「第57回アルゼンチン共和国杯」(GII・3日・東京・芝2500メートル)でホッカイドウ競馬から栗東・長谷川浩大厩舎へ転厩したハッピーグリンが移籍初戦を迎える。今後のためにも結果を出して、賞金を加算しておきたいところだ
野武士ハッピーグリンがJRA所属馬としての初出走を迎える。地方・ホッカイドウ競馬の田中淳厩舎所属時には23戦5勝。戦績の中にレコード決着だった昨年のジャパンカップ7着でマークした2分22秒2の好時計も含まれる。
転厩理由は活躍の場を増やすため。現時点では収得賞金は1850万円。昨年の有馬記念も賞金で除外されているように、地方所属のままでは使えるレースが限定されてくるのは周知の事実。とはいえ「地方のハッピーグリン」を応援するファンもいる。オーナーが苦渋の選択を強いられたのは想像に難くない。
「なかなかこれだけの実績を持った馬が転厩してくることはないですからね」。新しく管理することになった長谷川師は重責を実感する。プレッシャーを感じながらの調整。ただ、ハッピーグリン自身は“経験値”の多さから環境に動じることなく、順調にここまで調整されてきた。
「毎日王冠のあと、北海道に戻ってからこちらに転厩してきました。乗っていて大きく見せるタイプだし、トモの完成度からも伸びしろはあると思う。この感じでどれだけ戦えるのか興味があるし、今後へ向けて賞金加算をしたいですね」と同師は力を込める。
地方からJRAへと転戦して大成した馬にはオグリキャップ、イナリワン、トロットサンダーなどがいる。「地方競馬でこの馬を育てた関係者のためにもこれまでの実績に恥じないレースを」と師。まずは初戦。ハッピーグリンが偉大なる先輩に続けとばかりに、アルゼンチン共和国杯へと挑む。 (栗東取材班)