月読調の華麗なる日常   作:黄金馬鹿

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今回はVRファンタジー時空の続きです。まぁ、PvMがあるんなら、PvPもあるよねって事で、今回はPvPの様子となります。

結局フルダイブ系のVRゲームってリアルでの動きがチートな人ほどゲーム内での動きもヤバすぎて無双するイメージがあるので、今回は装者ことリアルで死線を何度も潜り抜けて世界を救ってきたチート集団によるスペックだけは高い一般人の虐殺回となります。


月読調の華麗なるVRバトル

 わたし達がやっているVRゲーム。ファンタジー世界を題材にしたゲームは、何もモンスター戦だけが華という訳じゃない。

 こういうゲームには、対人戦というのも付きもの……なんだと思う。だから、結構な割合でこのゲームでは公式がPvP大会なんて物を開く。勝てば賞金とか、激レアアイテムとか、時にはギルドハウスなんて物も商品となったりする。

 この時点でお察しだと思うけど、わたし達のギルド、SONGがここまで有名になったのはこの大会で何度も優勝をもぎ取っているからだったりする。ギルドハウスも商品だし、賞金とアイテムのお陰で戦力は水増しされていく。それで更に優勝をして、といい循環を果たした結果、いつの間にか有名になってました。

 まぁ、前に言った有名になった理由の一番って言うのが、絶対にこれ。廃人プレイヤーとかを差し置いてわたし達SONGが毎度毎度優勝していくからね。

 レベル差もスキルの強さの差も途轍もないんだけど、所詮は戦闘素人集団の大雑把な威力重視の攻撃。このゲームは確かに素早さの値も弄れるけど、リアルが関わっているからかあくまでも人間が見て認識して対処できる限界レベルでの速さまでしか上げる事ができない。

 そんな、一般人の限界程度、わたし達はとっくに突破しているからか……相手の攻撃、全部当たらないんだよね。

 しかも、中途半端にリアルの事をできちゃうせいか、響さんと翼さんの装者内人間辞めました部門優勝候補の二人が全部殺っちゃうというか。心臓とか頭とか吹き飛ばせばどんなキャラも即死するし、範囲攻撃は溜めが長いから、二人が速攻を仕掛けて範囲攻撃を仕掛ける魔法使いを一瞬で祀り上げるから、もう手の打ちようがないと言うか。

 そんな事は置いておくとして。今日は件のPvP大会の日。

 イベントステージには様々なプレイヤーが集まっている。あと、ここだとミュートが強制解除される仕様だからか、結構うるさい。運営がズルされないようにミュートを解除する仕様にしたらしいけど、これどうなんだろう。ズルとか元からできないと思うけど。

 

「いやー、今回も賑わってるね~」

「今回の参加者も軒並み高レベル揃いね……くたびれそう」

「でも、今回は商品が激レアのガントレットだしな。馬鹿が強化されりゃこっちも楽になるし、適当に頑張るか」

「ちょっ、イチイちゃん! 適当じゃなくて本気で頑張ろう!?」

「はいはい」

 

 今回の参加メンバーは、七人フルメンバー……と、言いたいんだけど、実はこの大会、一度の試合に出れるのは各ギルドから五人ずつ。だから、七人の内二人は見学をしなきゃいけない。ナインは本人が笑顔で見学を申し出るから何を言おうと七人。

 で、メンバーなんだけど、実はわたしか未来さんは固定。わたしもスキル構成次第では回復ができるし、未来さんも補助特化だから、どうしても高レベル相手だと必須になる。掠っただけで致命傷だからね。

 残りの三枠、ないしは四枠が前衛組&イチイ先輩になる。

 予め出場メンバーを提出してから対戦相手が決まるから、後出しは無理。という事で大抵は前日にじゃんけんで決める事になる。

 出場チームが多いから、それぞれのブロックに分かれてそのブロック優勝者で更に四つのブロックに分かれてトーナメント方式のバトル。最後にその四つのブロックの優勝者で戦いあって、勝利数が一番多い所が勝ちの総当たり戦がここのルール。

 で、優勝者は特別に大量のブロックの中のどれか一つにシード枠で配置されて、そのブロックの優勝者と戦う。だから、他の人よりも戦闘数は少なくすることができたり。

 

「あっ、始まったみたいね」

「うわぁ、相変わらずみんな、戦闘が派手だね」

「ネットを見たらわたし達みたいなのが異端って言われてたよ」

 

 と、ガンさんが苦笑。

 このゲーム、いくら急所を吹き飛ばせば倒せるとは言っても、所詮素人の剣の振り方なんてアレだから、武道経験者が前に出て無双する……ってなる筈なんだけど、それをねじ伏せる高火力で素早いモーションのスキルをぶつければゴリ押せるから、腕の差を出さないために派手な技の応酬になりがちなんだよね。

 それすらねじ伏せて実力でボコるわたし達が異端なのを忘れてはいけない。多分風鳴司令と緒川さんがこのゲームに混ざったらゲームバランスが崩壊する。

 

「しかし、エフェクトばかりで目が痛いな……どうにかならんのか」

「それがこのゲームの売りよ、ハバキリ」

 

 エフェクトに関しては……まぁ、ホントにこれがこのゲームの売りだから。派手なエフェクトと派手な技で派手に楽しむのがこのゲームだから。実力でねじ伏せれるわたし達が異端なだけだから。

 何度もわたし達の使ってるスキルにナーフ入ってるけど、それを気にせず戦えているわたし達が異端なだけだから。

 最近ゲームの公式Twitterで開発者らしき人の愚痴があったから。リアルチートはどうにもできませんって泣きごと書いてあったから。個人のアバターをナーフしないと無理って書いてあったから。

 ……別にしてもいいんだよ? その分だけリアルで力を付けて蹴散らすだけだから。

 順序が逆というか、やってる事が逆? ………………細かい事はいいんだよ!

 

「おっ、あたし達の出番みたいデスよ」

「ホントだ。えっと、最初は誰だっけ?」

「えっと、わたし、ハバキリさん、ラームさん、シュルちゃん、シェンの五人だよね?」

「よし。掻っ捌いてくるか」

「ハバキリとガンを押し出せておけば無問題ね。私は二人の援護に回るわ」

 

 相手のレベルは現状ではトップレベル。対してわたし達はその四分の三はあったらいい方……なのかな?

 レベルだけ見れば無謀な戦い。でも、既にわたし達は相手のレベルの五分の一程度のレベルで下克上を叩きつけ続けて勝ち続けているから何も心配いらない。

 ちなみに今回のわたしのスキル構成と武器は、槍をメイン武器にして、回復魔法を使えるようにした中距離と援護に偏ったスキル構成。白魔法使いとか黒魔法使いとかよりも、こっちの方が自衛できるんだよね。シェンさんも守れるし。

 

「アタシ達は留守番か。負けんじゃねーぞ?」

「今回も優勝して連勝記録を上塗りデス!」

 

 イチイ先輩とイガちゃんの声援を背に、イベントエリアにある転送装置の上に立つ……んだけど、立つ前から色々と声が聞こえてくる。

 

『アレがSONGのギルドメンバーか? 装備もレベルも言っちゃなんだが……』

『お前、大会を見た事無いのか? あのメンバーはアレで優勝を重ねてるんだぞ』

『俺もあのギルドに入りたくていつも申請送ってんだけど蹴られるんだよなぁ……全員女の子みたいだし』

『は? お前レベルもカンスト手前で装備も一級品なのにか? どんな姫プレイを所存なんだよ』

『いや……あそこ、身内団だぞ? 蹴られて当然だろ』

『あんだけ優勝しといて身内団? ぜってぇちげぇって。貢いでる奴がいるって』

『いや、メンバーは八人で身内以外不可って詳細に書いてあるだろ。確かに入りたい気持ちはあるけどよぉ……』

『分かる。女の子八人に囲まれてこう、いつかオフ会とかでな?』

『お前何あそこのメンバーが美少女って前提で話してんだよ』

『声が既に美少女』

『ばっかお前、そういうのに限ってリアルの方は』

『っていうかもう一人はどこだよ』

『時々いんだろ。多分内職専門だって』

 

 ……あれ、殺してきていいかな? 流石に好き勝手言われ過ぎて……

 

「どうどう。落ち着け」

「まぁ、ゲームやってる女の子なんてそんな評価になるのが当然だから、ね?」

 

 わたしは美少女とは言えないだろうけど、他のみんなは間違いなく美少女だよ。大きな欠点はあるけど、間違いなく美少女集団だよ。

 ……とは言えないのが悲しい所。顔隠して声だけ晒しているからね。何言われても仕方ないから我慢我慢。

 けど、下心有りの男を入れる気にはなりません。帰った帰った。

 

「まぁ、いつも通り私達の力は結果で示そう。転移が始まるぞ」

 

 ハバキリさんの声に頷いて、転移の光に一度目を閉じる。

 そして目を開ければ、そこは闘技場みたいなフィールド。対面には相手のチームが。

 

「アレが今まで何度も優勝してるギルドか?」

「前情報通りレベルも防具も武器も低レベルだな……」

「まぁゴリ押しでなんとかなるだろ」

 

 そう言う相手は全員、防具もレベルも最上級。けど、首を落とせば関係ない。

 

「フゥ……ハァァ!!」

「幾許の屍山血河を越えし防人が剣……!」

 

 ガンさんが一歩踏み込み、拳を握って姿勢を低く構える。そしてハバキリさんも刀を抜いて腰を落として構える。

 構えから達人の雰囲気を感じつつ、ラームも短剣を取り出して構えて、わたしも槍を振り回してから何となくで構える。そしてシェンさんが杖を構えていつでも魔法を発動できるようにして、相手側もそれぞれ武器を構えて戦闘態勢を整えた所で、フィールド中央に数字が浮かんで、カウントダウンが始まる。

 五、四、三……とカウントが始まって、相手が速攻を仕掛けてこっちをステータスの差で押しつぶそうとしているのを理解してから、わたしとシェンさんはバックステップ。わたしがそこでもう一度構え、シェンさんが全力で後ろに向かって走り始める。

 わたしが囮となってシェンさんを守る陣形。それを組んだ瞬間、相手がそれを理解したけど、戦闘開始のブザーが鳴る。

 

「八方極めし大撃槍、いざ参るッ!!」

「いざ行かんッ!!」

 

 気づいた所でもう遅い。

 二人がフライング防止の見えない壁が消えた瞬間に踏み込んで、そのまま相手の陣地へと躍り出る。それに続いてラームが走り、わたしは槍を回して回復魔法の準備。シェンさんは念のために強化魔法を唱える。

 

「速っ!?」

「大丈夫だ! レベルも装備もこっちが上だから、ゴリ押しで」

「その程度の壁、撃ち貫く!!」

「そっ首、掻っ捌く!!」

 

 作戦会議なんて先に済ませて、混乱を先に消しておくべきだったね。

 ガンさんの一撃がリーダーらしき人の顔面に直撃。その人の顔面に当てた拳を支点にしてグルっと回転し、ガンさんが上を飛んで、その後ろから迫っていたハバキリさんの剣が鎧の隙間を縫って首を刺突で一撃。そのまま鎧の隙間を刃を通して掻っ捌き、そのまま絶命させた。

 これがあるからこのゲーム、クソゲーだと思うんだよね。モンスター戦だとHP削るまでどうにもできないのに、PvPだと人間の急所でダメージが即死レベルに跳ね上がる。

 

「ど、どうなってんだよこいつらの身体能力!」

「チートだろ!!」

「悪いけど、私達はいつもこうよ! チートを疑うのなら過去の動画でも漁ってきなさい!」

 

 そしてラームが二人の合間を縫って暗殺を仕掛けて無事成功。普段からみんなの後詰とかを担当してくれるラームだからこそ、こういう時に相手の裏を取る事ができる。

 というか、前衛二人のヘイトの稼ぎ方が異常過ぎて、裏取りがしやすいというか。

 これで後衛が倒れたから二人目。

 

「このっ! 瞬迅剣ッ!」

 

 で、相手がスキルを使ってきたら……

 

「見える!」

「はぁ!? 避けた!!?」

「そしてリカバーが遅い! 仕留める!!」

 

 例えどんなに相手のスキルが速くて、当てるだけなら苦労しないとか言われるスキルを使われようと関係なく避けて、そのまま攻撃に移る。

 特にガンさんは拳が武器だからか、結構エグイ連撃を入れる。

 腹パンしてから頭を持って、顔面に膝、そのまま首を抱えてドラゴンスクリュー。そのままゴキッと相手の首が折れて無事退場。うっわ、ゲームだからって流石にえぐっ。これで三人目。

 

「バケモノかよ!?」

「防人だ! 魔神剣ッ!」

「そんな初期スキル!」

「ただの目くらましだ! 去ねぃッ!!」

 

 そしてハバキリさんが初期スキルに遠距離攻撃技で相手の意識をそっちに向けてから、一瞬で側面に回り込んでわざと声を出して相手を振り向かせる。振り向いた所に刀を額にザクっと刺して終了。無事即死で四人目。

 

「ラームさん! 最後に合体技いきますよ!」

「あ、あれをするの!? ……分かったわ、やってやろうじゃない!」

「このっ、いくら何でもこんなの!!」

「駄目押しのアグリゲットシャープぅ」

 

 相手が最もな事を言った所で、シェンさんからの気迫の無い魔法発動の声が。

 そして、後はいたぶるだけになった相手にガンさんとラームが仕掛ける。

 

「ぶっ飛ばす! 烈破掌ッ!」

 

 ガンさんが相手の攻撃をすり抜けて下から掌打。相手を空に浮かして、相手が落ちてくる前に二人が跳躍して相手を挟む。そしてそのまま頭と足を抱えて、なんかよく分からない動きをして。

 

「普段危険だからできない技その幾つか!」

雷我弐不乱遁爆弾(ライガーツープラトンボム)ッ!!』

 

 うっわぁ。

 なんかこう、上下でエビぞりにされてガッチリとロックされてるんだけど。あれリアルでやったら相手の背骨がバッキバキになって死ぬよね? というか背骨以外にも胸骨とかも砕けて死ぬよね? 内臓破裂して死ぬよね? というか下手すりゃ上下で真っ二つだよね?

 ……あれを使う無慈悲さがガンさんになくてよかった……あれくらってたら流石にグロ映像をまき散らしてたから……

 

「おっ、じゃあ着地点に刀を置いておこうか。防人からのサービスだ」

 

 そしてそっとハバキリさんの余計な一手間。落下地点にハバキリさんの予備の刀がそっと置かれた。ちゃんと切っ先が天辺を向く形で。

 ちなみにお相手さんはステータスの差でなんとか抜け出そうとしてるけど、ガッチリと極まっているのか手も足も動けない様子。南無。

 

『どっせい!!』

「ぐえーっ!!?」

 

 そして哀れ。相手の人はそのまま腹に刀が刺さって、ついでに色んな所の骨が折れて無事死亡。わたし、出る幕あらず。

 なんまいだー。

 

「ウィーっ! ラームさん、ウィーっ!!」

「恥ずかしいからやめなさい……!」

 

 そして謎のテンションのガンさんとラームが一応のハイタッチをした所でリザルトが。

 勿論わたし達の勝利。すぐに転移が始まってわたし達は元のステージに戻された……んだけど。

 

『……見ろよ、あんな可愛い顔してあんな技を決めて相手を惨殺したんだぜ?』

『こわ……近寄らんとこ……』

『掲示板で悪鬼羅刹の擬人化とか言われてるぞ。ええんかこれ?』

『妥当だろ』

『ただの殺戮現場だったんだが……』

『女の子じゃなくてゴリラの集まりだろ。ゴリラ・ゴリラ・ゴリラだろ』

『いつもの』

『知ってた』

『お待たせ』

『うわ出た』

『親の虐殺より見た虐殺』

『もっと親の虐殺見ろ』

『親の虐殺ってなんなんですかねぇ……』

 

 まぁ、うん。会場の空気が死んでるね。

 一部、わたし達の試合を何度も見ている人は頷いて、まぁそうなるよね、みたいな事を言っているけど、初めて見た人はあまりの残忍っぷりにドン引きしている。

 ちょっと待って、ゴリラはガンさんだけだし、悪鬼羅刹はハバキリさんだけなんだから、わたしとシェンさんだけは省いてよ。後ろの方でニコニコしているアイドルとかでも言ってよ。じゃないとわたしまで妖怪の類みたいになるじゃん。

 いや、確かに一人であの五人ぶっ殺す程度できるけどさ。ミカとかプレラーティとか、ああいうのと比べればあんなの雑魚同然だし。

 

「いやー、いつも通りひでー言われようだな」

「実際ガンさんのアレは傍目で見るとやべーデス」

「ついつい調子に乗っちゃってね? 普段はやったら殺しちゃうからさ」

「サラッとそういう技を習得してるあなたがやべーって言ってるのよ」

 

 まぁ、大体こんな感じです。

 と、いう事で。あとはダイジェスト。

 

 

****

 

 

「アタシ様の矢を避けたきゃ全身鉄で覆う事だなァ!!」

「死ぬデスよぉ! あたしの姿を見たやつは、みんな死んじまうデスよぉ!!」

「陸奥圓明流もどき! 雷!!」

「例え全身鎧だろうと、掻っ捌く!!」

「悪鬼羅刹に混ざって好き勝手やらせてもらうわ!!」

 

 ……まぁ、こんな感じで酷い虐殺が起こりました。

 だって、ねぇ。所詮速いだけの素人剣術なんて、剣筋が読めるから回避なんて楽勝だし、そもそもそれ以上に速い攻撃をわたし達はライフで受けてるわけだし。そう思うと所詮速くて重いだけの素人剣術なんて当たらなければどうってことは無いんだよね。

 でも、時折腕とかに当たって一撃で体力消し飛んだりするけど。ステータスの差のせいで掠るだけで死ねるんだよね。まぁ、体力が少しでも残っていれば、わたしが全部回復できるから良いんだけど。

 そんなオワタ式でも決勝戦まで無事に残る事はできて……

 

「これで終わり! 翔破裂光閃っ!」

 

 最後は相手がわたしとシェンさんから倒そうとしてきたから、わたしが一撃を叩き込んで無事終了。確かにシェンさんは戦闘訓練をしてないから、手を出されたら負けちゃうけど、わたしなら使い慣れていない得物でも素人程度ならなんとかできる。

 と、いう事で今回も無事優勝。いえーい、ってみんなでハイタッチすると、目の前にウィンドウが現れて賞金と優勝賞品が無事譲渡された。

 今回の優勝賞品は、確かガントレットだっけ。

 

「やったー! ようやくわたしもトップ層の武器デビューだ!」

「ラームとイガちゃん、それからシェンさんに続いて四人目かな?」

「シュルちゃんの槍もデスよね?」

「あっ、そうだった」

 

 こうやって貰える武器は、基本的にどこかでドロップする武器なんだけど、色々と手心が加えてあるんだよね。それこそ凄い量の強化がされていたり、名前と外見は最序盤でゲットできるのに、内部データだけエラい事になっていたり、なんか専用技が撃てたり、先行実装だったり、えげつない程ドロップ率が低い武器だったり。

 そんな物の一種をゲットできたからかガンさん大喜び。

 勝利の余韻をそうやって噛みしめている内に、どうやら退場時間になったらしく、わたし達はバトルフィールドから強制的に転送されて、会場の方へと戻された。

 

『やっぱやべーな、SONGの連中は』

『なんであの装備で勝てるのか。コレガワカラナイ』

『俺、もっかい入団申請してみようかな……』

『だから入れねぇっての。あれ身内団だって何度言ったら分かんだよ。スレにも書かれてんだろ』

『ちなみに、何であんだけ強いのか分かる奴いる?』

『一応柔道やった事ある身から言うと、ガングニールってやつの動きはリアルでもギリギリできそうなレベル。でも頭おかしい身体能力と動体視力が必要だから無理ポ』

『流石にあのレベル差だと相手の攻撃とかほぼ見えないレベルだと思うんだけどな……俺、剣道やってたけど、流石にあそこまで完璧に見切るのとか無理だったぞ。ってか無理』

『って事はあいつら、リアルでアレとほぼ同じ動きができるって事になるぞ?』

『若者の人間離れか……』

『最近の女の子ってこわっ……』

 

 まーた好き勝手言われてるよ。

 でも、最後の方の言葉って大体その通りなんだよね……わたしの槍含めて、全員がこのゲームと謙遜無い動きで斬るし、リアルでも再現できるし。

 それに、ガンさんとハバキリさんの動体視力って割とバケモノ越えてる部分あるし、一番近接職に向いていないイチイ先輩ですら弾丸を歯で噛んで止める事すら可能だからね。まぁ、それはシンフォギアありきの話で、生身でやったら歯が砕けるからできないけど。

 つまり、全員それが最低限のレベル。わたし達の被弾って、不意を突かれたり、弾丸以上の速さで物が飛んできたり、高速範囲攻撃でぶっ飛ばされたり、力づくでぶっ飛ばされたりがほとんどだから……

 よく考えたら、わたし達そんなヤバイのを相手にし続けてよく生き残れてきたね。シンフォギアのバリアフィールド様様だよ。なかったら何回死んでるやら。多分三桁届くレベルで死んでると思う。

 んでもって大会が終わると始まるのが、身内団と言っているのにも関わらず飛んでくる入団申請の却下。これができるのは団長の響さんと副団長の翼さんだけだから、二人は既にメニューを開いて、飛んでくる入団申請を蹴りまくってる。いい加減にしてほしいかなぁ、ホント……

 

「初心者さんならまだしも、明らかに装備整ってる人は流石にもう駄目だって理解してほしいよ……毎回蹴るこっちの身にもなってほしい……」

「視界の端でずっと入団申請が来ていると鬱陶しいからな……」

 

 そこら辺の通知をオフにできるようにはなっていないみたいで、二人とも相当大変そう。

 

「うわっ、アタシ等の事、結構スレの方で言われてんぞ。ほら、これ」

 

 とかやってたらイチイ先輩がゲーム内からネットの掲示板を調べてそのままこっちに見せてきた。

 えっと……バケモノ集団とか、やべー奴らとか言われてるけど、それ以上にチート疑惑がかなり多いみたい。けど、それを否定している人もいるし、どうやら相手した人もアレはチートじゃなくてただのリアルチートって言ってる人も……

 あと、なんかハバキリさんとラームの声が翼さんとマリアに似ているとかいう言葉まであるし。マジで本人なのは否めないし、これ認めると絶対に入団申請がもっと増えるだろうから絶対にそうです、とは言えないけど。

 あっ、なんかわたし達のリアルの動きを撮った動画が出れば認められるとか書いてある。

 ……つまり、わたし達がリアルの動きを撮って動画で投稿したら、それを見る人が出てきて、再生数を稼いで広告収入でお金が……!?

 

「なんかシュルちゃんの目が$マークになっている気がするデス」

 

 き、気のせいだよ?

 

「でも、リアルの動きを一回撮って動画にしたら面白いかもな」

「やってみる? 流石にハバキリさんとラームさんは無理だけど」

「そうだな。一応、顔を出さずに銃弾斬りとかはやってもいいが……流石に顔バレすると色々と駄目そうだしな……」

「まぁ、そこら辺は後で考えましょう? ナインが新しい武器見せて、強化させてってチャットでかまちょしてきてるし」

 

 と、いう事でわたし達は一旦ギルドハウスに戻って新しい武器を改造したがっているナインに、ガンさんの新しいガントレットを渡して強化してもらうのでした。

 これでバ火力が一人増えたなぁ……

 

 

****

 

 

 で、後日。わたし達はリアルでゲーム内の動きをしてチートじゃない事を証明しつつ、広告収入でご飯食べよう! って感じの計画を立てたんだけど、流石にリアルバレするかもしれないからっていう事で、ゲーム内の光景を撮影して投稿してみようという事にした。

 第一弾は近接職によるガチタイマンの様子を撮ったんだけど、これが面白いように再生回数が伸びていった。

 そもそもこのVRゲームが最近流行り始めてるし、画期的なゲームでもあったから注目度はあったという事で、やってる人やってない人のどっちもが見てくれたり、コメントをくれたり。ただ、若者の人間離れとかお前ら人間じゃねぇとか言うのは止めてもらいたい。まだ人間だよ。司令は大分怪しいけど。

 しかも、わたし達の動きがチート染みているからか、とうとう公式にお問い合せと言うか通報が入ったらしく、中にはこいつらチート使ってるけど公式はいいの? みたいな、まずわたし達がチートを使っている事前提なお問い合わせも入ったらしくって、公式がわたし達はチートを使っていないという事を明言する事態にまで発展した。

 

「あっ。なんか運営からメールが来た。えっと……なんか次の大会から、わたし達はシード枠という名の特別枠にぶち込んで、優勝チームとだけ戦って、勝ったら賞金と商品が貰えるけど、負けたら何も無しみたいな感じになるみたいでっす」

 

 で、最終的には大会をやるとわたし達が荒らすからという事で、わたし達はシード枠にぶち込まれる事になった。ただ、このシード枠はわたし達が負けるか不参加を決め込むと、シード枠に勝った、もしくは戦う予定だったチームに譲渡される感じになるみたい。

 シード枠が勝つと、シード枠専用のアイテムが。負けるとシード枠には何も無し。優勝賞品はシード枠と戦ったチームには確実に貰えるようになるとか。

 どうやらゲームを荒らし過ぎたみたい。ごめんなさい。でも負ける方が悪いから。

 

「まぁ、別にこのゲーム楽しいからその程度は気にしないんだけどね!!」

「ゲームをしながら新たな技を身に着けれる。実にいいゲームだ」

「このゲーム、本当はリアルでできない動きをして戦いを楽しむゲームなんですけどね……装者の皆さんにはただの特訓装置にしかならないのは目に見えてましたけど……」

 

 別に対人戦が強すぎて公式から隔離されても気にしません。だってこのゲーム、普通のモンスターと戦うのも楽しいからね。

 ただ、お願いだからヨーヨーか電鋸を実装してください。わたしのメイン武器なくってどれにしようか絶賛浮気中なんです。




ギアって纏った所で動体視力とかだけは流石にどうにもならないと思うのに、クリスちゃんって弾丸を口で止めたり、ビッキーに至っては高速で飛んでくる戦車の砲弾を殴り飛ばしてたから、少なくとも銃弾並みの速度の攻撃なら反応できると判断した結果、こんな事に。まぁ、装者ならギアで動体視力もブーストされてたとしても素人じゃ攻撃当てらんねぇだろって事で。

なお未来さんだけは普通に攻撃が当たります。当たった瞬間拳構えた黄色がすっ飛んできて首を折ってきますけど。ゲーム内だし慈悲はない。

で、XV十二話……あーもうヤバすぎ。キャロル再登場で三回目のスフォルツァンド。エルフナインも歌ってくれたり……とか思ったけど、やっぱそうじゃなかった。でも満足。
にしても、思い出という問題さえなければ神にも匹敵するレベルのキャロルってやっぱり作中最強クラスの錬金術師っていう証明にもなりましたね。やっぱキャロルは強かった……
んでもって月の方はひびクリVSヴァネッサ。ユニゾンは来ませんでしたが、クリスちゃんのアマルガムの技名何て読むの? からのビッキーの絶叫聖詠。毎度毎度ビッキーの絶叫は気合が入り過ぎている……!!
その後に装者を地球に送り届けるため怪物トリオは消滅……最後は怪物としてではなく、人として行動した……という事でしょうか。七万を殺した罪は雪がれるものではありませんが、それでも人類を救うために殺した分以上に人を救おうとした……という事なのでしょうね。本人たちがそう思っていたのかは分かりませんが。

そして最後は翼さんからビッキーに手をつなぎ、アマルガムによる大気圏突入と絶唱、からの新たなエクスドライブ!!
ビッキーのエクスドライブからはサンジェルマンの装飾品が追加されてますし、巨大な翼が……! アマルガムとエクスドライブが混ざったような、炎のように揺らめくエクスドライブがカッコ良すぎる。
調ちゃんの新エクスドライブはまさかの髪がアームドギア内部に格納されていなくてビックリしました。そのせいかすっごく神々しいしボリュームが凄いように見えます。あと切ちゃんも髪の毛が伸ばされていて結構色っぽく。
ビッキーの新エクスドライブからはどことなく奏さんを感じる事ができました。奏さんとサンジェルマンの二人からガングニールとアマルガムを受け継いだビッキーの最終形態と思うとそれだけで泣けてきます。

XVも来週で最終回! 実は昨日、青信号の横断歩道渡ってたら曲がってきた車が突っ込んできて割と本気で入院を覚悟しましたが無事でしたし、多分来週のシンフォギアを見るまでは天に生かされることでしょう!!
せめてシンフォギアを見届けるまでは死なん! という事でまた来週、シンフォギアが完結した後にお会いしましょう!
それでは!!

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