AIは1950年代に誕生してから数十年にわたって研究・開発が続けられています。そのため、様々な技術が開発され、AIと類似あるいは簡単化した技術が多数存在しているのが現状です。
最近になってAIが大きな注目を浴びるようになっていますが、我々の身近にある白物家電だけをみても、10年以上前あるいは20年以上も前から自己判断により動作を変える機能が付いています。これもAIなのでしょうか?
そう考えると一つの疑問が湧いてきます。AIは、いったいどのように定義されるのでしょうか?
AIとは何か?
AIとは何か?これは実に難しい問題です。実は現在、厳密な定義は定まっていません。情報工学者・通信工学者の佐藤理史は、「日本大百科全書(ニッポニカ)」の解説で次のように述べています。
これまで人間にしかできなかった知的な行為(認識、推論、言語運用、創造)を、どのような手順(アルゴリズム)とどのようなデータ(事前情報や知識)を準備すれば、それを機械的に実行できるか」を研究する分野である。
日本大百科全書(ニッポニカ)
イメージからいうと、AIとは、コンピュータや機械が見たり、聞いたり、話したりという人間の知覚に近いもの、または、人間の脳の認知、学習、判断、行動などの機能を、人間の脳とは違う仕組みで実現する技術といえるでしょう。
残念ながら、これらの説明もあいまいな部分を多分に含んでおり、定義とは言い難いですね。
AIの研究テーマ
AIの分野における代表的な研究テーマには、「知識」「推論・探索」「知覚」「機械学習」「自動計画」が挙げられます。
例えば、「エキスパート・システム」は、ある狭い専門分野のエキスパートが持っている知識を取り込んで、その分野の専門家のように振る舞うコンピュータ・システムのこと。
「推論」は、与えられた知識・情報から答えを導き出す仕組みである。「探索」は、解くべき問題をコンピュータに適した形で全ての可能性を検討し、検索することで正しい解を提示すること。
センサー(音声や温度、色、触覚など)からの入力を使用して、外部世界を推測する機能。音声認識や画像認識などの成果は既に実用化されている。
与えられた大量のデータ(画像や音声、数値、テキストなど)を使用して、コンピュータが自らルールや知識を学ぶ技術のこと。最近では、ニューラルネットワークを用いた学習方法の一つであるディープラーニングに関する研究が盛んである。
全体的なパフォーマンス指標を最適化しながら、目標を達成するための行動方針を見つけること。AIの計画アルゴリズムは、リスク管理、防衛、対話管理、医療、サイバーセキュリティ、分析および公共交通機関などの様々な分野に適用されます。
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