世界選手権2連覇中で20歳のネーサン・チェン(米国)がショートプログラム(SP)、フリーともに1位の合計297・16点で第1戦のスケートアメリカに続いてGP2連勝を果たし、シリーズ上位6人で争われるファイナル(12月5~7日・トリノ)進出を決めた。SP4位の宇野昌磨(21)=トヨタ自動車、中京大=はフリーもジャンプの転倒が相次いで136・79点の9位と振るわず、合計215・84点の8位に終わった。ファイナルを含むシニアGP13戦目で初めて表彰台を逃した。
今季GP2連勝を飾ったチェンは「順位や結果には満足している。2大会ともミスがあったが、優勝できてとてもうれしい」と笑顔だった。SPもフリーも細かいミスはあったが、4回転ジャンプは、ルッツとフリップ、サルコー、トーループの4種類を跳び、SP、フリーで計6本を組み込むハイレベルのジャンプ構成だった。
この日のフリーでは4回転トーループー1回転オイラーー3回転フリップの3連続ジャンプ以外のルッツ、サルコー、トーループの単独4回転3本で着氷が乱れて、出来栄え点で減点。それでも、演技構成点はただ一人9点をそろえるなど、32・06点差以上をつけて2位以下を圧倒する演技内容だった。
コーチ不在で苦しむ宇野昌磨についても言及。「自分にとってコーチがいることは重要。アドバイスをもらったり、精神的にプッシュしてもらったりしている」と答える一方、宇野については「どの選手もスランプに陥ることはあるし、どんな原因であれ、トップ選手にも苦労する時期はやってくる。だから、宇野も必ず答えを見つけて(トップ争いの場に)戻ってくると思う」と復活を期待していた。