2019-11-01

アルバイト先が崩壊していく様を見ている

アルバイト先が崩壊していく。

私は3年以上の間、関西にあるファミリーレストランアルバイトをしている。

表面上はいたって普通の、問題のない店であるし、事実日々の営業もつつがなく行われているように見える。お客様視点からは。

しかし突如崩壊するコミュニティにままあるように、水面下には数多の問題が息を潜めている。

話は変わるが遡ること1年前、新しい店長が赴任してきた。第一の印象として我々が感じたのは、「地味なやつが来たな」ということだけであった。

容姿もこれといった特徴がなく、人見知りであるのか口数も少なかった。実際、代表として店を牽引していくであろう店長の器であったか、といえば疑問が残る。

しかし前任者のパワハラによってご機嫌取りと通常業務の両立を余儀なくされていた我々にとっては願ってもない吉報であった。

一緒に仕事をし始めてもその印象は変わらなかった。むしろ良くなったともいえるだろう。

他の飲食店はどうなのか分からないが、長くアルバイトをしている学生経験に加え年齢のアドバンテージ等もあり、並みの社員よりも有能なことがある。

そんな学生と一番相性がいいのは細かいことで口を出さな店長である。新しい店長はその条件をそのまま体現したような人物で、学生仕事方針について基本的には放任していた。

その上、料理提供食器の洗浄などの業務に黙々と取り組む点も評価され、我々の労働環境は飛躍的に好転していった。

現在学生フラストレーション限界点に近づいている。

昨今の経費削減傾向による人件費削減は数字上の違いとしてあらわれる以上に我々の体力を蝕んでいった。

もしこれを読んでいて店の責任者従業員がおり、そのシフトについての裁量もつ人がいたらこれだけは伝えたい。

人件費削減は一定ラインまでは適切かつ効果的な施策である。ただし、そのラインを超えてしまえば待っているのは従業員の不満の堆積やサービスの質の大幅な低下、すなわち店の崩壊であると。

今の店はこのラインを完全に超えてしまった。個々のキャパティを超える労働が当たり前とされる状態従業員はそれを受け入れざるを得ないわけだがもちろん声をあげる人間は出てくる。

加えて現在は11月の頭であり年末差し掛かろうという頃だが、来年に入ると就職活動でしばらく休職する学生がでてくる。

今年は例年に比べて多く学生の約1/3が抜ける上、その学生比較的重い業務を担っている。

この事実従業員危機感を煽る一因であった。

そして異常な労働量や来年への不安をはじめとした多くの不満、問題点が直談判という形で店長提示された。ちなみに声を上げた人物複数名いるが全員男性である

この提示を受けて店長がどう対応したのか、想像してみてほしい。

思いついただろうか。人員削減の程度を減らす?新しいアルバイト採用する?

前者は完全に間違いで、後者は半分正解といっていいかもしれない。

答えは「聞き流す」だ。アルバイト採用については更なる問題があるため後述する。

私たちが喜び、珍重していた口を出さな放任主義は意図的ものではなく、彼にとってする価値のない行為であった、ただそれだけなのである

意見に対する返答は「うん。」「そうだね。」これの繰り返し、まるでbotである。何種類もあるだけ、まだbotのほうが優秀かもしれない。

たまに返答したと思えば「仕事やりがい」「お客様第一」やはりrobotである。彼の目に映るのは目の前にいる私たち従業員ではない。上部に君臨する本部社員お客様イメージだけである

暖簾に腕押し、糠に釘など全く手ごたえがない様子を表す言葉があるが、今の状況は暖簾首に巻き付き、釘を自身の腕に刺しているようだ。やればやるほどこちらの体力が消耗していく。次第に、自分が何を訴えていたのか、何を期待していたのか分からなくなっていく。完全にどつぼにはまった状態となってしまった。

話し合い(といっても一方的意見陳述の場になった訳だが、)の様子を語る疲弊した学生を前に、私の脳裏には佐野SA勇気あるストライキニュースが繰り返し流れていた。

このように回避けが異常に高い偏ったパラメーターを持つ店長であるが、私たちの気づかないうちにダメージは蓄積されていたようである

それが表出したのは後述するとしていたアルバイト採用の段階である

今まで特例的に何名かはいものの、ほとんどが大学生構成されていたアルバイト女子高生が2人入ってきたのである。ここまでなら珍しい、で済むことであったがさらに1人女子高生が追加されたことによって我々の注意が疑惑に変わっていった。

採用フィルターをかけているのではないか本来採用とは能力のある人物選抜するために行われるのだからフィルターをかけること自体は間違っていない、だが女子高生ばかり採用するのはなんだ?その理由はすぐに発覚した。

「男はもうとらない。」店長様直々のお言葉である。不満のたまったアルバイトから突き上げを喰らった店長がした選択は、問題解決することではなく自分に反発し、攻撃する男性採用をしないということであった。

追い詰められた人間とは自分では正常な判断をしている心持で異常な判断をするという。まさにこの現象が起こっているのだ。

恐ろしい。あろうことか新たな人員操作しようとするとは。自分ユートピアを作ろうとでもしているのか。女子高生が好きなのか。

店長女子高生に対する愛情は粗雑な新人研修無意味マニュアルの読み合わせによって示されたが、それに対する女子高生の返礼は当日欠勤と無連絡での退職、いわゆるバックレだった。

かといって私は女子高生を責める気にはなれない。限りある高校生活はこのような朽ち行く墓場で浪費されるものでは決してないのだから

このように日々山積する問題解決されることなく、更に上へ、上へと積まれていく。

店への愛着はもちろんある。長く働いたことで得たことや仲間も多い。この店を選んだ後悔は、少なくとも私の中にはない。

私がいつか辞めることがあっても、その後も従業員が入れ替わり、店は続いていくと思っていた。

ゆっくりと、しかし確実に崩壊していくこの店を見守るしかないのだろうか。

  • anond:20191101230937

    バイトなんだから皆でやめて辞めた理由をTwitterに書けば? そうすりゃ本部がそいつを左遷するよ

記事への反応(ブックマークコメント)

アーカイブ ヘルプ
ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん