い(い)きる。

生きることは言い切ること。

文庫化記念!現役JKによる『JKハルは異世界で娼婦になった』大紹介!! 

こんばんワセリン!

正真正銘本物ピッチピチビッチビチの女子高生ブロガーであることころの、JKバル(本名:バル・バス・バウ)だよ!今日は、そんなアタシ達JKにとってのバイブル(聖書)……いやむしろバイブ(性具)!と言っていい傑作小説を紹介しちゃうわよ!

は?本物のJKは「わよ」なんて言わない?

オメー日本中の現役女子高生一人残らず全員確かめてみたのかよ?違うよな?ああ?っとに、ふざけんじゃねーわよ、死ねわよ。

……コホン!さて、そのJK小説史に不滅の名を残すタイトルとは……

平鳥コウ『JKハルは異世界で娼婦になった』で〜っす!ウェ〜イ!

初出は「小説家になろう」の女性向け18禁別館「ムーンライトノベルズ」にて掲載されたweb小説だよ。

JKハルは異世界で娼婦になった - 小説家になろう

エロに見せかけてその内に秘めた、フェミニズムとかジェンダーとかエンパワメントとかなんかそんな感じのアレが高い評価をゲット!そのおかげで、なんと!よりによって!あの!SFの老舗である早川書房から書籍化されたのがだいたい2年前ね。

JKハルは異世界で娼婦になった (早川書房)

JKハルは異世界で娼婦になった (早川書房)

これにより新たな読者を獲得して各方面から大絶賛!「異性愛者で(おそらく)恋愛経験もなさそうなひとたちが、作品中の人間関係を、明示されてもいないのに、「百合」とかいって喜んでいる」で有名な書評家の牧眞司氏もコラムで褒めちぎってたわ!


フェミニズムとかジェンダーとかエンパワメントとかなんかそんな感じのアレなので、はてなの燃えるキリンも反応!

当然、「前年度の1月1日から12月31日までに刊行されたSF&ファンタジー関連作品を対象に、性的役割というテーマを探求し深めたものに与えられる」センス・オブ・ジェンダーも受賞……え?してない?


へ〜、作者はともかくハヤカワはいかにも狙ってそうに見えたのにな〜、意外〜。

ともかく!そんな傑作へみにずむ小説であるJKハルが待望の文庫化よ!しかも、コミケ?とかいうの?(オタクくさいので行ったことがない)で売った短編集もついでに商業で出るらしいわ!よっ、この商魂!

JKハルは異世界で娼婦になった (ハヤカワ文庫 JA ヒ 5-1)

JKハルは異世界で娼婦になった (ハヤカワ文庫 JA ヒ 5-1)

それにマンガの単行本も出るんだって!し、新潮社!?それってあの差別の発信基地「新潮45」の!?大丈夫かしら……不買運動の影響が無ければいいけど……

JKハルは異世界で娼婦になった 1巻: バンチコミックス

JKハルは異世界で娼婦になった 1巻: バンチコミックス

この辺をまるっと記念して、これからアタシが『JKハル』のカンペキな紹介をしてあげるわ!覚悟しなさいキモータども(^_-)-☆

まず『JKハルは異世界で娼婦になった』とはどういう物語なのか。簡単に説明すると、

  • JKのハルちゃんが、
  • 異世界に行って
  • 娼婦になる

お話よ!最近のラノベはクソ長いタイトルを見るだけで内容が全て分かってしまうから便利なのよね……(しみじみ)

まあ、そんな現代のモード(流法)について来れない時代遅れのポンコツどもも中にはいるだろうから、もう少しだけ詳しく説明してあげるわ!

ここでいう「異世界」というのは、中つ国とかアースシーとかナルニア国のような、それぞれ独自の歴史や文化を作り込まれたオリジナリティのあるファンタジー世界、ではなく。漠然と「中世ヨーロッパ」っぽーい、「レベル」とか「ステータス」とか「スキル」とかのレベルRPG的ーな、薄っぺらーい……要するにいま流行りの、異世界転移転生チート奴隷ハーレム俺TUEEE!とか、そういう意味での「異世界」よ!

その作り込みの浅さについて、SF作家兼前と学会会長兼元ディードリットに、異世界でシャワーが出るのはおかしいとかなんとかツッコミ入れられたりもしたわ!

ムッキ〜٩(๑`^´๑)۶最近読んだ『神は沈黙せず』がちょっと面白かったからって許さないぞ〜!JKの黄金シャワー浴びせたろか?オ〜〜っ?

あのねえ!シャワーが出るとか出ないとか!そんなチマチマした設定はアタシら選ばれしJKハル読者にとっては、どーーーーでもいいことなのよ!重要なのはそこじゃねぇの!

現代日本でJKやってた主人公の小山ハル(関係ないけどこの文章書き始めるまでずっと「神田ハル」と勘違いして覚えてたわ)は事故って死んで、「くっさいソシャゲみたいな世界」に転生する。普通のくっさい異世界転生なろう小説なら、そこから主人公の植民地主義的・啓蒙主義的なやりたい放題大暴れが始まるところだけど……そこは、極端な男尊女卑の世界だったの!

転生者でも男なら冒険者になれるけど、女にそれは許されてない。あとなんやかんやの事情で(よく覚えてない)、女転生者のハルがつける仕事は娼婦ぐらいしかなかった、というわけ。娼婦という仕事柄、客との関係などで理不尽でツラいこともありつつハルちんは持ち前のたくましさ?柔軟性?なんかそんな感じのメンタルパワーで異世界生活に適応していくのだった……

察しのいい人はもう気づいただろうけど、JKハルの舞台になってる「異世界」は、実のところ現実、アタシ達オンナが生きてる「この世界」の縮図として描かれてるの!オンナがオンナであるというだけで人格が抑圧されてやれることも制限され、オトコは痴漢セクハラモラハラし放題!というこの腐った世界の!もちろんそれを見つめるハルの視点(物語は基本的にハルの“リアル”且つ“ユーモア”あふれるJKらしい軽妙な一人称で記述されてるわ)は、極めて批判的なものになってるわよん。

ちなみに、平鳥コウ先生はJKハル以前には、人妻催眠ものの「人妻人形日記」などジャップオス向け性暴力女性搾取作品を書いていたのだとか。兵器産業で荒稼ぎしたトニー・スタークが、アイアンマンになって罪滅ぼしするみたいなものね!カッコいい!犯して!

人妻人形日記 - 小説家になろう

ここがアタシ達JKとかつてJKだった女性読者、それに、かろうじて問題意識を共有していなくもない男性読者に高く評価されてるポイントってわけ。でも、JKハルの素晴らしいところはそれだけじゃないわ。

ハルは一人で転生してきたわけじゃなく、実はもう一人同時に転生した男がいたの。というか実質的にそいつに殺されたみたいなものなんだけど、その名は「千葉」。現世ではハルの同級生だった男子だけど、コイツは要は「チートで調子に乗った典型的ななろう主人公」の役割ね。

アタシはあんまり詳しくないんだけどさー、クラスのオタク君どもが噂してたところによると、なろう小説では主人公とは別に「典型的ななろう主人公」的なキャラを脇役として置いて、そいつを何らかの形でボコボコにするという手法が、一つのスタンダードになってるらしいじゃん?メジャーなところでは、『このすば』のミツルギなんかがそうね。

それによって、この作品は「典型的ななろう小説」とは一線を画していますよという独自性のアピールになるとかナントカ。オタクはイヤラシイことを考えるものねえ。これだけなろう小説が流行っていながら、実は作者も読者も全員「なろう系」ジャンル自体には一切思い入れが無くむしろ小バカにしていて、内心では「なろう系は99.999999999999999999999%ゴミだけどオレが書いてる・読んでるこのすば/オバロ/リゼロだけは神」(※作品名はあくまで例であり他意はありません)と思ってるしょーもない状況が背景にあるらしいけど、ま、それはどーでもいいわ。

この千葉もその役割を存分に果たすダメダメなキャラなんだけど、その描き方がみょーーーーに生々しいのよね。転生前はオタクで陰キャでニキビ面のクソ童帝。転生後は、ハルに対して恩着せがましく庇護者めいた振る舞いを取りつつ、チート能力で逆転した立場を存分に利用して、かつてカースト上位だった相手を金で買ってセックスする歪んだ喜びにひたる。

「はぁ、はぁ、やべ、俺、小山とやってる……関口たちに教えてやりてえ……」

 つーか、あたしがこっちの世界に来るまで、隣のクラスの三代目系イケメンサッカー部と付き合ってたのコイツ知ってるくせに。

 そういうの込みで興奮してやがんだ。寝取ったつもりでいるんだ。誰がおまえなんかにバカヤロウ。

うっへぇキッモ!

単なる「典型的ななろう主人公」としては過剰なほどに、なんでここまでキモキモに描かれてるのかというと、それは同時に千葉が、「なろう小説の作者・読者」の象徴でもあるからなのよね。

現世ではダメダメだったオレが異世界ではチート能力で金!権力!女!をガバチョガバチョ!という都合の良すぎる一般的ななろう小説を書いたり読んだりしてるのが、どんな奴か分かる?

……キモオタクソ童貞以外存在しねぇに決まってるだろうが!こんなもん、腐女子の正体が肛門オナニー狂いの根暗女だってことと同じぐらい自明の事実でしょ!?

千葉というキモオタ童貞キャラクターを描くことで、平鳥コウ先生はなろう作家・読者の醜い心性を徹底的に暴こうとなさっているのよね……尊いわ……

そして、実はこのメタ的な仕掛けは千葉という一キャラに留まらないわ。JKハルの舞台となる男尊女卑の世界、それ自体が「小説家になろう」というサイトの象徴なの!異世界転移転生チート奴隷ハーレム俺TUEEEのような、男性に都合のいい物語だけが延々と投稿され続ける現代のソドム!それが「小説家になろう」というサイト!

つまり、JKハルの男尊女卑な異世界は、「異世界転移転生チート奴隷ハーレム俺TUEEE」が支配する男根主義的な「小説家になろう」でもあり、我々が住むこの女性抑圧的なクソッタレ現実世界でもある、という重ね合わせになっており、その全てが批判されてるのよ。なんて美しい三重構造……(T_T)

え?「小説家になろう」には、女性主人公の作品も女性作家の作品も女性向けの作品も色々たくさんあるのでは(悪役令嬢とか)?それらはそれらで女性にとって「都合がいい」内容なんじゃないの?そもそも、JKハルが掲載されてたのも、なろうの女性向け18禁別館なんだから、女性作者・読者に居場所が無いとか虐げられてるってのは考えにくいんじゃ?って?

おい……それ以上調子に乗ってっと、マック(McDonald's)で〝語る〟ぞ……?JKにマックで〝語られ〟て生き残った人間は一人もいないってハナシ、聞いたことぐらいあんだろうが?なあ、シャバゾーよぉ……?

あのねぇ!なろうの実態との乖離だのなんだの、そんな細かいことは考える必要は一切無いわ!

ゴチャゴチャした複雑な現実をバッサリ単純化して読者を接待するのが優れたエンタメってものでしょうが!なろうは男性原理に染まった“悪”!こうまとめた方がスッキリするしラクチンチンでしょう!?

それに、今はなろうなんていくらブン殴ろうが、擁護する奴も滅多にいないから安心安全!それどころか、ロクになろう読んだこともない知ったか書評家が「アンチ異世界転生」とか言ってベタ褒めしてくれんのよ!?ウハウハのボロ儲けじゃない!楽しいこと見つけて、そればっかりやってて、何が悪いのよォ!

死に至る病、そして

死に至る病、そして

さて、未読者向けにJKハルの大雑把な魅力はだいたい伝えられたと思うけど、最後にもう少しだけ本編の具体的な内容に触れた話もしたいわね。というわけで、ここから先はネタバレ有り、というか全開になるわ。それでも構わないという人だけ読んでね♥

(ネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレネタバレ)

ふぅ、このぐらいでいいかしら。

物語終盤。なんやかんやあって同僚の娼婦を兵隊の戦時性暴力で殺されたハルはブチギレて、実は持ってた超TUEEEチート能力で加害者の兵士たちを全員ブチ殺してしまうの。それはまあ別にいいんだけど、それからなんやかんやあって数日後のこのセリフ。

「ここは男子の遊び場で、男子だけの楽しいごっこ遊びの世界なの。自分たちの都合の良いルールと趣味だけで盛り上がって、ちょっとツッコまれたらムキになって。だけど、そろそろ女子のことも意識していいんじゃないかなー。女子の考えてること知ったら、もっといろんな発見あるのに。自分たちの世界を壊されるの怖がってるのかもしれないけど、いつまでも内輪だけで盛り上がってたらそりゃキモいって言われるよ。もう少し開けよ。女子の話も聞けよ。そうすりゃもっと大人で、陽キャな世界になれるのに」

「でも、全部が嫌いってわけじゃないよ。面白いところあるし、良い人もたくさんいる。友だちだって出来た。住めば都だなんて思わないしクソ田舎だと思ってるけど、あたしから踏み込んでいけば、心を開いてくれないわけじゃないのわかってるし。それでも上手くいかなくて泣きたいこと多いけどさ。ひどいことされてキレるときだってあるよ。でも、報われないばっかりじゃなくて、楽しいこともあるし、笑っちゃうようなこともちゃんとある。娼婦だけど、毎日ぎりぎりだけど、あたしはここで生きてるんだって感じてる」

。。。。。。。。



はっ!ゴメン、今ちょっとアヘ顔になってたわ(※ここで言うアヘ顔とはハの字困り眉で紅潮した表情のことで、性的絶頂とは無関係です)

何度読んでもスゴい……スゴすぎるわ……

このセリフの「ここ」は当然、JKハルの異世界小説家になろう≒現実世界の三位一体を表してるわけなんだけど……このスゴさが伝わらない鈍い人のために、敢えて801でたとえてあげるとこんな感じよ!

腐女子が謎の絶対的な力で支配する異世界。そこに召喚された女顔のノンケ男主人公が、「受け」としてガタイのいい男と無理やり番わされアナルを犯される毎日を送っていたところ、ある日ひょんなことからブチ切れて巨根絶倫オラオラ系の本性を表してしまう。支配層の腐女子を皆殺しにした挙げ句、血まみれの巨根をブラブラさせた主人公が「俺さあ、BLも全部が嫌いってわけじゃないんだよね〜(^^)」と嘯く……

みたいな!そんな血も凍るほどの殺伐とした状況でありセリフなのよ、これは!ヒェ〜〜〜〜!

は?男女や、なろう小説とBLにはヒタイショーセーがあるから単純に反転はできない?

……まあ、アタシ馬鹿だからヒタイショーセーだかチツナイシャセーだかよく知らないけど(ガン無視)!とにかく、JKハルが恐ろしいほどにトンガった小説だということは、これで十分伝わったわね!アンタたち、JKハル文庫版、絶対買いなさいよ!マストバイだからね!ロミオ・マスト・バイ!

ロミオ・マスト・ダイ [Blu-ray]

ロミオ・マスト・ダイ [Blu-ray]

そういえばちょっと前に、献血のポスターのオタク絵がエロ過ぎるからやめろみたいな話があったじゃない?アタシもああいうオタ向けの下品な巨乳絵キモくて嫌いだし、アレに釣られたキモオタの血は輸血されたくね〜(苦笑)。だからさあ、今度の献血コラボはJKハルでやれば良くない?作品としてもフェミでジェンダーでエンパワメントでなろう叩きと四拍子そろった傑作だし、何よりイラストも胸が小さくて健全!これなら、アタシたちJKもドバドバ血を抜いてもらいたくなるはず!どう?名案でしょ?

輸血を必要とする患者さんへの感染を防ぐため、過去6カ月間に下記に該当する方は、献血をご遠慮いただいています。

・不特定の異性または新たな異性との性的接触があった。

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とても良い人生のために 失敗の思いがけない恩恵と想像力の大切さ

とても良い人生のために 失敗の思いがけない恩恵と想像力の大切さ