或る物書きの英語喉と小説まみれのジャズな日々

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今スグ使える生きた英語 第11回「ネイティブが普段使う感謝の表現」

 

 

このシリーズは学校の授業では習えない、今を生きる英語ネイティブ達が日常で普通に使う言い回しを筆者自身の経験を通して選び、紹介するものである。ネイティブとの会話や、英語圏のメディアでしばしば出くわす表現など、覚えると使い道が多い便利な言い回しを知っておこう。

 

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ネイティブの日常の感謝の表現

 

今回の『今スグ使える生きた英語』は、ネイティブが日常で誰かに感謝を伝える時によく使われる表現を紹介しよう。つまり Thank you だけではなく、どのような言い回しが使われているかである。

 

ネイティブの日常での感謝の表現には、もちろん Thank you も使われるのだが、筆者のネイティブ交流の経験から言うと、特に若い世代のネイティブは Thank you を言わないで感謝を伝える方がクールで良い、という価値観を持っているように感じた。

 

その感覚は分かる気がする。日本語でもそうだが定番の挨拶言葉はともすれば事務的、義務的な響きを伴いかねない。だから「感謝」を表明する場合に「事務的」じゃありませんよ、心から感謝してます、という意味合いから Thank you 以外が好まれるのだろう。

 

ともあれ、いかにもネイティブらしい表現がいくつかあるので紹介しておこう。シンプルで覚えやすく、感覚的に使いやすいフレーズが多い。

 

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基本の Thank you くだけて Thanks

 

まず基本を確認しておこう。きちんとお礼をする場合や感謝を表明する場合は、言うまでもなく Thank you が基本中の基本ではある。

ちなみに後につけるvery much や so much はどちらでも大差ないが、so much の方が若干エモーショナルな趣きが出る。

 

また Thank you の後に for をつけて何に感謝しているかを強調することができる。

例えば・・・ 

Thank you for coming.

来てくれてありがとう。

Thank you for your compliment.

お褒め頂きありがとうございます。

 

Thanks という言い方をよく耳にすると思うが、これは少しくだけて感謝を伝える時に、カジュアルに使える。

 

また、Thanks のあとにa lot や a bunch を添えて感謝の意を強めることができる。ただの「ありがとう」「おおきに」が「とてもありがとう」「めっちゃおおきに」に変わるニュアンスだ。いくつか言い回しを挙げておこう。

 

Thanks a lot!

Thanks a bunch!

Thanks a million!

Thanks a billion!

Thanks a ton!

   

さて、前述の通りネイティブの普段の会話は、Thank you や Thanks 以外の表現がどんどん出てくる。筆者が分類するに、「称賛」で「感謝」に代えるパターンと、「評価」で「感謝」に代えるパターンが存在している。

 

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称賛で感謝を表現するパターン

 

ありがとう以外の言い回しで、若い世代のネイティブがお約束と言えるほどよく使うものを紹介する。これは実際にネイティブ友人たちがしばしば使っていたので、生きた情報である。 

 

You're awesome!   

本来はそのまま「君は素晴らしい!」と言う感じで使われる褒め言葉の代表的なものだ。 

awesome は「素晴らしい」の意味を持つが、感謝の場面でストレートに「あなたは素晴らしい!」と称賛すること自体で、感謝を強く表現するのである。

 

ちなみに響が似た言葉で意味が「真逆」のものがあるので、日本人には要注意だ。

awful

これは「ひどい」とか「不快」「目も当てられない」のようなニュアンスだ。

間違っても You're awful! などと言ってはいけない。(笑)

 

You're the best!  

気持ちが高ぶるほどの感謝の意を称賛で表す場合によく使われるのは、何と言ってもYou're the best! だ。

これも本来は、褒め言葉としてよく使われる言い方である。「おまえ最高!」というニュアンスだ。

 

感褒め言葉で使われるもので言わば最上級なのだから、称賛の度合いもマックスだ。それを感謝の表現に持ってくることで、感謝の大きさが伝わるのだ。

 

日本語だってそのような言い方はある。お礼を言う場面で「ありがとう」ではなく「おまえってサイコー!」「あなたって最高ね!」と表現するニュアンスと同じである。

 

You rock!

これは若干スラング寄りの最高の褒め言葉で、若い世代にはもっともしっくりいく言い方のようだ。日本語で言うなら良い意味での「ヤバい」や「イカす」などに近い。

だから通常は誰かを称賛する場合に He rocks!  「彼サイコー!」や They rock! 「あいつらヤバい!」などと使われる。

 

これはおそらく rock の持つ「揺り動かす」の意味から生じたスラングであろう。

これをお礼する場面で言うと、もうとんでもなく感謝している気持ちが伝わるのだ。

 

ちなみにこのrock の意味の真逆は suck である。本来は「すする」「しゃぶる」の意味だ。

You suck!  He sucks!  It sucks. など貶(けな)す時に使われる。全然ダメだと言っているのである。

あまり知られていないが、この意味での suck をさらに強めると blow になる。

He blows! は最高の貶し言葉だ。このスラングは「やさぐれブライアン」が教えてくれた。(笑)

 

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評価で感謝を表現するパターン

 

これはご存知 appreciate を使う言い方だ。この言葉は「正しく評価する」「ちゃんと認識する」の意味であり、それがお礼を言う場面で使われると結果的に感謝を表現するのだ。その appreciate の使い方を紹介しよう。

 

この言葉は評価する対象が「物」や「事」であるのがポイントだ。

I appreciate you. とは言わない。

I appreciate it. のように使われる。

 

I appreciate your help.

手伝ってくれて助かったわ。

 

などの使い方になる。「あなたの手助け」を「ちゃんと評価」しますと述べることが「感謝」していることの伝え方になるのだ。

また、次のように Thank you に添えて使われることも多い。

 

Thank you!  I appreciate your time. 

ありがとう!時間を作ってくれて。

 

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 辞書の膨大な項目の不粋さ

 

余談だが、人々が直接「感謝」の言葉を使わず感謝を表現するために使われる言葉が appreciate であって、その結果として「感謝」の意味が発生するものなのに、辞書ではそういう使い方から結果的に生まれる意味さえ、不粋にも項目に加えられている。

 

appreciate は appreciate であって、それが使われる相手や場面、対象との関係性で言葉としてはさまざまな表現になるだけなのに、最初からそこまで想定して項目として覚える意味はあるのだろうか?これは他のすべての言葉でも言えることだ。

 

使い方で生まれる意味は、せいぜい例文としていくつか参考に挙げるぐらいで充分である。誰でも使えばわかってくるのだから。それをすべて項目に設定するのはナンセンス極まりない。だから辞書は情報が多過ぎて分厚くなるのだ。

 

例えば go とか it などの、その場その場で色々な意味に使えるカメレオン単語を辞書で引くと、あまりの膨大な項目に呆れてしまう。

「行く」「それ」がコンテクストで変化するだけなのに・・・。言わば無限に存在するので、それをすべて項目にするのは無理がある上、意味がない。

 

実際、たとえばアカデミー賞の授賞式で使われる And the Oscar goes to 〜 という表現は辞書には載っていない。

 

それとも未来の辞書には「(賞や称号が)〜に授与される」とでも追加されるのだろうか?「オスカーは〜の元に行きます(行きました)」で、つまり go のまんまの意味で全く問題ないのに。辞書にはこれと同じようなことが数十項目も掲載されているのだ。

 

それらをすべて覚えないといけないとなると、いつまで経っても英会話を楽しめない。純粋に言葉の持つ意味だけで辞書を作れば十分の一ぐらいの量になって、英語学習ももっと取っつきやすくなるだろうに。

 

ともあれ英語喉でやればよく聴こえてよく伝わるので感覚もさばけてきて、言葉を言葉が本来持つ意味でとらえるようになって会話の自由度が増し、楽しく学べるようになるのだ。

 

 

では、また次回をお楽しみに。