12月に首脳会談の可能性
輸出規制やGSOMIAでも溝は深い

 今後、日韓の折衝はどのような展開が予想されるだろうか。

 当面の課題は、11月23日午前0時に失効する日韓GSOMIAの問題だ。

 米国は11月上旬、スティルウェル国務次官補をソウルに派遣し、GSOMIA延長を改めて韓国側に働きかける方針だ。

 ただ、日本政府の態度は、徴用工問題と同様、極めて冷淡だという。日米関係筋によれば、米側はスティルウェル氏訪韓に合わせ、外務省の滝崎局長が訪韓し、日米韓3者協議を行うことを打診しているが、日本側は消極的な態度を示しているという。

 菅義偉官房長官らは記者会見で、GSOMIA破棄は日本側の不利益にならないという発言を繰り返している。

 実務者からも「どうせ再締結するときは、今と同じ文面を使うのだから、すぐできる。一度失効してもいいだろう」という声も上がっている。

 韓国が撤回を望む輸出管理規制の強化措置にも応じる気配はない。

 複数の日本政府関係者は、「年明けには解散・総選挙もあるかもしれない。議員の多くは選挙区の支持者に、これからは譲歩しない大人の日韓外交を展開すると、散々、主張してきた。その手前、自民党内には『韓国に歩み寄ってやれ』という声は全くない」と口をそろえる。

 11月1日には日韓議連総会が東京で行われる。4日には主要20ヵ国・地域(G20)議長会議があり、韓国国会の文喜相議長も来日する。

 韓国側はそれぞれの機会を通じ、政界ルートで日韓の歩み寄りを説きたい考えだが、展望は全く開けていない。