稲葉監督もホッと胸をなで下ろした。先発として期待する今永が3イニング1安打無失点、6奪三振の好投を見せた。8日の台湾戦に先発が有力な左腕を始め、5投手での完封リレーに「投手陣が良い投球をしてくれて、野手の流れになった」とうなずいた。
前夜のカナダとの強化試合では、大会初戦となる5日のベネズエラ戦に先発が有力な山口が登板したが、制球が安定せず2イニング6失点と散々な内容。さらに岸は30日に熱発し、2日連続で練習を休むなど、先発陣は心配な状況が続いた。
そんな暗雲を振り払うような投球をみせた今永は「無駄なボールがなかった。意図したところに投げられた」と納得の表情。さらに岸もこの日から練習に復帰。岸の一次ラウンドでの登板は厳しくなったが、その代役は高橋礼を起用する方針だ。稲葉監督は「逆に選手の起用の幅は広がったと思う」と大きな不安はない。これで宮崎、沖縄と続いた国内での調整は終了。「良い形で台湾にいけると思う」と稲葉監督。東京五輪への試金石となる戦いが始まる。