秋の観光シーズンのバス混雑を抑えようと、京都市交通局は11月2日~12月1日の土日祝日、「秋のおもてなしキャンペーン」を行う。キャンペーンに先立って京都市交通局がバス運転手に実施した初めてのアンケートでは、激しい車内混雑の課題が改めて浮き彫りになった。
委託先も含めた全運転手の97%に当たる1350人に聞き取りするなどした。全84系統のうち、混雑によって乗客に迷惑が生じている20系統に関しては、ベテラン運転手123人に混雑区間や繁忙期など6項目のアンケートにより、京都駅前や祇園、金閣寺、四条河原町の4エリアで顕著な混雑が発生していることが裏付けられた。
混雑の度合いを4段階で問う項目では「車内通路がふさがり、車内移動が非常に困難」「満員で乗り切れないほど激しい混雑」が、いずれも上位との結果が出た。キャリーバッグなどの大型手荷物の持ち込みについても、京都駅前-祇園の206号で10個以上との回答が出るなど、車内環境の悪化につながっていることが判明した。
市交通局によると、11月は年間通じて最も乗客の多い月といい、1日当たり平均乗客数は2014年の37万2千人から、昨年は40万5千人に増加している。一方で運転手不足や車両更新費用への対応などにより、大胆な混雑解消策を打ち出すのが難しい実情がある。
昨年から徴収する宿泊税を活用し、観光案内員の活動日数の拡大などソフト面も合わせた対策を打つことで、市民生活への影響をどこまで抑えられるのか。効果の十分な検証が欠かせない。