第7世代iPadを使った印象「最安モデルだけど、もはやほぼPro」(井上晃)
購入前に確認しておきたいのはディスプレイの仕様くらい
遅ればせながら10月4日に発売された第7世代の10.2インチiPadに触ってみました。仕様の解説は、既報に任せるとして、本稿では実機を触ってみた印象をお届けしたいと思います。
Gallery: 第7世代iPadを使った印象 | 4 Photos
第7世代iPadに触れたとき「うわー、もうこれで良いじゃん」と声に出ていました。画面サイズは10.2インチで、Split Viewでマルチタスクをするにも十分。第一世代Apple Pencilに加えて、フルサイズのSmart Keyboardにも対応したって、画面サイズ以外ほとんど昔のiPad Proみたいなものじゃないですか。
筆者は初代iPad Proが出た時に、諸々のアクセサリーを含めて計20万弱を投資した記憶があります(Wi-Fi + Cellularモデルを選択するなど、ちょっとだけ奮発はしましたけど)。それがいまやiPadとペン・キーボードを含めて、最小構成で6万3400円+税。本当に良い時代になりましたね......。
加えて、iPadOSが登場したタイミングということもあり、ソフトウェア面でもPCライクな運用が意識されています。ファイル管理がしやすかったり、公式推奨ではないとはいえ、マウス連携が可能だったり──と、当時のiPad Proよりも今のiPadの方が使いやすいのは確実です。
毎日持ち運びたい人もiPadで十分だと思う
重さを比べると、新iPadよりiPad Airの方が軽いです。またiPadの方がちょっと厚みがあります。具体的には、重さはWi-Fiモデルの場合iPadが483gでiPad Airが456g、厚みはiPadが7.5mmでiPad Airが6.1mmです。しかし、重さも厚さも致命的な差ではありません。iPadにSmart Keyboardを装着した状態で、家庭用のデジタルスケールに乗せてみたところ「729g」と表示されました。これはノートパソコンなら最軽量クラスに該当する値です。少しでも薄さや軽さによほどのこだわりがあるならば、より軽いiPad Airを選ぶ価値はあるでしょうが、そうでないのならiPadを選んでも十分満足できるはず。
ちなみに、予算に余裕があるのならば、eSIMにも対応したWi-Fi + Cellularモデルを選んでおくと、外出時でも場所を選ばずに通信できるのでオススメです。
メイン用途が事務系なら処理性能も全く問題なし
プロセッサーの性能が異なるじゃないか、という声がどこからか聞こえてくる気がします。iPadが搭載しているのは、「A10 Fusion」チップだからです。iPad Airは「A12 Bionic」ですし、11インチiPad Proは「A12X Bionic」。確かにこれらと比べると処理性能は劣ります。しかし、よくよく考えると、初代iPad Proって「A9X」だったんですよね。正直言って、いま初代iPad Proを使ったとしても性能面で困ることってほとんどなくて......。新しいiPadがA10 Fusionだから避けるべきっていう理由は少ないかもしれません(もちろん、サポートがより長いという意味では、AirやProを選んだ方がよいという視点はありますが)。
筆者としては、ARを多用したり、長編動画をよほど頻繁に編集したりするような人でもなければ、気せずにiPadを選んで問題ないだろうと考えています。例えば、メイン用途がメールチェックやブラウジング、プレゼン資料の作成くらいならば、iPadで十分です。
コネクタがLightningなのでiPhoneとアクセサリを併用しやすい
iPadのコネクタはLightningであり、USB Type-Cではありません。いまのところUSB Type-C対応は、iPad Proシリーズの特権となっていますね。一見、残念に思えるかもしれませんが、これも視点によっては追い風になります。例えば、MacBookを使っている人は、USB Type-Cケーブルを常用しているので、iPad Proを充電するときに同ケーブルが使えて便利です。しかし、iPhoneを使っている人が日常的に持ち歩くのはLightningケーブル......。
つまり、周辺機器類を併用できるという意味で、iPhoneのパートナーとして使う場合には、iPad(またはiPad Air)を選ぶのがオススメなのです(反対にMacBookシリーズのパートナーとして選ぶ場合には、iPad Proシリーズが良いと言えます)。......皆さんのスタイルはどちらでしょうか?
ただし、ディスプレイの性能差は確認しておこう
なんだかiPadを褒めまくってしまいましたが、注意したいポイントも一つだけあります。それは、iPadのディスプレイです。実は、フルラミネーションや、反射防止コーティング、ProMotionテクノロジー、Ture Toneなどには対応していません。「仕事で写真の色味を正確に確認しなくてはならい」という写真家・デザイナーさんや、「Apple Pencilでイラストを描きまくりたい」という絵師さんは、購入前に必ず実機を確認して問題ないか確認しておきましょう。例えば、フルラミネーションディスプレイではないため、Apple Pencilが触れるガラス表面と、ディスプレイに筆跡が表示される位置までにわずかなギャップがあります。ソフトウェア処理の向上によって、Apple Pencilのペン先の移動による筆跡のギャップは低減されているとはいえ、ペンの使用頻度によっては気になる人もいるかもしれません。
一方、電子ノートとしてメモをとったり、PDFにマークアップを書き込むような使い方では、これらの特徴が気になることはほとんどありません。ビジネスシーンでも、クリエイティブ系ではないなら、特に問題ないでしょう。
以上のように、多少の注意点こそあれ、第7世代iPadの費用対効果は非常に高いです。そろそろiPadデビューしたい人や、旧機種からの買い替えを考えている人は、ぜひ有力候補として検討して欲しく思います。
関連記事:
第7世代「iPad」を現地でハンズオン、Smart Keyboardに対応したことで3万円台のお手頃PCに
ちょっぴり大きくなった「第7世代iPad」、Airを取るかこちらを取るかが悩みどころ
第7世代iPadがさっそく分解される。スマートキーボード接続のための磁石配置やメモリ1GB増量
第7世代「iPad」を現地でハンズオン、Smart Keyboardに対応したことで3万円台のお手頃PCに
ちょっぴり大きくなった「第7世代iPad」、Airを取るかこちらを取るかが悩みどころ
第7世代iPadがさっそく分解される。スマートキーボード接続のための磁石配置やメモリ1GB増量
「TechCrunch Tokyo 2019」11月14日、15日に開催
広告掲載についてのお問い合わせはad-sales@oath.com までお知らせください。各種データなどはこちらのメディアガイドをあわせてご覧ください。