私は京都大学という地方大を出て東京就職をしたが、これは人生の大きな間違いだったと今は考えている。
もちろん誰しもそうだというつもりはない。
ただ、なんとなく周りに流されたり見栄で東京に出てしまった感があるので、それだけはないようにしてほしいという気持ちでこれを書こうと思う。
10年以上前の話になる。
京大での就活は華々しい大手企業からの求人で溢れていた。
今はどうか知らないが、やれマッキンゼーだの三菱商事だのそういうワードを大学構内でもよく耳にした。
そういう中にいると自然とみんな東京志向になっていく。
これが集団思考の怖いところだ。
日本有数の協調性がない京大生でもそうなのだから間違いない。
では実際に東京に就職してみてどうだったか。
東京で働くメリットについては色んなところでたっぷり聞いているとは思うので、自分はその裏側というか、闇の部分について書こうと思う。
ちなみにこれは自分がどうのだけでなく、周りの地方上京組を含めてどうだったかという点で書いている点はあらかじめお断りしておく。
【社畜どころではない、家畜】
社畜がどうとか言われているが東京での会社生活はもはや家畜に等しい。
うさぎ小屋のような小さい部屋に住まわされ、人権などないに等しい満員電車に詰め込まれて都心に輸送される。
満員電車の乗客に感情はない。
感情など持っていたらあの狂気の乗り物にはとてもじゃないが乗れない。
【感情をなくすほどに生きやすくなる矛盾】
満員電車に乗るにも、混雑する道を歩くにも他人のことを気にしていては疲れ切ってしまう。
満員電車では率先して体勢を維持しやすいわずかな空きスペースに移動し、周りがどけよと言わんばかりにホームを直進するほうが遥かに生きやすい。
最初のころは周りの人に苦痛を与えないか気になっていたが、それを気にしなくなったほうが正直過ごしやすかった。
環境に適応するのが進化だというが、これについては自分は退化だと思う。
【年収1000万円ないと生活がきつい】
自分が東京にいる頃には独身の年収800万円くらいだったが、ほとんどお金は貯まらなかった。
物欲はかなりない方だと思うが、食費と移動費と家賃と税金でかなり持っていかれていた気がする。
冷静に考えて20㎡なくて家賃10万円て頭おかしかった。
今は結婚して同じくらいの年収で地方に住んでいるが めちゃくちゃ金が貯まる。
体感だが、東京と地方では体感200万円くらい違っても同等の生活ができる。
【生命の危機を感じる】
何回か生命の危機を感じた。
最初に感じたのは3.11のとき。
あのときは半月くらい電車も寸断で動かず停電もあったり、メルトダウンで放射能影響がある話があったり世紀末感が半端なかった。
何が怖いかと言うと、何かヤバイことが起きたとしてもあの大量の人をどこかに移動する方法もなければ、移動したら首都機能が死ぬということが見て明らかなことだ。
最近でも台風のときの駅の行列がニュースになっていた。
こんなの頭おかしいって。
【走るのを辞めたら退場不可避】
ハムスターが走るやつみたいな生活。
息をしているだけでアホみたいに金が飛んでいくので、収入が途絶えた瞬間に退場を余儀なくされる。
止まると死ぬ
という気持ちで毎日過ごしていた。
【1000円出す飯がまずい】
東京は日本で一番おいしいものが揃っている。
ただし、めちゃくちゃ高い金を払うか、死ぬほど待つかのどちらかだけどね。
普通のリーマンにはそのどちらもムリだから1000円くらい出して食うわけだが、この1000円くらいの飯にとんでもない当たり外れがある。
適当に飯屋に入るくらいなら松屋か吉野家かファミレスに行ったほうが圧倒的に安全という。
ご飯好きの自分としてはこれは辛かった。
【それなのに就活で聞いた華々しい仕事をしている人は実はわずか】
就活のとき自分も色々な企業の説明会にも参加したし、実際にその企業に就職した友達もたくさんいたが、そのときに聞いたような華々しい仕事をしている人は実はかなり少ない。
これにはかなり個人差はあると思うが、想像していたのと違う仕事をしている東京での生活は残念極まりない。
【嫁さんの故郷が遠いと何かと大変】
東京で出会った人と結婚をすると、お互いの故郷が近いということのほうが珍しい。
付き合っているときだとあまり気にならないが、結婚してからとなると色々大変。
子どもできたとなるとどっちに行く顔を見せるかだけでも一苦労しそうだ。
あとは将来の介護とか家が遠いとそれだけで金がかかりそうで今から目をそむけている。
以上です。
もちろん一個人の感想です。
東京に行くなら覚悟を持って行ってください。
それが僕の願いです。