安室と梓は現在協力関係の可能性が高いことを記載しました。
実は本編だけでなく『ゼロの日常』においてもその伏線は描かれています。
「ゼロの日常」32話「ちょうどいいです」の不可思議な点
24号に掲載された32話は安室の潜入捜査の為に風見が安室の服を買いに行く話です。
降谷「周囲に溶け込める地味目な服なら何でもいい…体格も近いし、君が着れるなら僕も着れるだろう…」
服を届けようと安室(というよりも降谷)の家に上がる前に電話を掛けたものの安室がとても慌てた様子だったため風見は女性が家にいるのではと疑念を抱き次週へ、という流れになってます。
全体的にギャグっぽく私自身風見の顔芸に相当笑わせてもらったのですが(笑)、実はよく見るととても不可解な内容なんです。
- 季節が統一されていない
- 購入しているのが安室の衣装ではない
風見(降谷さんが任務を、スムーズに遂行する為に…もうひと踏ん張りだ!)
この時風見の周辺にいる人物の服装から夏、少なくともかなり暖かい季節だということが分かります。
しかしカラーページでは半袖の服を購入している風見ですがその後の買物では明らかに秋冬アイテムであるブーツや厚手の服が登場します。
店内の様子からいっても完全に秋冬。
この季節の描き分けは当然意味があるはずです。
そこで気になるのが買物中に風見が訪れた2つのショップ。
おねえっぽい感じの店員さんがいる店と柄物について語る女性店員さんがいるお店です。
「サイズ感が一番大事ネー それさえおさえれば大事故にはならないワ!」
おねえっぽい店員さんの言葉を受け風見は熱心にメモをとっています。
しかし冒頭の安室の台詞から安室はサイズ感にこだわりを持つ人物ではないことが分かります。
仮に安室がサイズ感を気にしているのであれば安室と体格が近いという彼自身が試着すればいいのです。
実際にこの回は安室が着用する服を着た際の店員の「サイズはいかがですか?」に対する風見の返答の「丁度いいです」がサブタイトルになっている。
安室の為の服であれば風見が着てサイズを判断するべきです。
そして場面は違うショップへ移ります。
「柄物ですので無地と合わせたり…」
こちらでも女性店員の言葉を受けメモを取る風見の姿が確認できます。
ですが安室が求めたのは「地味目」であり柄物は彼の指定とは異なります。
そして店員さんが勧めている柄物の服は安室が着用するとは考え難いデザインです。
↑確実に安室が着ないデザイン…
この2点から導き出される答えは風見は安室以外の人物の服を購入しているということ。
しかも上記の2点のショップは内装が完全にレディース向け。
つまり安室は女性の衣装の調達を風見に命じているのです。
ではその女性とは一体誰なのか。
その人物こそやはり同僚の梓だと思います。理由は以下の通り。
アイコンが降谷と梓のイメージカラー
32話はセンターカラーで掲載されましたが注目なのはアイコンの色使いです。
通常の「ゼロの日常」のアイコンを見て見ましょう。
シンプルな単色カラーです。
そして32話のアイコンがこちらです。
青、オレンジ、ピンクの3色が確認できます。
青は降谷のイメージカラーでピンクは梓のイメージカラー。
間のオレンジはポアロ組のイメージカラーです。
この話には梓が全く出てきません。
にもかかわらずこのカラーを使ったのはこの話が梓に関連のあるものだからと推測できます。
青山先生は「ゼロの日常」のカラーでは色の使い方で読者にヒントを出すという手法を取っています。この配色は意図的のはず。
「ゼロの執行人」では公安の協力者という言葉が登場しました。
降谷が風見に衣装の調達を命じたのは彼女が安室の協力者となったからではないでしょうか。(正式なものかはさておき)
先述の通り青は降谷のカラーですから梓は降谷零から協力を要請されたと考えるべきです。安室からの要請ではないでしょう。
つまり現在梓は安室の本名や公安としての仕事に関しても打ち明けられている可能性が高いということになります。
そうなるとここで風見が購入したのは梓の潜入捜査に必要な衣装という可能性が浮上します。
一方でこの時風見が購入したのは安室から梓へのプレゼントという可能性もゼロではありません。
本編ではやたらクールに描かれてきた安室ですが「ゼロの日常」を読む限り実際は女性の扱いに慣れているとは言えない印象を受けます。
私は風見が購入したのは梓の服であることは間違いないと思います。
安室が梓に好意を寄せた、あるいは2人は恋人同士になったが女性へのプレゼントを選ぶのが苦手な安室が服の購入を風見に委ねた未来の描写と考えられなくはないと思います。
ただ本編において2人が現在協力関係にあるのが濃厚であることを踏まえると風見が購入したのは梓の変装用の衣装の可能性は有り得ると思います。
プレゼントでなく変装と考えたのにはもうひとつ理由がありますがそれはまた後日記事にします。
ちなみに風見が赤いパンツを手に取ったショップは「ゼロの日常」2巻の「大物狙い」の扉絵で梓が訪れています。
秋冬ものばかり扱っているのがよく分かりますのでそちらも併せてチェックしてみてください。
本編を考察する上で非常に重要なエピソードなのかもしれません。
私は梓の父親が脇田兼則であり、彼は以前より安室と非常に親しい間柄と考えているので安室は現在脇田と彼の娘である梓とも連携が取れているということになります。