阪神の秋季キャンプで臨時コーチを務める山本昌氏(54)=野球評論家=が1日、今季自身初の勝ち星なしに終わった藤浪に徹底指導。合流初日からチェンジアップでのキャッチボールを勧めるなど“昌流”の練習法を伝授した。
キャッチボールの前に藤浪から助言を求めた。肩甲骨の使い方など話題は多岐にわたり、中でも、目からうろこが落ちたのが「チェンジアップが直球につながる」という発想。チェンジアップは手首を立てないと投げられない球種で、その手首の使い方を覚えれば、ボールを縦に切る感覚が養うことができる。直球の回転数も上がり、球威アップにもなるという算段だ。
山本昌コーチ「チェンジアップを練習することで、リリース(で手首が)が立ってくる。私自身がチェンジアップを覚えたことでプロ野球で勝てる投手になった。そういうことを伝えられたらと思います」
ブルペンでは75球のうち8球をチェンジアップにあてた藤浪。何度も腕の回し方などを確認し「斬新というか、自分では至らなかった角度からの意見をもらってすごい参考になりました」。真後ろから投球を見つめた同コーチは「ヤバいね!」と剛球にうなった。
前日、宿舎で行った講習会では「野球は確率だよ」と説いた。「100球中80球ああいう(指にかかった)球がいけば絶対に完封する」。通算219勝のレジェンドは悩める背番号19の復活に太鼓判を押した。(中村 晃大)