---------------------------
----S----031---------------
----c-----------------------------
----a-----------------------
----r-l-e-r-t--------------
-----------------------------------
-----------------------------------
---------------------------------------------------------------
荒木荘での暮らしも3年目となりました。
喜美子は内職でためたお金で来年の春から通う学校を決めました。
(喜美子)そこやったら週3日の絵画コースいうのがあるんで荒木荘の仕事と両立できます。
(さだ)荒木荘辞めへんの?大歓迎や~! アハ~ッ!
こっから学校通うん?はい。
(ジョージ富士川)そこ僕が特別講師頼まれたとこや。
はい!(ジョージ)ほな またお会いできますね。
(草間)喜美ちゃん!草間さんや~!
(ちや子)ヒラさんが いきなり辞めたで!
(タク坊)ちや子さんと違うてこっちは生活かかってるんで。
うちは ジョージ富士川先生が特別講師をやられている絵の学校に来年の春から通うことにしたんです。
絵の勉強を?はい。
そっか… 得意だったもんね。
一生懸命 学んでみよう思います。
そして その夜のことです。
℡
はい。 はい つないで下さい。
℡(常治)おう 喜美子か?
お父ちゃん!℡お母ちゃんがな 倒れた。
えっ?℡倒れたんや すぐ帰ってこい!
♪~
♪「涙が降れば きっと消えてしまう」
♪「揺らぐ残り火 どうかここにいて」
♪「私を創る 出会いもサヨナラも」
♪~
♪「日々 恋をして 胸を焦がしたい」
♪「いたずらな空にも悔やんでいられない」
♪「ほら 笑うのよ赤い太陽のように」
♪「いつの日も雨に負けるもんか」
♪「今日の日も 涙に負けるもんか」
♪~
♪「やさしい風に吹かれて」
♪「炎は再び舞い上がる」
・(さだ)大久保さん来はったよ~!は~い!
お母ちゃん 何ともありませんように…。
・(さだ)喜美ちゃ~ん?は~い!
♪~
すんません。(大久保)お母さん 倒れはったんやて?
どんな状態か電話じゃ話してくれへんのです。
ええ…。もう とにもかくにもはよ帰ってこい言われたんやて。
こっちのことはええさかいに はよ。すんません。行こ 行こ。
(雄太郎)あっ 聞いて頂けました?
誰も?誰も どこ行ったか知らんのですか?
いや お宅 同僚違いますのん?
ちや子さんが帰ってけえへんかってん。ええ?
(雄太郎)いや そやけど! あっ…。
冷たいな。
おっきな事件があったんちゃいますか?
そんな時でも連絡ぐらいあったやん。もう帰ってきぃひんのなんて初めて。
電話の感じやと 何か会社で もめたみたいやで ちや子さん。
(大久保)ええから! 今 これ喜美ちゃんに聞かしてもしゃあないがな。
(さだ)そやそや 汽車の時間。はい。 ほな 失礼します。
あっ 台所にお大根の皮で…。見たら分かる。 もうええから ええから。
ちや子さんも…。大根も ちや子さんも気にせんでええ。
もう こっちのことはええから。すいません…。
ほな よろしくお願いします。 失礼します。(雄太郎)気ぃ付けてな。はい。
行ってきます。
はあ… お母さん大したことないとええんやけど…。
(マツ)何て? 今 何て言うた?
(常治)そろそろや!何が そろそろ?
喜美子! もう そろそろ着く頃やがな。
分かってます。迎えに行かんでええ言うからほな 喜美子の好きな肉じゃが作っといてあげよ思て。
肉入ってへん肉じゃが作ってどないすんねん。 もう はよ寝え。
何で 寝なあかんの? あんた 仕事は?
お前が倒れたんや仕事なんか行ってられるかい。
倒れたん!? 倒れてへんで?今から倒れんねん!
もう はよせい。 もう ほら。ちょっと 火! 火が!
いいから ほら。火 火が!いいから もう ほら。
はっ!?はよ ここへ。
ただいま!喜美子姉ちゃん 帰ってきやった?
百合子 お帰り。 まだやで。
もう 来る 来る 来る… もう はよ はよ!何してんの?
倒れたんや!えっ お母ちゃんが!?
(女子高生たち)キャ~! キャ~!ここで待つで。
待とう 待とう!
(歓声)
キャ~! 信様!
♪~
信様!信様!
(信作)信様 信様 うっさいのお!
気色悪いさけ様は付けるな言うてるやろ!
何べん言うたら分かるんじゃ! この~。(3人)キャ~!
信様~! これ 受け取って下さい!受け取って下さい!
用済んだら うせろ! この~。(歓声)
もうちょっと渋めの方がええんかな?
この~。
違う。
ええ~!?
え… え… 何で帰ってきたん!?お母ちゃん 倒れたさけ…。
あっ あっ… 違う… 違うねん!違うねん 今のは あの…あの… 何かずっと つきまとってきよるさけ亡くなった伊賀のばあちゃんやったら何て言うかを考えてただけや。
伊賀のおばあちゃん亡くなったん?
そや 2か月ほど前な。そうなん…。
ばあちゃんの死は過去の俺をも葬ったんや。
話せば長うなる。
ほな 今度聞くな?待て~!
(直子)姉ちゃん!?
お帰り!直子か?
あんた でかなったなあ。いつまで休み?
休み?休み取ったんちゃうんけ?
ちゃうわ! お母ちゃん倒れたから帰ってきたんや。
お母ちゃん倒れたん!?知らんの?
お父ちゃん言うてたで?口きいてへん。
何で?ほんなこと言うてる場合か。
ほんまに倒れたんけ?ほや 倒れたから帰ってきたんや!
お母ちゃん!? ただいま帰りました!ただいま~。
喜美子姉ちゃん!百合子~ かわいらしゅうなって!
お母さん倒れたって ほんま?直姉ちゃん また居残りやったんけ?
うっさい!居残りて 何?勉強できひん…。
言わんでええ!あ… やめえ! 何してんねん!
お母ちゃんは?奥や。
奥? 寝てやんの?倒れたて どないしたんや?
お父ちゃん。
(せきばらい)
♪~
ただいま戻りました。
あの… 急やったんで何にもお土産買えへんかって…すみません 手ぶらで駆けつけました。
お母ちゃんは? 大丈夫なん?
座れ! いつまで突っ立っとんねん。
直子。
パンツ見えんで? ちゃんと座りぃ。
はあ… まあな これで3人そろうた なっ。
お母ちゃんは?話 済んでからや ほら…。
顔上げぇ。
直子。
顔上げぇいうのはこっち向けいうこっちゃ。
見たら 目ぇ腐るさけ。腐っ… 腐る!?
親の顔見たら 目ぇ腐んのか!?もう一回 言うてみぃ!
もうええよ 話して 何の話?
も… もう戻らんでええ。 なっ?
大阪 戻らんでええから。はい?
荒木荘の あの… さださんなもう電報打っといた。
あの ちゃんとわびの電話も入れとくさかい残りの荷物も送ってもらう。何 言うてんの…?
こいつや! うちのこと頼むわ もう…。
お前に任した。え…?
あの~ 新しい仕事な信楽で ちゃんと見つけたるさかい。
以上!
何が「以上」やのん?また そんな一方的に言うて。
お母ちゃん…。喜美子。
お母ちゃん…。お帰り。
よう帰ってきたな。何 持ってんの?
ああ… あんた帰らすためにお母ちゃん倒れたて うそついたんやて。
もう さっき聞いたとこやねん。寝てるふりせえ言われてん。ごめんなあ?そうか よかったわ 何ものうて。
感動の再会中 悪いけどなまあ そういうこっちゃ…。
そういうこっちゃやないわ!喜美子の気持ちも…。
ほんま倒れてまうやろ!?今のままやったら!
体調悪いんは ほんまの話や。夏に 1回倒れよってん。
夏バテや。姉ちゃんいんと この家 まわらん。
ずっと いんのん?
もう どこも行けへんわ。うれしい! やった!
ちょっと待ってや そんなん無理や。うち明日 大阪戻るで。
あかん。戻るで?あかん!戻るで!
(談笑)
何で… 急に帰ってきよったんや。
(大野)いきなり?いきなりや。 もう分からへん 分からへん。
(陽子)うれしいて たまらんやねえ?
喜美子~ 喜美子!
(大野)目の前にいやります。
喜美子! 酒 酒。
もう頂いたのしか残ってへんよ?(黒岩)ええがな 飲んだら。
飲むために持ってきたでよ。すんません ありがとうございます。
ほな 遠慮のう 頂きます。はあ~。
はよ。しっかりしよって。(森)ほんまやのう。
どこがや!まだまだ子どもや 子ども。
大人や もう大人。子どもや 子ども。
あんた! うちらは ぼちぼち。ああ。 ほな 我々も行きまひょか。
何や ちょお オゥちゃん!オゥちゃん これからやん。
(所沢)ああ ああ 明日もあんでよ。喜美子! ほら…。酒! 喜美子!はいはい。喜美子~!はよ!
(いびき)
大丈夫? 帰った早々 疲れたなあ?
あら~ 手際ええね。もう片づいてんのん?
うち 明日帰るで?お父ちゃん あんなこと言うてたけど…荒木荘の仕事ほっぽり出すようなことはできひん。
肉じゃが 作ったげたかったなあ…肉入ってへん肉じゃがやけど。
何で肉入ってへんの?
うちの仕送り どうしてんの?
毎月送ってるやろ?肉買えへんわけないやん。
買い忘れた。
お父ちゃんの仕事 どうなん?
あのオート三輪あれ買うたん? 借りたん?
もう休みぃ。明日帰るんやったら はよ寝なさい。
汽車の時間分かる? お金あんのん?
あるよ 持ってきたさけ…。少し置いていこか?
ええ ええ。 要らん 要らん。もう寝なさい。
あとは お母ちゃんがやっとくさかい。
喜美子が大阪にいる間に川原家に 一体 何があったのでしょうか?