エロくはない堕ちる話の小話です。
ちょっと思い浮かんで書いただけの物なのであまり期待しないでください。
僕には不思議でならない事がある。
それは僕の同級生であるミヨちゃんの事だ。
彼女は賢かった。
小・中学校ではいつもテストや試験でずば抜けた成績を残し、
高校受験も早々に推選で進学校に内定をもらっていた。
そんなミヨちゃんの話。
僕は大学生になるまで学業で平均よりちょっと低いくらいの成績しか残せなかった。
そんな僕にとってミヨちゃんは恋心とは違う意味での憧れを抱く存在だった。
授業も宿題にも真面目にとり組み、云わば優等生。
いつも先生や大人達に褒められていたし、
そんなミヨちゃんを引き合いに僕はハッパを掛けられていた。
ミヨちゃんとは別の高校へと進学した僕はある噂を耳にした。
ミヨちゃんに彼氏が出来た。
別にショックは受けなかったが、少し驚いた。
僕は彼女が勉強以外に興味があったのだという事に驚愕した。
言ってしまえば、少し冷めた女の子だったからだ。
僕等より大人びていて同年代の人間と仲良くする事もあまりしなかったから。
しばらくしてミヨちゃんを下校中に町で見かける様になった。
最初はあまり気にも留めず、『あっミヨちゃんだ』程度にしか思わなかった。
ただ、よくよく考えると僕の下校時間とミヨちゃんの下校時間が被る筈が無いのだ。
進学校のカリキュラムでは補習などを行っていている筈だから。
またしばらくして、垢抜けた様子のミヨちゃんを見かける様になった。
彼氏が出来たからなのだろうと納得する一方、
あのミヨちゃんが年相応の化粧やオシャレをしている事に改めて驚いた。
僕が大学受験を終え、久々に中学生の頃の友人に出くわした時だ。
ミヨちゃんが高校での成績が悪くなり、ついには退学してしまったと聞いたのは。
今度こそ声を上げる程驚いてしまった。
いくら彼氏が出来ようとオシャレをしようと、彼女の成績が落ちる様な事がるだろうか?
しかも、高校を中退したというではないか。
大学生の頃、帰省した折に改造した軽自動車をよく見かける事があった。
重低音と改造したマフラーを鳴り響かせ、車体を低くした車。
ミヨちゃんの車だと知った。
スモークを貼っているので、運転手は分からなかったがミヨちゃんが運転していたらしい。
地元で再会する友人の皆が口を揃えて出す話題はミヨちゃんの事ばかり。
皆もそれなりに衝撃を受けているのだろう。
未婚の母である事。男癖が悪い事。子供をほっぽり出して遊びまわっている事。
ミヨちゃんが原因で家庭が崩壊した事。
まるで想像の付かない事ばかりで、本当かどうか疑ってしまう。
しかし、成人式でその話が事実であることを思い知らされる。
式場に乗り付けた、見るからに厳つい車から降りてきたギャルがミヨちゃんだった。
皆が呆気にとられていた。
ド派手なミニスカの晴れ着、ボリュームがおかしい髪型、
寒い季節には不自然な日焼け、運転席でミヨちゃんに話しかけるガラの悪い男、
まるで着せ替え人形の様に髪を染められ派手に着飾った子供を連れていた。
そんなギャルがミヨちゃんだった。
ミヨちゃんは懐かしい顔を見つけると満面の笑みで近づいて行き、
自分がミヨであることを告げた。
皆に衝撃が走った。
一人ケラケラと笑うミヨちゃんだけが浮いていた。
僕が大学を卒業し就職の為地元に戻ってきた頃、ミヨちゃんと会う機会があった。
相変わらずミヨちゃんはギャルのまんま。
ミヨちゃんは僕に馴れ馴れしいぐらいのスキンシップをとってきた。
結局、僕はそれからもミヨちゃんとは一緒に遊んだりするようになった。
考えてみれば学生時代より関わることが多くなっているように思える。
ただ、ミヨちゃんの言動を見ていると僕がかつて憧れたミヨちゃんはもう居ない。
彼女がどうしてこうなってしまったのかは、分からない。
あの賢かったミヨちゃんが・・・