子」ですよね。

男にとって都合のいい存在だけが読むことを許された雑誌「週刊少年ジャンプ」。

まぁ「そうだよ、フェミ(というかここの意味合いでは差別されたくない女の人)はお呼びじゃない」って言われるんだけど、そんな雑誌この時代にある?

「差別を受け入れてくれて、黙ってお金落としてくれる黒人」しかみちゃいけない映画とかありませんよ。

もっとも作品のテーマが、わざと差別を描いて今ある差別に疑問を呈する、とかなら分かりますが。それと、いま私が話している内容が違うことは分かりますよね。

 

 

で、悲しくなって、人に話聞いて欲しいからリプライを送った 。そしたらその人宛のリプライが炎上した←イマココ

って感じです。

 

 

ではお待ちかねの「何が彼女を変えたのか」ですね。

まず彼女に言われたことが、「洗脳が解けるまで、私本当にフェミニズム理解できなかったんだよ。海鮮ちゃん、見て見ぬ振りをした方が楽だからでしょ?って言ってたけど、違うの、本当に理解できなかったし、めんどくさ!と思ってたの」です。

彼女ははちゃめちゃに人がいいので、人の話に耳を傾ける、主張が理解できるまでなんども聞くし、自分で噛み砕くんですよ。なかなかできないですよね。

だから、私が言いたいことも理解してくれた。

でもその段階では、「海鮮ちゃんの言いたいことは理解した、そういう人がいるのも、何を目的に活動してるのかもわかった。だけど私は今のままでもいいや」だったそう。

そのあとに、彼女、本当に丁寧な子だからまず最初に私宛のリプに全て目を通したんですよ。(すごい)

で、そこであることに気づいたんです。

今回の私のツイートとか関係なく「女が意見したから」「フェミニストだから(ここでのフェミニストは男性にとって都合の悪いことを存在)」という理由で叩く存在が一定数いること。

本文の趣旨と関係ない、女性ってだけで叩いてくる。

なんでだろうって考えて、リプライにいた他のフェミニストのアカウントも見に言ったそうです。

そしたら気づいていなかっただけであるわあるわ「#KuToo」に「#MeToo」、入試差別や賃金差別、レイプもみ消し、レイプされた人の生の声

確かに、理由をつけたり、知らない方が楽なんです。声あげられたら現実を直視しないといけない。「変な格好をしていたからレイプされた」(だからちゃんとした格好の私には関係のない話)、「靴だってなんでわざわざ抗議するの?履けば丸く収まるじゃん」外反母趾のことを知らなかった()の中のままで居たい。辛くないから。

 

それでいて日本で特権階級のままでいたい男の人も女の人に声を上げられると迷惑なんです。


理由をつけたい女の人と、特権階級でいたい男の人の求めていることは同じ、「女性に声を上げないで居て欲しい」

 

彼女はそのままでいられたのに、炎上したアカウントを譲られたことで、「理由付けできない差別」を受けてしまった。

「女性のくせに」

その瞬間に彼女にかかって居た洗脳は解けてしまった。突然世界が彼女に牙をむいた。

それを知ったが最後、リプライのほとんどが差別なことにも、いままで感じた違和感も、全部彼女を苦しめた。

 

だから、ツイッターで辛い気持ちを吐き出していた。それに朝、私が気付いた。

ということだったんです。

 

彼女の最新のツイートがこちらです。

 

 

 

「最初炎上ツイート見た時言葉足らずで私も理解できなかったけど、理解できた時私も男性社会に洗脳されてたんだなって思った。苦しいよ、どうしたらいい」

 

 

 

本当に、どうしたらいいんだろうね。

お粗末様でした!

 

 

 

 

え、スタァライトの推し?

露崎まひるちゃんです。


※友人に掲載許可も取っていますし、公開前に確認も取っています。