脇田兼則の正体は麻薬取締官だと思います。
注目なのは90巻収録の「裏切りのステージ」です
このエピソードでラム編の主要キャストであるコナン、安室、赤井の3人が初めて協力して事件を解決しました。
事件解決の決め手が片方だけのサークルレンズというのもラムを連想させます。
恐らくラム編で安室と赤井は何らかの形で共闘することになると思いますがその2人の亀裂の決定的な原因となったスコッチの死の真相が描かれていたというのも大きなポイントだと思います。
その確執の詳細が明らかになったことからも「裏切りのステージ」がどれだけ大きな意味を持つ事件であったかが分かると思います。
この事件はラム編そのものを現しているように感じます。
そうなるとここにベルモットが梓の変装をして参加したのは今後ラム編に梓が絡むということで間違いないと思います。
何より容疑者3人の外見がラム候補3人をそのまま連想させるものです。
実際にコナンは大柄な黒田にあたる人物であろう布施を見て心の中で(でかっ!!)と言っています。
作中に特別必要のない台詞なのでこの台詞は意図があったはず。
「裏切りのステージ」の時点では若狭先生(初登場91巻)と脇田(初登場92巻)がまだ登場していなかったので容疑者のビジュアルに注目していなかった読者が多いと思いますが確実にラム疑惑の3人を意識して描かれているので読み返してみると考察する上で面白いと思います。
安室は麻薬取締官(マトリ)と協力関係にある
事件を推理している最中、唐突に麻薬取締官(マトリ)
死亡したロックミュージシャンのバックで演奏予定だったメンバーが覚せい剤所持の現行犯で捕まったというものです。
逮捕されたのは事件の発生したホールでなく会場の外でした。
この「裏切りのステージ」は薬物の逮捕劇が無くても話はスムーズに進むようになっています。
ですが「
その上事件解決後安室が麻薬の話題を容疑者の1人に振っています。
このマトリの件はやはり無視できません。
私は安室とマトリは繋がりがあると思います
当初この事件の翌日に麻薬取締官は会場に踏み込む予定でしたがこの計画を前倒ししています。
マトリは事前に安室の会場入りの情報を入手し、
もちろん順序が逆のパターンも考えれます。
まずマトリから会場に踏み込む情報を入手した安室がその前日にどうしても会場内に用事があると言うことでマトリは日程をずらして会場の外で逮捕するという結論に至ったわけです。
事件解決後安室はこの薬物の逮捕劇をネットの速報で上がっている
安室には特定の親しいマトリがいるのでしょう。
安室「麻薬で逮捕されたバックバンドの事を知っていたのでは?」
現場にいた人物の1人に安室が投げかけた問いですがこれはこの人物も薬物事件に関わっていないか探っているのではないでしょうか。
今回自分の任務に協力してくれたマトリへのお礼となる材料を探しているように見えます。
安室と協力関係にある麻薬取締官は脇田
この事件は安室の潜入捜査先のウエイトレスである榎本梓が過去に巻き込まれた事件を連想させる内容と捉えています。
『裏切りのステージ』と『真犯人からの届け物(61巻~62巻)』の類似点
『裏切りのステージ』と過去に梓と彼女の兄である杉人が巻き込まれた『真犯人からの届け物』は類似点が見られます。
●波土はロープで首を吊っていた→杉人は犯人からロープによる自殺を強要された
●現場には遺書が残されていた→杉人は犯人から遺書を書くように要求された
●ベルモットがダジャレを言った→杉人は梓に呆れられるほど大のダジャレ好き
●トリックに野球のボールが使われている→この後に描かれるゼロの日常3巻で梓が草野球チームに参加していることが判明
●犯人はあるメールを削除する為に波土のポケットから携帯を抜き取った→犯人はあるメールを削除するために梓のポケットから携帯を抜き取った
布施「妊娠のことを『朝、カフェ』で聞いたから…女の子なら『朝香』!『Cafe』の『Ca』を取って『ASACA』ってね…」
●Cafe=喫茶店、娘=看板娘=梓
この布施の言葉は梓を現していると考えています。
沖矢「波土のベスト1は『血の箒星』ですよね?」
安室「いえいえ僕は『雪の堕天使』の方が…」
原作者の青山先生は大のガンダムファンで有名です。
深読みになりますが兄の杉人の無実の証明となったのは血と雪の中の写メだったので少し関連性もあるのかなと思ったりもします。
波土のマネージャーで元恋人の女性は17年前に彼の子供を流産しています
その事情を知った彼は17年前の曲に歌詞をつけようとしたものの書くことができず自殺してしまいました。
女性は「元恋人のせいで彼が自殺したと知られたら彼の家族に申し訳ないから」という理由で殺人に偽装したというのが真相です。
つまり波土の自殺は父親としての責任感からということ。
これは梓の父親の存在を示唆していると思います。
そして彼女の父親が脇田である可能性について記載したのがこちら
脇田「酸化還元反応が出ねぇから…水に毒は仕込まれてなかったようですぜ?」
長野廃教会殺人事件で脇田は薬物を検査できる道具を持ち歩いていることが判明しています。
彼は薬物に精通しているのは間違いありません。
コナンが左目を塞がれていた扉絵などから脇田を連想させた「迷宮カクテル」も毒物の事件でした。
これは脇田が薬物に精通した人物、麻薬取締官であることを暗喩しているのではないでしょうか。
また、私が脇田はマトリだと確信したのが「ゼロの日常」の2巻で梓が見た夢です。
喫茶ポアロの暇な時間帯に安室と梓はうとうとしてしまいそれぞれ夢を見ます。
安室は組織の夢で梓は虫のGの夢。うとうとして見た夢にしては奇妙ですよね。
光彦「麻薬取締官?」
コナン「マトリとかGメンって呼ばれてるよ…」 83巻
梓の見た夢に描かれた「G」はマトリの「G」だと思います。
その「G」をバーボンと並ばせることで安室がバーボンとして仕事をする際、脇田は麻薬Gメンとして共に仕事をしていることを表していると推測しています。
二人とも潜入捜査官ということになりますね。
麻薬取締官は厚生労働省の職員で警察官ではないので脇田が安室の直属の上司ということにはなりませんがマトリは警察と連携するのが一般的なので仕事上で交流があったのだと思います。
脇田は麻薬取締官としてのスキルを活かして現在はいろは寿司に潜入していると思います。
ちなみにこの時点(ゼロの日常2巻「あ…」)で安室は脇田の娘が同僚の梓だとは気付いていません(あくまで私の考察上ですが)。
この考察が正しかった場合脇田は安室が公安の降谷であると知った上で交流している数少ないキャラクターのうちの1人ということになります。
また「名探偵コナン」は組織の壊滅でなく完全な解毒剤を手に入れたコナン達が体を元に戻すことをゴールと考えるべき。
その意味でも薬物に精通した麻薬取締官の存在は今後大きな役割を担ってくれるはずです。